人生山あり谷あり、楽あれば苦あり。と言っても、苦しいことの方が心に残りがちではありませんか?気分が沈んだ時は、言葉の魔術師・シェイクスピアから人生の教訓を得ましょう。数多くあるシェイクスピア作品の名言から、あなたの生きるヒントになるかもしれない言葉をお送りします。
01 「物事は落ちるまで落ちれば止まるもの、あるいは元あったところまで昇るもの」
四大悲劇『マクベス』からの一文。ロスというだいぶ脇役の領主の台詞なのですが、シェイクスピア作品は主役脇役関係なく心に響く言葉が並ぶのが、実に素晴らしいのです。
さて、生きていると、どうしようもなく不運が続く一日があったりしますよね。朝は寝坊し、仕事ではミスをして、帰ろうとすれば電車が遅れ、見ようとしていたテレビ番組に間に合わず、とか…。そんなときはこの文章を思い出して、「明日はきっと違う1日になるはず」と気持ちを切り替えていきましょう。
「『これは最悪だ』と言えるうちは、まだ最悪ではない。」−−『リア王』
02 「人生に幸も不幸もない、考え方ひとつだ」
こちらも四代悲劇『ハムレット』から、主人公ハムレットの台詞。原作を知っていると、こんな前向きな台詞を放っていながら生きるべきか死ぬべきか…と思案を巡らすハムレットの姿には皮肉めいたものを感じます。
何か自分にとって不都合だと思うことが起きても、考え方を変えてみれば違う一面が見えてくるかも…というポジティブになれる言葉ですね。
コロナ禍にあってマスク着用や手指消毒が声高に唱えられるようになり、衛生面を以前より考えるようになったりとか、インフルエンザの罹患率は前年より減ったりとか…。出来事や誰かの悪い面ばかりにとらわれず、違う一面も見るようにしてみませんか、という気持ちを明るくしてくれる名言です。
いかがでしたでしょうか。今回は一文だけを切り取ってご案内しましたが、この台詞の放たれた文脈まで知っていると、また違った味わい方が出来ますよ。 筆者は「簡潔さが言葉の命」(『ハムレット』より)を肝に銘じ、本年も皆さまに演劇や文学についてお伝えしていきたいと思います。