2025年8月5日(火)から27日(水)まで東京・よみうり大手町ホールにて、その後兵庫・福岡にて舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』の上演が決定しました。奈緒さん、ウエンツ瑛士さんらが戦争激動の時代に「真実の愛」で困難に立ち向かった夫婦の姿を描きます。
米軍の兵士と結婚し、海を渡った“戦争花嫁”を描く
舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』の原案は、ドキュメンタリー映画「War Bride 91 歳の戦争花嫁」。2022年12月にTBSで放映され、翌年3月から始まった TBS ドキュメンタリー映画祭で上映、今年6月にフランス・パリで行われる日本のドキュメンタリー映画祭【un petit air du japon 2025】にも出品が決定した作品です。
“War Bride(戦争花嫁)”とは、第二次世界大戦後、連合国軍占領下の日本に駐留していた兵士と結婚して兵士の国へ渡った日本人女性のことを指し、アメリカへ渡った戦争花嫁の数は約4万5千人いたといわれています。
戦争で凄惨な現実を目の当たりにした女性たちは、新たな人生を求めて自らの意思でパートナーを決めアメリカへ渡ったにもかかわらず、当時の報道の影響で娼婦・売春といった誤解と偏見を世間に植え付けられ、差別を受けていました。
ドキュメンタリー映画「War Bride 91 歳の戦争花嫁」で監督を務めたのは、『下町ロケット』や『半沢直樹』など TBS で数々のヒット作を生み出してきたドラマプロデューサーである川嶋龍太郎さん。
アメリカ・オハイオに住む自身の叔母【桂子・ハーン】が「今でも戦争を憎んでいる」と言いながらも、なぜ“戦争花嫁”として敵国軍人と結婚し、敵国であるアメリカへ移住することを決断したのかということに興味を持ち、紐解くうちにその生き様に心揺さぶられドキュメンタリー作品を制作することを決めました。
桂子さんは、戦争で親族や友人を亡くし戦争を憎むも、日本に駐留していた軍人フランク・ハーンさんと恋に落ち、20 歳の時に日本で結婚し渡米しました。モダンな両親はこの幸せな結婚を素直に受け入れ、フランクさんの家族にも温かく迎え入れられるも、現地ではやはり人種差別を受け、悔しい思いも苦い経験も味わってきました。
そんな桂子さんを支えたのは、フランクさんとの真実の愛と絆。家族との生活を大切にする傍ら、“日本人の精神を持つ日本を愛するアメリカ人”として、日米の架け橋となるべく生け花や習字、日本庭園など日本文化を広めることにも尽力。フランクさんの愛に包まれた困難と喜びの日々を記憶しながら、桂子さんは今もなお歩み続けています。
この桂子さんとフランクさんの運命の物語を、戦後 80 年となる今年の夏、「劇団チョコレートケーキ」主宰・演出の日澤雄介さんと、同劇団の脚本家・古川健さんの強力タッグで舞台化が決定。劇団チョコレートケーキは202年に<日本の戦争>に焦点を当てた6作品の連作『生き残った子孫たちへ 戦争六篇』を上演、高い評価を得て第 30 回読売演劇大賞・大賞を受賞しています。
戦後激動の時代に困難と喜びの日々を共にした夫婦に初共演で挑むのは、奈緒さんとウエンツ瑛士さん。奈緒さんは今年1月にオハイオ州ライマへ渡米し、桂子さん本人に対面。桂子さんのこれまでの人生を直に聞き、一緒にフランクさん、そして家族との思い出の場所を訪れました。

奈緒さんは「1月に桂子さんにアメリカでお会いして、“戦争”という言葉が持つ意味をより深く知る機会になりました。私たちは偏見や差別から解放された世代だと思うんです。なぜいま自分たちがこの時代を生きることができているのか、この作品を通してこの日常がどれだけ尊くて光輝いているのか、幸せをかみしめるきっかけになると思いますし、今を守りたいと絶対に思えるはずなので、ぜひ観てほしいです」と語ります。

ウエンツ瑛士さんは「桂子さんとフランクさんの間には本当にピュアな愛があるんだなと思う一方で、そのピュアで強い絆と愛に至るまでにはいろんな悲しみや辛さを内包しているように感じました。そしてお二人の家族が増えていったときに、桂子さんが自分たちと同じ辛い思いをしてほしくないけれど、それでもしっかり前を向いていくんだという、母として、女性としてすごく前向きな姿勢を示していらっしゃるのが印象的でした。今もこの世界で戦争が起きている中、僕らはこの戦争をどうにかして止めないといけないというところに思いがいきがちですが、この物語を通して、戦争が終わった後もいかに大事かということを知るきっかけになると思います」とコメントしました。
共演は、桂子とフランクを取材する若きジャーナリストに高野洸さん、桂子の人生を後押しする両親に占部房子さんと山口馬木也さん。さらに川島鈴遥さん、渡邉蒼さん、福山絢水さん、牧田哲也さん、岡本篤さんが出演します。
【STORY】
彼女の名前は桂子・ハーン、現在 94 歳。
桂子は 1951 年、20 歳の時に米軍の兵士と結婚し、海を渡った
そして『戦争花嫁』とよばれた ―
アメリカ兵と歩いているだけで娼婦と言われる時代に、
何故、桂子は敵国の軍人と結婚をしたのか?
ひどい人種差別にあった時にどう乗り越えたのか?
そこにあった幸せとは ――
ひとりのジャーナリストが桂子の人生を辿る。
「私は日本を誇りにできる、
そしてアメリカが誇ってくれるような女性になりたかった」
激動の時代を生きた桂子の人生・生き様・家族・苦悩・差別などを
当時の世相と共に描いた真実の愛の物語。
舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』は2025年8月 5日(火)から27日(水)までよみうり大手町ホールにて上演。9月には兵庫公演・福岡公演が行われます。公式HPはこちら