10月6日(金)に日本青年館ホールにて幕を開ける舞台『多重露光』。脚本を横山拓也さんが書き下ろし、演出に読売演劇大賞演出賞を受賞した眞鍋卓嗣さん、主演に稲垣吾郎さんを迎えます。町の写真館を舞台に、親からの理不尽な期待、求める愛、そして「生涯かけて撮りたいもの」をめぐる物語です。

求める愛を人生の中に収めることができるのか

町の写真館で店主を務めるカメラマンの男性・山田純九郎を描いた舞台『多重露光』。

純九郎は、戦場カメラマンだったという会ったことのない父親と、町の写真館の店主として人気のあった母親の間に生まれ、現在は写真館の2代目店主を務めています。彼の写真に囲まれた人生は、「生涯かけて撮りたいものを見つけなさい」という親からの言いつけに呪われ、常に写真に苦しめられてきた人生でもありました。

「町の写真館を細々と営むカメラマンに、本当に撮りたい写真なんかあるわけない」と思っていた矢先、毎年、愛に溢れた家族写真を撮る裕福な同級生の一家の“お嬢様”の麗華が訪ねてきます。その息子・実と関わっていく中で、かつて強く求めた家族の愛情に触れられそうな予感を持つ純九郎。

親の威光、無関心、理不尽な期待、そして、隠し持った家族写真…それらが多重露光の写真のように純九郎の頭の中に常にあって、幸せという未来の焦点がなかなか合いません。幼馴染や、取引先の中学校教員が何かと気にかけてくれますが、純九郎に欠落した愛情が埋まることはありませんでした。

純九郎は、自分の求める愛を、人生の中に収めることができるのでしょうか。

タイトルになっている「多重露光」とは、1コマの中に複数枚の画像を重ねて写し込む写真技法。親の威光、無関心、理不尽な期待、そして隠し持った家族写真など、様々な事柄や感情が重なり合う作品となっています。

脚本・横山拓也×演出・眞鍋卓嗣×主演・稲垣吾郎

本作の脚本を務めるのは、演劇ユニットiakuの主宰でPARCO PRODUCE『粛々と運針』や、まつむらしんご監督によって映画化された『あつい胸さわぎ』の戯曲を手掛けた、気鋭の劇作家・横山拓也さん。


演出を務めるのは、2年連続で読売演劇大賞演出家賞を受賞し、さらに注目が高まる眞鍋卓嗣さん。PARCO PRODUCE 音楽劇『海王星』やミュージカル『ドリームガールズ』の演出を手掛けています。

山田純九郎役を演じるのは稲垣吾郎さん。ご自身も写真に関心があるとのことで、「オフでも身近にカメラのある生活をしているので、この企画を伺い、「多重露光」という作品に縁を感じました」とコメントしています。

父親役に、三谷幸喜さんが主催する劇団「東京サンシャインボーイズ」の中心メンバーで、舞台・映画・テレビ・ラジオと幅広いジャンルで活躍。新国立劇場で上演された『貴婦人の来訪』では主演を務め、ゆうめい『ハートランド』での好演も記憶に新しい相島一之さん。

母親役を演劇ユニット・城山羊の会の作品に多数出演し、演出家・山内ケンジさんのミューズともいえる石橋けいさんが演じます。

麗華役には、こまつ座第140回公演『雪やこんこん』や映画『ミッドナイトスワン』などに出演、ドラマ『大病院占拠』への出演も話題となった真飛聖さん。

麗華の息子・実役は、杉田雷麟さんと小澤竜心さんのダブルキャスト。

杉田さんは稲垣吾郎さんの主演映画『半世界』に出演し、第41回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞、第34回高崎映画祭 最優秀新進男優賞を受賞しています。小澤さんは、「Let’s天才てれびくん」「天才てれびくんYOU」で幼少期から活躍。現在は俳優やダンサーとして多彩に活動しています。

そして、純九郎の幼馴染に、コント作品からシリアスな役柄まで演じ分ける竹井亮介さん。取引先の中学校教員を、iakuの作品に多数出演してる橋爪未萠里さんが演じます。
舞台『多重露光』は、10月6日(金)〜10月22日(日)に東京・日本青年館ホールにて上演。一部公演ではバックステージツアーが行われます。詳細は公式HPをご覧ください。

ミワ

タイトルの意味が分かった時、鳥肌が立ちました。