デヴィッド・マメットの名作戯曲『グレンギャリー・グレンロス』が、BunkamuraのDISCOVER WORLD THEATREシリーズとして上演されます。出演は堤真一さん、濵田崇裕さん、鈴木浩介さん、前川泰之さん、岩瀬亮さん、小松和重さん、池内博之さん。アメリカンドリームを夢見る不動産業界のサラリーマンたちが、壮絶な顧客争奪戦の中、生き残りをかけて緊迫の心理劇を繰り広げます。
成功を目指す人々を通じて、資本主義社会のひずみを炙り出す名作
1983年、戯曲『グレンギャリー・グレンロス』はアメリカの劇作家デヴィッド・マメットによって執筆されました。同年にイギリスで初演されるとウエスト・エンド演劇協会賞を受賞。翌年、シカゴとブロードウェイで上演され、優れた報道・文学・楽曲などに与えられるピューリッツァー賞を獲得します。1992年には映画化(邦題『摩天楼を夢みて』)され、名俳優たちのセリフと心理戦のみによる展開が観客を魅了しました。
シカゴを舞台に、アメリカンドリームを夢見て不動産業界でしのぎを削る男たち。壮絶な顧客争奪戦の中、成功を目指す彼らの欲望や葛藤を通じて、資本主義社会のひずみを炙り出します。経済環境が変化し続ける現代においても、こうしたテーマは人々の心を惹きつけていることでしょう。
そんな世界的名作が2026年、BunkamuraのDISCOVER WORLD THEATRE(以下「DWT」)シリーズとして、日本と海外のクリエイターによる共同制作で上演されます!
演出を手がけるのは新進気鋭の演出家ジョン・ハイダーさん。ナショナル・シアター、ロイヤル・コートシアター、シェイクスピアズ・グローブ、ウエストエンドにて、キャリアを積んできました。さらに2017年にヘッドロング、2023年にはシアターロイヤルプリマスのアソシエイトディレクターに任命されています。『グレンギャリー・グレンロス』が日本における演出デビュー作で、期待が高まりますね……!
『グレンギャリー・グレンロス』のあらすじ
シカゴの不動産会社。営業成績がすべてを決めるその職場では、売れない営業マンは容赦なく切り捨てられる。解雇の危機に追い込まれた男たちは、それぞれが生き残りを懸けて奔走していた。
かつてのトップセールスマン、レヴィーン(堤 真一)は契約につながる有望顧客の名簿を求めてオフィスマネージャーのウィリアムソン(鈴木浩介)に食い下がる。
一方、会社への不満を募らせるモス(池内博之)は、解雇に怯えるアロノー(小松和重)を焚きつけ、顧客名簿を盗み出す計画を持ちかける。 巧みな話術で次々と契約を勝ち取ってきたローマ(濵田崇裕)は、リンク(岩瀬 亮)に土地を売り込もうと迫る。
そんな矢先、事務所が荒らされ、顧客名簿や契約書が盗まれる事件が発生。捜査に乗り出した刑事ベイレン(前川泰之)は内部犯行を疑い、男たちへの事情聴取を始める。
交錯する欲望と疑念。緊迫する駆け引きの果てに、やがてたどり着く真実とは……。
堤真一×濵田崇裕が初共演&ダブル主演!緊迫の会話劇が織りなされる

かつては成功していたものの、今は落ち目で必死に売上を追う中年営業マン、シェリー・レヴィーンを演じるのは、名実ともにベテラン俳優となった堤真一さん。DWTシリーズは7回目の出演で、海外の演出家とのコラボレーションでも抜群の演技を見せてきました。
頭の回転が早く、巧みな話術で契約をものにしてきた、やり手の不動産セールスマン、リチャード・ローマを演じるのは、アイドルグループ「WEST.」のメンバーであり、舞台・ドラマ・バラエティ番組と幅広いジャンルで活躍する濵田崇裕さん。初共演を果たす彼らが、ダブル主演でデヴィッド・マメットの最高傑作に臨みます!
共演者として経験豊富な実力派キャストが揃いました。シリアスからコミカルまで演じ分け、高い表現力で物語に深みをもたらす鈴木浩介さん。モデルとして、多数の海外コレクションでも活躍した深みのあるルックスを活かし、幅広い役を自在にこなす前川泰之さん。常に自然体の演技で世界観に現実味を与え、確実な演技力で作品を支える岩瀬亮さん。
1992年に劇団「サモ・アリナンズ」を結成して座長を務め、舞台・映像作品ともに活躍し続ける小松和重さん。どの作品でも演技の存在感が際立ち、最近は中国や香港映画など海外作品にも出演している池内博之さん。時代も国も問わず愛されてきた『グレンギャリー・グレンロス』で、7名のキャストはどのような会話劇を見せてくれるのでしょうか?
観劇後も「もし自分だったらどうしただろう」と問い続けたくなる作品
演出家のジョン・ハイダーさん、主演の堤真一さん・濵田崇裕さんのコメントをご紹介します。
<演出:ジョン・ハイダー コメント>
私にとって、この『グレンギャリー・グレンロス』は、書かれた当時にもそして現代にも力強く語りかける戯曲です。もちろんこの作品のテーマは、1980 年代初頭、劇作家自身が不誠実な不動産会社でアシスタントマネージャーとして働いた経験をもとに生まれたもので、その時代や場所と深く結びついています。しかし同時に、仕事に人生を支配されるような極端なワークライフバランスの崩れという、現代の大都市─、シカゴから東京、そしてその間にあるあらゆる都市に共通する現実とも強く響き合っているのです。
マメットが描く登場人物たちは皆、それぞれよりよい未来へ向かうために「抜け出す道」を探しているように思えます。その道を見つけられるかどうかは本人次第で、実際には多くの人物が最後まで見つけられないのかもしれません。それでもなお、そのもがき続ける姿は実に人間的です。彼らの姿を追ううちに、私たちは否応なく、自分自身や自分の振る舞いをそこに見出すことになるのではないでしょうか。そうした瞬間にこそ、この作品が観客の皆さんとの対話となることを願っています。劇場を後にしたあとも、「もし自分だったらどうしただろう」と問い続けてもらえたら嬉しく思います。そして、マメットは「Always Be Closing(常に契約を決めろ)」という言葉で描いていますが、「成功」とは、本当は何を意味するのかを考えるきっかけになればと願っています。
<主演:堤真一 コメント>
リズムとテンポが必要な会話劇です。不動産を売る男たちの会話の応酬だけで、物語にグイグイと引き込まれます。僕の役は映画版でジャック・レモンが演じた、落ちぶれたセールスマン。初めてご一緒するジョン・ハイダーさんがどんなアプローチをされる方かはわかりませんが、イギリスの演出家は最初から「正解」のイメージを提示するよりも、「このメンバーで何ができるか」を一緒に考えていく方が多い印象があります。このシリーズでご一緒したジョナサン・マンビィさんも、リンゼイ・ポズナーさんもそうでした。思考がどんどん飛んでいくような“営業用の話術”を身につけると共に、かつての栄光を語る男の悲哀に近づけたらと思います。
<主演:濵田崇裕 コメント>
いつか絶対に共演したいと思っていた堤真一さんとご一緒できることがまずスーパーハッピーです!海外の演出家の方に演出していただくのは二回目ですが、前回がすごく楽しい経験だったので、今回もどんな方なのか楽しみにしています。僕が演じるローマはやり手で頭の回転も速い“デキる男”。どういう生活をしてきたのか、人間を掘っていくように稽古を積めたらと思います。映画版で演じていたアル・パチーノの色気がすごくて、あの風格を僕が出せるのか?と思いながらも、気がついたら面白すぎて見入っていました。何度も観たくなるような芝居にしたいですし、「この人から物件を買ってみたい」と思わせるような男たちになればと思っています。
Bunkamura Production 2026 DISCOVER WORLD THEATRE vol.17『グレンギャリー・グレンロス』は、2026年11月6日(金)〜11月30日(月)まで東京・IMM THEATERにて上演されます。2026年12月5日(土)〜11日(金)には大阪・森ノ宮ピロティホールでのツアー公演もあります。詳細は公式サイトからご確認ください。
『グレンギャリー・グレンロス』は、きっと現代日本のわたしたちにも鋭く刺さる、珠玉の作品になることでしょう。ぜひ劇場で火花が散るような世界観に没入したいですね!映画版との違いを味わってみるのも楽しそうです。



















