今年の11月から東急シアターオーブで開幕するミュージカル『天使にラブ・ソングを』。原作になっている映画をご存知の方も多いと思います。待望の再演となるこの大ヒットミュージカルについて、掘り下げていきたいと思います。

世界中を笑いとハッピーの渦に巻き込んだ名作

このミュージカルは、1992年にアメリカで公開された映画『天使にラブ・ソングを…』が原作になっています。半年に及ぶロングランを記録したこの映画は、第50回ゴールデングローブ賞にて主演女優賞や作品賞でノミネートされ、主演のウーピー・ゴールドバーグさんはこれをきっかけに広く知られるようになりました。

舞台化にあたっては、映画で主演を務めたウーピーさんが自らプロデュースに携わり、2009年にはロンドンのウエストエンドでミュージカル版が上演されました。2011年にはブロードウェイで上演され、トニー賞5部門でノミネート。そして2014年には日本初演を迎えました。その後も再演が重ねられる中、新たなキャストを迎えた『天使にラブ・ソングを』カンパニーが、今年も日本中に熱狂をもたらします。

修道女もギャングも?歌って踊る抱腹絶倒コメディ!

映画からミュージカル化される際に、細部の設定やストーリー展開が大幅に脚色されました。ここで、ミュージカル版のあらすじを紹介したいと思います。

ネバダ州のクラブで歌手をしているデロリスは、愛人であるギャングのカーティスの殺人現場を目撃してしまいます。重要証人であるデロリスは、身の安全のため修道院に送り込まれますが、破天荒な彼女は規律の厳しさについていけず、修道女たちからも煙たがられます。

そんなある日、修道院の聖歌隊のあまりに下手な歌を耳にしたデロリスは、クラブ歌手をしていたこともあり聖歌隊のトレーナーとして励むことに。特訓の中で、修道女たちは「自分を信じる」ことの大切さに気づかされ、デロリスもまた修道女たちから「他人を信頼する」ことを教わります。

だんだんと互いの信頼関係が芽生え、聖歌隊のコーラスも上達していくのですが、一方その頃ギャングたちも、デロリスが修道院にいるという噂を聞きつけ、追手が忍び寄ります。デロリスは無事に切り抜けることが出来るのでしょうか…?

どの組み合わせで観ても楽しい、奇跡の豪華キャスト

主人公デロリスは、森公美子さんと朝夏まなとさんのWキャスト。日本初演以来ずっとデロリスを演じてきた森公美子さんは、その圧巻の歌声とコメディセンスでこの作品をリードし続けています。元宝塚トップスターである朝夏まなとさんは、その生まれ持った華やかさや、見る人を笑顔にしてしまう魅力がデロリスにぴったりといえます。

デロリスの幼馴染で警察官のエディ役は、初演から演じられている石井一孝さん(東京公演のみの出演)と、今回初参加となる廣瀬友祐さんのWキャスト。ギャングでデロリスと愛人関係にあるカーティス役は、こちらも初演からお馴染みの大澄賢也さん。

オハラ神父役の太川陽介さん、修道院長役の鳳蘭さんなど、その他にも、豪華キャストが集結。どのキャストも、どの組み合わせでも魅力溢れる『天使にラブ・ソングを』になること間違いなしです。

アラン・メンケンが書き下ろした至高の楽曲

映画版とミュージカル版でもう一つ大きく異なるのが、楽曲です。映画では”Hail Holy Queen”など様々な挿入曲がありましたが、ミュージカル版では全てアラン・メンケンがこの作品のために書き下ろした楽曲で構成されています。ディズニー音楽の巨匠でもある彼の才能に酔いしれるのも、本作の楽しみ方の一つかもしれません。

東京公演は、東急シアターオーブにて2023年11月5日(日)から11月29日(水)まで上演。全国ツアー公演は、梅田芸術劇場メインホールにて2023年12月6日(水)~12月10日(日)、静岡市清水文化会館マリナートにて2023年12月23日(土)~12月24日(日)に上演です。公式HPはこちら

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修道服を来た女性が、手を叩きながら楽しそうに歌っている。『天使にラブ・ソングを』をよく知っているわけじゃないけれど、作品の名前を聞いて、なんとなくこの画がパッと思い浮かぶ方がいらっしゃるのではないでしょうか。この作品は、劇場にいる全員をそんな風に歌いたくさせるような、パワーや幸せを届けてくれると思います。