自称天才ダ・ポンテに橋本良亮さん(A.B.C-Z)、真の天才モーツァルトに佐藤流司さんを迎え、ロック・アレンジされた楽曲でおくる音楽劇『逃げろ!』が2月21日から新国立劇場・中劇場にて上演です。公開ゲネプロ&取材会のリポート記事はこちら

ダ・ポンテの奇想天外な人生をロックアレンジした楽曲でお届け

音楽劇『逃げろ!』は、台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテの奇想天外な人生を、史実をもとに、ロック・アレンジした音楽にのせて描いた物語。ダ・ポンテは、モーツァルトの3本の傑作オペラ『フィガロの結婚』、『ドン・ジョヴァンニ』、『コジ・ファン・トゥッテ』の台本を書いたイタリアの詩人で台本作家です。

音楽・演奏を担当するのは大嶋吾郎さん。スタジオミュージシャン、サポートミュージシャンとして、レコーディング、コンサートツアー等の音楽制作でヴォーカルやコーラス、ギターを担当。近年では数多くの舞台で音楽監督、歌唱指導を担当しています。

物語の舞台はウィーン。聖職者でありながら、女好き、ギャンブル好きのダ・ポンテは、1779年にヴェネツィアを追放され、ウィーンに逃げ出してきたのでした。

逃げ出す時も抜け目ないダ・ポンテは、オーストリアの宮廷作曲家サリエリ宛の紹介状を手に入れていました。サリエリは、オーストリア皇帝ヨーゼフ2世に篤い信頼を受けていた人物で、当時のウィーン・オペラ界随一の実力者。ダ・ポンテは、サリエリに取り入り、ヨーゼフ2世の庇護下に入ろうと考えます。


ダ・ポンテの狙い通り、サリエリは親身になって面倒を見てくれ、ヨーゼフ2世の寵愛も勝ち取ります。そして、モーツァルトのオペラの台本を書くことに。最初に『フィガロの結婚』が成功したことで、ダ・ポンテは名声を獲得します。

本物の「天才」モーツァルトと自称「天才」ダ・ポンテ、対照的なふたりはぶつかり合いながらも、『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』を完成させ、ダ・ポンテは、桂冠詩人として成り上がっていきます。しかし、ヨーゼフ2世の逝去と共に追い詰められ…。

自称天才ダ・ポンテに橋本良亮(A.B.C-Z)×真の天才モーツァルトに佐藤流司

上演台本・演出を務めるのは、鈴木勝秀さん。今回”ROCKバカ芝居”の集大成に挑みます。鈴木さんは、翻訳劇からオリジナル戯曲まで幅広く150本を超える作品の演出を手掛けています。上演作品に、空想科学劇『KAPPA』~芥川龍之介『河童』より~、モボ朗読劇『二十面相~遠藤平吉って誰?~』、朗読劇『ピース-peace or piece?-』、ミュージカル『夏の夜の夢』、ROCK READING『ロビン』など。

鈴木さんが、「ダ・ポンテとモーツァルトのキャスティングには時間をかけた」という二役。実力と華を持ち合わせ、鈴木さんの“戦術”をよく理解していると選ばれたのが、橋本良亮さんと佐藤流司さんです。

詩人でオペラの台本作家のロレンツォ・ダ・ポンテを演じるのは、演出の鈴木さんとは3度目のタッグとなる、A.B.C-Zの橋本良亮さん。ミュージカル『スワンキング』、『ネクスト・トゥ・ノーマル』、朗読劇『ピース-peace or piece?- 』、音楽朗読劇『日本文学の旅』などに出演しています。

オリジナルミュージックや、クラシックとロックが重なった楽曲を楽しみにしているという橋本さん。鈴木さんからダ・ポンテは「ヘラヘラしてる、おっちょこちょい、調子もの役」と言われたそうで、「自分なりのダ・ポンテをどう演じられるのか今からすごく楽しみ。ステージ上の僕は裏切りません」と上演に向けてコメントしました。

天才作曲家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトを演じるのは、佐藤流司さん。佐藤さんは、Rock Opera『R&J』で鈴木さんとタッグを組んだ経験があります。2011年『仮面ライダー・フォーゼ』で俳優デビュー。ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』~忍界大戦、開戦~、舞台『呪術廻戦』、映画『HIGH&LOW THEWORST X』などに出演。テレビドラマ、舞台、映画と多岐にわたって活躍中です。

鈴木さんにモーツァルトは「常識や社会性が欠如している役どころ」だと言われたそうで、「人生においてモーツァルトを演じる機会もそう無いと思いますので、本当に幸甚に存じます。楽しみです」とコメントしました。

オーストリア皇帝で、ダ・ポンテの擁護者のヨーゼフ2世を演じるのは、村井國夫さん。『レ・ミゼラブル』、『夏の夜の夢』を始め数々の名作に出演。『蜘蛛女のキス』にて芸術祭賞、『秘密はうたう』にて第19回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞しています。

モーツァルトのライバルの宮廷作曲家サリエリを演じるのは、篠井英介さん。 1984年、男優だけのネオかぶき劇団「花組芝居」に参加し、看板女方として人気を博しました。退団後は演技派俳優として、テレビドラマ、映画、舞台『アユタヤの堕天使』、『夜の蝶』、『シスター』などマルチに活躍しています。

ダ・ポンテの友人、術策家であり作家。女性遍歴で有名なカサノヴァ役は、細見大輔さん。演劇集団キャラメルボックスに1995年〜2009年まで在籍していました。舞台『月世界旅行』、『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra”Stage平和の象徴、『鬼滅の刃』其ノ参 無限夢列車などに出演。テレビドラマ、映画などでも活躍中。

自由奔放なイタリア人女性・ココ役は、昨年7月に日向坂46を卒業した、渡邉美穂さん。ドラマ『星になりたかった君と』、『グッドモーニング、眠れる獅子』、舞台『あゆみ』、『マギアレコード魔法少女まどか☆マギカ外伝』に出演。テレビドラマ、バラエティ番組などでも活躍中です。

ダ・ポンテがウィーンに逃げ出す途中に出会った少年バレッラ役に、弓木大和さん。爆走おとな小学生『サイキック学園~青春超能力バトル~』、劇団ノーティーボーイズ『キズ絆-KIZUBAN-』、『ぼくらの七日間戦争』を始め、テレビドラマやCMなどマルチに活躍しています。

ヨーゼフ2世の侍従ラザロ役は、俳優にとどまらず、演出、台本・楽曲提供、演出助手など幅広く活躍している内河啓介さんが演じます。

音楽劇『逃げろ!』は、2月10日(金)〜2月12日(日)福岡・キャナルシティ劇場、2月17日(金)〜2月19日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、2月21日(火)〜3月1日(水)東京・新国立劇場 中劇場にて上演です。公式HPはこちら

ミワ

海宝直人さん・平間壮一さんが出演する、6月上演の音楽劇『ダ・ポンテ〜モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才〜』と見比べて、作風の違いを楽しむのも面白いですね!