劇団旗揚げ45周年という記念すべき年を迎える劇団☆新感線。記念イヤー第一弾を飾るのは、鬼が棲まう平安時代を舞台にした悲恋物語。45周年を迎えてもなお、前を走り続ける劇団☆新感線の新しい試みとはどういったものなのでしょうか?

“【譚】Retrospective”と銘打つ新たな「いのうえ歌舞伎」

「昔々あるところに…から始まるような、伝承で語られるような物語をやりたい」という演出のいのうえひでのりさんの発案からスタートした今作。今回のモチーフとなるのは、古来より多くの村や町で伝承が残る“鬼”。鬼伝説として地域に伝えられていたり、『宇治拾遺物語』『御伽草子』などの古典作品に登場したりと、古くから怖い存在として人々に恐れられてきました。そんな“鬼”をモチーフに、『ミナト町純情オセロ〜月がとっても慕情編〜』以来の参加となる青木豪さんが物語を描きます。

数年前から“鬼退治”の話を書きたかったという青木さん。今回挑戦できることに、「大変嬉しかったです。ようやくチャレンジできて感無量であります」とコメント、どういった物語になるのか期待が膨らみます。

そして今回、東京はシアターH、大阪はSkyシアターMBSと昨年新しくオープンした劇場での公演となりました。劇団としても初進出となる両劇場、記念すべき年に新しい風を感じる作品になることでしょう。

さまざまな出自のキャストがジャンルを飛び越え大集合!

45周年という節目の年に、多方面から出演者が集まりました。劇団☆新感線作品に初参加となるのは4名の方です。

まず1人目は、今回主演を務める元宝塚歌劇団花組トップスター柚香光さんです。今作が退団後初の演劇作品への出演となります。以前から劇団☆新感線の舞台を何度も観てきたという柚香さん。今回の出演が決定したことを受け、「初めて観たのは『髑髏城の七人』(2011)で「なんだ、この世界は!?」とものすごく衝撃を受けて、次の日まで感動が残っていて。ですから、その劇団☆新感線さんの舞台に自分が主演として立てるなんて!と、とても興奮しています」とコメントしており、観劇して衝撃を受けた劇団への初出演を控え、期待感が伝わってきます。

そしてゴールデンボンバーのメンバーである喜矢武豊さん、念願が叶っての初参加となります。新感線お馴染みである早乙女兄弟と公私ともに親交があるという喜矢武さん。今回は友貴さんと共演するということで、「初新感線で共演者の中に早乙女友貴がいるというのは良かった……のかなあ?(笑) …中略… もしかしたら友貴と戦ったりするのかな?と考えると不安になってきたので、ちょっと稽古前に山ごもりでもしてきますわ。滝にでも打たれながら刀を振っておきます。目標としては、できれば早乙女友貴をボコボコにしてみたいですからね」とコメントされ、仲の良い早乙女友貴さんとの共演がどのようになるのかがとても楽しみです。

そして3人目はドラマや映画で活躍されている一ノ瀬颯さん。なんと初舞台をこの劇団☆新感線の舞台で踏むこととなりました。新感線の特徴の一つである殺陣やアクションに心得があるということで、「身体を動かすことは好きですし、本格的に殺陣に挑戦したいと思っているので、稽古が始まるのが今から待ち遠しいです」とコメントしています。

4人目は乃木坂46の元メンバーで、現在は女優として活躍されている樋口日奈さんです。叶えたい夢の一つが劇団☆新感線の舞台に出たい!ということで、こちらも念願が叶っての参加となります。「今回は共演者の方々も経験豊富な方ばかりですからいっぱい教わりたいですし、たくさん吸収しなければ!と思っています。観てくださる方に「観て良かった。今日はいい 1日になったぞ!」と思っていただけるよう、私も精一杯頑張りますので、ぜひ楽しみにしていてください!」とコメントされ、夢見た舞台への参加に対する熱い思いが伝わってきます。

さらに、23年の『天號星』以来6度目の参加となる準劇団員・早乙女友貴さん、21 年の『狐晴明九尾狩』以来4 年振り 6 度目の参加の千葉哲也さん、『髑髏城の七人~Season 月《下弦の月》』以来の参加となる鈴木拡樹さん、そして粟根まことさんをはじめとする劇団員の方々が出演します。

いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective 『紅鬼物語』は、5月13日(火)〜6月1日(日)まで劇団旗揚げの地である大阪・SkyシアターMBS、6月24日(火)〜7月17日(木)まで東京・シアターHにて上演されます。詳しくは公式HPをご覧ください。

nan

記念すべき45周年イヤーを飾る1作品目も、新たな風を取り入れつつ勢いが止まらない劇団☆新感線らしい作品になるのではとワクワクしています。