9月10日(火)から東京・世田谷パブリックシアターにて上演されるBunkamura Production 2024/DISCOVER WORLD THEATRE vol.14『A Number—数』『What If If Only—もしも もしせめて』。現代イギリス演劇を代表する劇作家・キャリル・チャーチルの二作品を連続上演します。
堤真一×瀬戸康史 初共演で2人芝居に挑む
Bunkamuraが⽇本と海外のクリエイターの共同作業のもと、優れた海外戯曲を今⽇的な視点で上演する企画に取り組んできた、DISCOVER WORLD THEATRE(DWT)シリーズ。同シリーズの第14弾として上演されるのは、現代イギリス演劇を代表する劇作家の一人、キャリル・チャーチルの二作品『A Number—数』『What If If Only—もしも もしせめて』です。
『A Number—数』は、2002年に初演され2022年にはローレンス・オリヴィエ賞リバイバル部門にノミネートされた名作。『What If If Only—もしも もしせめて』は2021年に上演されたチャーチルの最新作で、日本初演となります。
2作品の演出を手掛けるのは、これまでにDWTシリーズで2016年に『るつぼ』、2018年に『⺠衆の敵』、2021年に『ウェンディ&ピーターパン』を演出したジョナサン・マンビィさん。英国で2010年に『A Number』を演出した経験があり、“⽗と息⼦の⼀筋縄ではいかない対話が⾒事に展開された”と称賛を得ています。
『A Number—数』で2人芝居に挑むのは、堤真一さんと瀬戸康史さん。人間のクローンを作ることが可能となった近未来を舞台に、秘密を抱え葛藤する父を堤さんが、クローンを含む3人の息子たちを瀬戸さんが演じます。
『るつぼ』『⺠衆の敵』『ウェンディ&ピーターパン』とマンビィさんが手がけたDWTシリーズ全てに出演してきた堤さんは「彼は役者から生まれるものを第一に、いつの間にか役者がうまく階段を上がれるように導いてくれます。今回もクローンや遺伝子操作といったちょっと手強そうな内容の作品ですが、お互いに意見を出し合いながら、チームとしての方向性を明確に示してくれるのではないかと思います」とコメント。
本作でマンビィ演出公演に初出演、堤さんとも初共演となる瀬戸さんは「コメディからシリアスまで幅広い役をされている堤さんと、初めてご一緒できることが楽しみです。以前、マンビィさんのワークショップに参加したこともあり、海外の演出家さんとの少人数での創作にワクワクしています」と出演の喜びを語りました。
『What If If Only—もしも もしせめて』には、舞台初共演となる大東駿介さんと浅野和之さんが出演。愛する人を失い苦しむ“某氏”を大東駿介さん、“未来”と“現在”を浅野和之さんが、“幼き未来”(ポピエルマレック健太朗さん・涌澤昊生さんのWキャスト)と共に演じ、日本初演の戯曲に挑みます。
大東さんは「日本初演のこの戯曲を読み終えた時、「出会えた!」と思いました。なかなか難解ですけれど、それくらい吸い込まれ、圧倒されたんです。現在は自分が生きてきた過去の積み重ねである一方で、この先に想像し得る未来との板挟みになっている。最近そんなことをよく考えていた矢先に、「生きるとは」「生命とは」「思考とは」など、次元を越えて人間を解釈しているような作品に出会えた自分は本当に幸せだと思います。何億という時間が数十分に凝縮されている感覚を持ちました」と本作の魅力を語ります。
浅野さんは「私は「現在」「未来」という非常に抽象的な役どころで、この二種類をどう表現として変えるのか、あるいは変えないのか。誰もが「未来」というものに希望や思い描いていたものがあるだろうけど、必ずしもそれは自分の思っていた通りにはならない。そんなストーリーが浮かび上がってくる気がします」とコメントしました。
『A Number—数』『What If If Only—もしも もしせめて』は2024年9⽉10⽇(⽕)から29⽇(⽇)まで東京・世田谷パブリックシアターで上演後、10⽉4⽇(⾦)から7⽇(⽉)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、10⽉12⽇(⼟)から14⽇(⽉・祝)まで福岡・キャナルシティ劇場で上演が行われます。公式HPはこちら