劇団☆新感線の最新作は、生田斗真さんを主演に迎えた“美しさを武器に天下取りを目論む男”のピカレスク。盟友・中村倫也さんや、西野七瀬さん、りょうさんを迎え、古田新太さん・粟根まことさんらと壮大なステージを創り上げます。公演発表からすでに大きな注目を集める本作の製作発表会見が行われました。

生田斗真、念願の「劇団☆新感線の悪役」に挑む

劇団☆新感線の最新作いのうえ歌舞伎『バサラオ』は、生田斗真さん主演の2020年劇団☆新感線39(サンキュー)興行・春公演『偽義経冥界歌』にて、博多座公演が全公演中止になったリベンジを果たすプロジェクト。主演・生田斗真さんの生誕39年を記念したサンキュー公演と銘打ち、博多座へのCOME BACK公演、エンターテインメントの殿堂・明治座への初進出、そして劇団のホームである大阪・フェスティバルホールでの公演となります。

製作発表会見には、脚本の中島かずきさん、演出のいのうえひでのりさんと、生田斗真さん、中村倫也さん、西野七瀬さん、粟根まことさん、りょうさん、古田新太さんが登壇しました。

中島かずきさんは当初「歌ありダンスありの賑やかで楽しい演目」を想定して脚本を進めていたそうですが、「どういうわけか筆が進まなくて、以前から斗真くんに話していた顔が良いだけで世界を征服する悪い男のお話を思い切って書いてみたところ、相対する倫也くんのキャラクターも見えてきて、スムーズに書けた」「自信作になっています」と本作誕生の経緯を明かすとともに、自信を見せました。

演出のいのうえひでのりさんも明治座・博多座・フェスティバルホールでの上演にあたって、「エンターテイメント寄りの小屋ということで、当初は歌と踊りの入る楽しい公演をやりたいなという企画だったんですが、筆が進まないということもあり(笑)、今はもう重いやつもやって良いんじゃないかという空気が僕の中にも出来上がって。でも楽しい歌や踊りのお祭り騒ぎ的なものもやりたいということで、ピカレスクロマンでありながらショーアップしたものになるんではないか。決してヘビーなものではなく、スカッとした読後感を味わっていただける」と語ります。

主演を務める生田斗真さんは、「生田斗真生誕39周年を記念した公演ということで、17歳の頃から憧れ続けた劇団☆新感線の皆さんとできることを嬉しく思います。自分で言うのも烏滸がましいんですけれども、美しさを武器に世界征服を狙うというとんでもない役です。劇団☆新感線の悪役はいつか演じてみたいと思っていた役どころですので、精一杯演じたいと思います」と意気込みます。

生田さんは劇団☆新感線5度目の出演となりますが、劇団☆新感線の作品で古田新太さんと共演するのは本作が初めて。「17歳、高校2年生の時から5度目の出演で、ようやく念願叶ったなという気持ちです。数々の俳優さんたちが古田さんとお芝居すると楽しいとずっと伺っていた」と共演を心待ちにしている様子で、「古田新太という1人の男が舞台上に立っているだけで何かが起きるんじゃないかとワクワクさせてもらえる」と古田さんの魅力を語りました。

中村倫也さんは、「(出演が)決まった時は斗真くんでやるよ、古田さんも出るよと聞いて、じゃあ混ぜてよということで混ぜてもらいました。劇団☆新感線で劇団員じゃない人の生誕何周年公演ってあるんですか?ないですよね?なんすかそれ?(笑)もっと劇団員の生誕を祝った方が良いですよ」とツッコミつつ、「一緒にできることを嬉しく思います」と2016年『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』以来親交の深い生田さんとの共演の喜びをコメント。

また「僕が舞台で主演ではなく出演するのは久しぶりなんです。主演の横にいる人間としてどういう関わりが出来るかなと楽しみにしていたんですけれどね、昨日本読みをしてみたら主演より出番が多いんです…話が違うなって(笑)。気を引き締めて挑まなきゃいけないなと思いました」と語り、本作での重要な役どころに期待が高まります。

西野七瀬さんは2021年の『月影花之丞大逆転』以来の劇団☆新感線出演で、「一緒にまた舞台ができると聞いた時点ですごく嬉しくて、前回がダメじゃなかったんだなというか(笑)。初めてやる時よりも嬉しさが大きかったです」と2度目の出演の喜びをコメント。

昨日行われた本読みについては、「前回はコロナ禍ということで10人くらいのキャストの皆さんとやったので、その楽しかった思い出を持って昨日本読みに行ったらめちゃくちゃ人がいっぱいいて(笑)。すっごい緊張して汗ダラダラだったんです。規模感も公演数も大きいので最後まで立っていられるか心配ではあるんですけれど、皆さんと一緒に創っていくんだなと改めて気が引き締まりました。体に気をつけて、まずは稽古を頑張りたいなと思います」と決意を新たにされたようです。

劇団員の粟根まことさんは島国「ヒノモト」の鎌倉で執権を握るキタタカ役を演じるにあたり、「時の政治の最高権力者ということになりますが、他の出演者たちによって見事に滅ぼされていけば良いなと。できる限り見事に滅ぼされていきたい」と語ります。また生田さんについては「39歳になるのになお美しさを保って、お客様だけでなく共演者を魅了していただければ」と期待を語ると、中村さんも「よっ」とヤジを飛ばし盛り上げます。

女大名サキドを演じるりょうさんは、「劇団☆新感線のアクションがカッコよくて、軽々しくアクションやりたいと言ってしまったんです。それでアクションが多めになっていまして、でもチャレンジさせてくださる環境がありがたいと思いますので、とにかくできるだけやります」と意気込み、ずっと続けられているトレーニングも今年から本作のことを考え、下半身を中心としたトレーニングで身体を仕上げられているそうです。

古田新太さんは「劇団でりょうさんとなぁちゃんは共演しているんですけれど、斗真と倫也は初めてで。僕的には4人が出てくれるなら下ネタミュージカルがやりたかったんですけど(笑)」と古田さん節満載でご挨拶。これには中村さんも「下ネタやる面々じゃないでしょ」と突っ込みます。さらに「斗真の台詞はバカバカしくて、お前何様のつもりだという台詞になっているので、斗真のファンの人も、ファンじゃない人も、アンチ斗真の人も楽しめると思う」と本作ならではの見どころを明かしました。

古田さんと中村さんはミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』で共演しており、中村さんは「毎日飲みにも連れて行ってもらいましたし、飲み屋で芝居のことをさりげなくアドバイスしてもらった」と振り返ります。「その時の自分が20代前半だったのが、当時の古田さんの年齢に近づいてきたので、今またやれることが嬉しく思います」と時を経ての念願の共演を噛み締めました。

劇団☆新感線と言えば歌やダンス、アクションなどエンターテイメント性溢れる演出が魅力ですが、いのうえひでのりさんから本作について「バンドを入れる“R”シリーズでやりたいと言ったら制作から予算がかかるからダメと言われて、明治座と博多座ですし、花道を使ってやりたいと言ったんですがこれも予算の都合でカットになりまして(笑)。結果的に、前回のミラノ座『天號星』で客席をバンバン使ったらすごく楽しかったんで、この芝居も客席をバンバン使おうかと」と演出プランが明かされると、古田さんから「いのうえさんは客席使うのが好きなのは良いんだけど、てめえは走ってないから。走ってごらんなさいよ。めちゃくちゃハードなんだから」とクレームが。

しかしいのうえさんは「明治座はミラノ座より近いから大丈夫」と動じず、今回も客席を皆さんが大いに走り回ることになりそうです。

本作が美貌を武器にした役柄ということで、自分の俳優としての武器を問われた生田さんは「武器というものはないんですけど強いていうなら…美しさ」と会場を沸かせると、中村倫也さんも「本当にそうだもんね」と乗っかる軽快なやり取りを。生田さんは「違う違う」と焦りながらも「頑張ります!」と意気込みました。

撮影:晴知花

さらに中村倫也さんは「圧倒的に美しいものって見たくないですか?これまでの人生で、圧倒的に美しいものってぽんって浮かびますか?それに(生田さんが)なります」と生田さんに大きくプレッシャーをかけながらも、抜群のチームワークで本作をアピールしました。

劇団☆新感線いのうえ歌舞伎『バサラオ』は、7月7日(日)から8月2日(金)まで福岡・博多座、8月12日(月祝)から9月26日(木)まで東京・明治座、10月5日(土)から10月17日(木)まで大阪・フェスティバルホールにて上演が行われます。福岡公演のチケット発売は5月25日10時から。公式HPはこちら

Yurika

4ヶ月に渡る公演の動員数は約15万人とのことで、生田さんも「東京ドームでやると3公演の数に匹敵するとんでもない規模の公演になります」とコメント。日本中が劇団☆新感線の新作に沸く日々となりそうです。