ディズニー映画にもなった児童文学小説を原作とするミュージカル『101ダルメシアンズ』が、2026年10月11月に東京・大阪で上演。日本初演となる今回、新妻聖子さんと蘭寿とむさんのWキャストによる主演はもちろん、パペットで表現される動物たちや心躍る楽曲など、見どころ満載です。

ディズニー映画でもおなじみの児童文学小説がミュージカル化

Photography of the 202425 UK Tour of 101 Dalmatians The Musical (c) Johan Persson

『101(ワンオーワン)ダルメシアンズ』は、イギリス出身の作家ドディー・スミス(Dodie Smith)による児童文学小説「ダルメシアン 100と1ぴきの犬の物語」をもとにしたミュージカルです。1956年に発表された同小説は、ディズニーのアニメーション映画『101匹わんちゃん』の原作としても知られています。

本作は2022年にイギリス・ロンドンのリージェンツパーク野外劇場にて初演されると、2024年にイギリス国内でのツアー公演を開催。2025年には3000超の座席を有するロンドンのハマースミス・アポロで6週間にわたって上演されました。

物語では、世紀の悪女、クルエラ・ド・ヴィルにさらわれた子犬たちを取り返すため、仲間たちが力を合わせて大冒険を繰り広げます。

作詞・作曲を手掛けたのは、俳優だけでなく監督や作曲家、演出家の顔も持つダグラス・ホッジ(Douglas Hodge)さんです。俳優活動においては映画にドラマ、舞台と幅広く出演し、実力を高く評価されています。2008年にウエストエンド、2010年にブロードウェイで再演されたミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』により、ローレンス・オリヴィエ賞とトニー賞の双方で主演男優賞を獲得しました。

脚本を担当したジョニー・マックナイト(Johnny McKnight)さんは、これまで演劇やオペラ、ドラマの脚本を数多く執筆。さらに34以上のパントマイム作品を手掛け、パントマイムUK賞に複数回ノミネートされた実績から「パントマイム界の新星」とも評されています。

また、イギリス国内外の著名な劇場・劇団から作品の委嘱や制作を依頼されている劇作家のジニー・ハリス(Zinnie Harris)さんが、舞台版脚色を担いました。

そして、本作では舞台上に動物たちを登場させるにあたって、パペットによる演出手法を採用。主に動物や生き物を題材として人形劇の演出から制作、デザインまで携わるジミー・グライムス(Jimmy Grimes)さんをパペットクリエイター・パペットディレクターに起用しました。

イギリス発の人気ミュージカルが日本にやってくる!

イギリスで観客の心をつかんだミュージカルが、2026年10月に日本に初上陸。イギリスのクリエイティブチームによる監修のもと、繊細ながら華麗なパペットさばきで動物たちの生き生きとした様子を表現します。

日本版の訳詞・翻訳・演出を任されたのは、演出家・劇作家の石丸さち子さんです。現代作家から古典まで、ジャンルを問わず作品づくりに注力。ミュージカルやストレートプレイなど、数々の作品に劇作・演出・訳詞など多方面から携わっています。作・演出を手掛けたミュージカル『Color of Life』は、2013年のニューヨークのオフ・オフ・ブロードウェイ国際演劇祭「Midtown International Theater Festival」で最優秀ミュージカル作品賞を含む4部門を受賞。その後2016年に日本でも初演を迎え、2017年の第24回読売演劇大賞上半期の作品賞と演出家賞にてベスト5にノミネートされるなど、石丸さんにとっての代表作となりました。近年の主な実績にミュージカル『マタ・ハリ』の訳詞・翻訳・演出や舞台『キオスク』『オイディプス王』の演出など。さらに自主企画「Theatre polyphonic」を立ち上げ、2016年のミュージカル『ボクが死んだ日はハレ』や2024年のミュージカル『翼の創世記』で脚本・作詞・演出を担当。オリジナルミュージカルの創作や俳優の育成にも積極的に取り組んでいます。枠にとらわれず日本の演劇界で挑戦を続けている石丸さんだからこそ、本作でも日本版ならではの魅力を創り上げてくれるのではないでしょうか。

<あらすじ>
夜のロンドン郊外で捨てられた、ダルメシアンのポンゴ。保護センターでダニエールと出会い、新しいお家での暮らしが始まります。運命的な出会いはさらに続き、ポンゴはパーディと、飼い主のトムとダニエールも犬たちの計らいで結ばれます。

ロンドンのファッション界を牽引するクルエラ・ド・ヴィルは、ファッションウィークを前に、新しいスタイルを模索中。そこで目をつけたのが、パーディとポンゴが授かる子犬たちの毛皮。世紀の一着を創ろうと異常な執着で、甥っ子キャスパーとジャスパーを使い、生まれたばかりの15匹、さらにはロンドン中から合わせて99匹の子犬を盗み出します。心配する飼い主と親犬たち。一方、捕らえられた檻から逃げ出した3匹(パッチ・スパッド・ボタン)は、猫のタビーの力を借り、厳しい寒さの中、子犬たちみんなを助けるために動きはじめます。クルエラの野望に立ち向かい、温かい家族の暖かいお家に帰るため、冒険の旅が始まります!

クルエラはWキャスト!個性豊かな面々が人間と動物を演じる

本作を語るにあたって外せない悪役、クルエラ・ド・ヴィル役は、新妻聖子さんと蘭寿とむさんがWキャストで務めます。

新妻さんは2003年にミュージカル『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役で初舞台を踏むと、翌年にはミュージカル『ミス・サイゴン』でヒロインのキム役を熱演。2005年に舞台『サド侯爵夫人』のタイトルロールで第31回菊田一夫演劇賞、2006年にミュージカル『マリー・アントワネット』のマルグリット役で第61回文化庁芸術祭演劇部門新人賞を受賞しました。以降も数々の舞台で主要な役を演じ、日本ミュージカル界の歌姫と称される実力をいかんなく発揮。さらにドラマやバラエティ、歌番組などにも出演して活躍の場を広げています。

蘭寿さんは元宝塚歌劇団の花組トップスターとして人気を集め、2014年の退団後は舞台を中心に映像作品や音楽分野でも活動。2016年にはミュージカル『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト〜』にて帝国劇場での初出演・初主演を果たしました。来る2026年10月には、芸能生活30周年を祝うアニバーサリーライブ『30th anniversary 蘭寿とむ 1st LIVE』を開催します。

実力、経験ともに申し分ない2人が扮するクルエラは、恐ろしく狂気的でありながら鮮烈で、観客は目を逸らせなくなりそうです。また、ファッショニスタであるクルエラのおしゃれな衣装や、悪役っぷりが伝わるミュージカルナンバーも見逃せません。

ここからは、クルエラに立ち向かうダルメシアンズ側のキャストを紹介します。

パペットを操り、ダルメシアンの父犬・ポンゴを演じるのは、映像作品や舞台で躍進する村井良大さんです。とりわけ近年は2024年のミュージカル『この世界の片隅に』や2025年のミュージカル『手紙』2025、2026年の舞台『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』などでメインキャラクターを演じており、ますます存在感を高めています。

母犬・パーディの操り手は、柔軟な表現力で幅広い役を演じる土井ケイトさん。ミュージカル『ラグタイム』『梨泰院クラス』『Once』など話題作への出演が続いており、現在は2026年8月16日に大千秋楽を迎える舞台『HiGH&LOW THE 戦国 外伝』に出演中です。

また、鈴木勝吾さんがポンゴの飼い主であるトムを演じます。2019年の初演以来熱い支持を得ているミュージカル『憂国のモリアーティ』シリーズでは、主人公のウィリアム・ジェームズ・モリアーティを長きにわたって好演。ミュージカル『翼の創世記』や舞台『鋼の錬金術師』シリーズなど、本作の演出担当である石丸さち子さんが携わった作品にも何度も参加しています。

ボンゴのパートナーとなるパーディの飼い主・ダニエールを演じるのは、映画やドラマ、舞台などへの出演を重ねて着実に成長している川添 野愛さん。2026年11月には映画『負けへんで』の公開が控えています。

クルエラの甥っ子で子犬の誘拐に利用されるキャスパー役は、得意の踊りを武器に、芝居と身体表現のあり方を追求する島田惇平さん。同じく甥っ子のジャスパー役を、ミュージカルから2.5次元作品、ストレートプレイまで多岐にわたる挑戦で注目されている永田崇人さんが務めます。

このほか、ダルメシアンの子犬をはじめとする動物たちのキャストも決定しています。

リンダ役は、アイドルグループ「モーニング娘。」をリーダーとして引っ張り、卒業後は俳優やファッションモデルとマルチに才能を開花させている高橋 愛さんです。

ハムレット役の風間由次郎さんは、多様なミュージカル・舞台の作品で活躍。2024年と2025年には、キャストが等身大のパペットを操ることでも話題となったミュージカル『ディズニー くまのプーさん』でティガーを演じました。

檻から逃げ出して奮闘する3匹の子犬たちのうち、パッチ役は、ミュージカルや舞台に出演して研鑽を積んでいる山本咲希さん。スパッド役は、2017年に日本初演されたミュージカル『ビリー・エリオット』でビリー役5名に名を連ねた山城 力さん。ボタン役は、今年6月にミュージカル『妻と飛んだ特攻兵』でWキャストでの主演を務めたばかりの有馬爽人さんです。

その子犬たちを手助けする猫のタビー役には、確かな実力でミュージカルを中心に活躍する可知寛子さんがキャスティング。2026年5月に開幕して一躍好評を博したミュージカル『レッドブック 〜私は私を語るひと〜』にも出演していました。

ミュージカル『101ダルメシアンズ』は、2026年10月13日(火)から29日(木)まで東京・日生劇場、11月7日(土)から15日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演されます。詳細は公式HPをご確認ください。

もこ

ディズニー映画の『101匹わんちゃん』は、筆者も好きな作品のひとつ。「それがまさかミュージカルで観られるなんて!」と驚くとともに、日本人キャストとスタッフによる初演が一体どんな舞台になるのか、ワクワクせずにはいられません!