2026年を締めくくる作品として、シス・カンパニー公演『果てない~甦る母篇~』が上演されることになりました。蓬莱竜太さんが作・演出を手掛け、大竹しのぶさん、井上芳雄さん、伊藤沙莉さん、名村辰さん、江口のりこさん、高橋克実さんが出演します。注目の最新作が演劇界のパワーメンバーとともに立ち上がります!
蓬莱竜太が、人間関係のささいな違和感をユーモラスにあぶり出す
『果てない~甦る母篇~』の作・演出を手掛けるのは蓬莱竜太さん。劇団モダンスイマーズの全公演で作・演出を務め、2019年の劇団公演『ビューティフルワールド』において第27回読売演劇大賞優秀演出家賞、2024年には『雨とベンツと国道と私』でバッカーズアワード演劇奨励賞を受賞しました。
さらに『まほろば』(2008年)で第53回岸田國士戯曲賞、『母と惑星について、および自転する女たちの記録』(2016年)で第20回鶴屋南北戯曲賞、『消えていくなら朝』(2018年)で第6回ハヤカワ悲劇喜劇賞と、数々の演劇賞を獲得しています。舞台『ひげよ、さらば』『おどる夫婦』『シャイニングな女たち』の作・演出、映画『ピンクとグレー』『劇場』の脚本など、その活躍はとどまることを知りません。
蓬莱さんといえば、何気ない会話からあぶり出される登場人物たちの微妙な関係性に注目し、そこに生まれるリアルな感情の機微を浮き彫りにすることで高く評価されています。人間関係に見え隠れするわずかな違和感を、絶妙なユーモアで包み込む手腕が見どころです。彼の最新作であり、初めてシス・カンパニー公演に書き下ろした本作は、どんな展開で、どんな顔ぶれが集結するのでしょうか?
『果てない~甦る母篇~』のあらすじ
20年前、脳出血で寝たきり生活に陥った母(大竹しのぶ)。
自宅介護を選択した夫(高橋克実)、長女(江口のりこ)、次女(伊藤沙莉)だったが、そこに介護士(井上芳雄)や家族の一員となったケンシロウ(名村辰)も加わって、長きに亘る介護生活パターンが出来上がっていた。
そんな母が、ある日突然甦った。何のきっかけも、何の理由もなく・ ・ ・。
もちろん喜ぶべき奇跡なのだが、そこには手放しでは喜べない、それぞれの事情と思惑が・ ・ ・。
硬軟自在な卓越した表現力で「失われた20年」と「シアワセ」に臨む
脳出血で寝たきりだったものの、20年の眠りから突然、何の前触れもなく目覚めた母を、大竹しのぶさんが演じます。『ピアフ』『GYPSY』『NA・NI・MO・NO』に続き、2026年4作目の舞台出演となります。これまでの3作は音楽との関連が深い作品でしたが、本作は今年初めてのストレート・プレイです。蓬莱作品に初出演ということで、どのようなシナジーが生まれるのでしょうか?
夫を演じる高橋克実さん、長女を演じる江口のりこさんにとっても、蓬莱作品への登場は初めてです。高橋さんは『花よりタンゴ』、江口のりこさんは『カッコーの巣の上で』など、今年も名作舞台への出演で高く評価されてきました。蓬莱さんとの相乗効果にも期待が高まります。
蓬莱作品との縁があるのは、井上芳雄さん、伊藤沙莉さん、名村辰さんです。井上さんは『正しい教室』(2015年)、『首切り王子と愚かな女』(2021年)に出演し、『首切り王子と愚かな女』には伊藤さんも出演しました。名村辰さんは、劇団モダンスイマーズ公演『だからビリーは東京で』 『雨と
ベンツと国道と私』、PARCO公演『シャイニングな女たち』(2025年)にも出演しています。
母の失われた20年という歳月。タイムワープのように空白の時間を経て目覚めた母にも、介護と自分の人生の諸事情を抱えながら、折り合いを付けて生きてきた側にも、全員に「失われた20年」が
のしかかります。それでも人生は続き、大人の事情は終わりを知りません。果たして「シアワセ」はどこにあるのでしょうか?
シス・カンパニー公演『果てない~甦る母篇~』は、2026年11月7日(土)~12月6日(日)に東京・シアタートラムで上演されます。12月10日(木)~14日(月)に大阪の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、12月18日(金)~20日(日)に愛知の穂の国とよはし芸術劇場 PLAT 主ホール、12月24日(木)~29日(火)に福岡のクラフティア劇場(旧キャナルシティ劇場)でも巡演予定です。公式HPはこちら
『消えていくなら朝』をきっかけに注目している蓬莱竜太さんが、わたしの大好きなシス・カンパニーに書き下ろした新作だなんて、これは絶対に観に行くしかないです!20年の歳月を経て甦った母と家族の思惑がどう交錯するのか、演劇の醍醐味が詰まった贅沢な舞台に今から期待が膨らみます。




















