ミュージカルを観るとき、皆さんは何を基準にして作品を選んでいますか?ストーリーや出演するスター俳優で選ぶのが王道ですが、新しい名作に出会いたいなら、演出家に注目するのがおすすめ。そこで今回は、「今の日本のミュージカル界でこの人の作品は是非観てほしい!」という演出家を3名ご紹介します!

演出方法も話題!『千と千尋の神隠し』を手がけたジョン・ケアード

イギリス人の世界的舞台演出家・脚本家であるジョン・ケアードさんは、『レ・ミゼラブル』、『ダディ・ロングレッグズ』、『ナイツ・テイル −騎士物語−』など日本でも馴染み深いミュージカル作品を数多く手掛けています。

2022年には大人気ジブリ映画『千と千尋の神隠し』の舞台版の演出を担当したことで話題となり、当メディア主催の<観客が選ぶ!Audience Award 2022>でも演出部門第3位にノミネートしました。(記事はこちら

2022年1月には日本テレビ系のバラエティ番組「世界一受けたい授業」に講師として出演。『千と千尋の神隠し』で主人公・千尋のWキャストを務めた橋本環奈さん、上白石萌音さんと番組内で共演し、ジョン・ケアードさんの温かい人柄が垣間見える「絶対に俳優を叱らない演出方法」が話題になりました。

2023年3月11日からは、ジョン・ケアードさん演出のミュージカル『ジェーン・エア』が東京・芸術劇場プレイハウスにて上演予定です。作品についてはこちら

ジョン・ケアードさんについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

宝塚の大先生!「イケコ」こと小池修一郎

宝塚歌劇団に所属する劇作家・演出家の小池修一郎さんといえば、「日本一チケットが取れないミュージカル」とも言われる大人気作『エリザベート』や『モーツァルト!』の演出で宝塚の外部作品の演出家としてもよく知られています。

2023年1月末に福岡・博多座で『エリザベート』が大千秋楽を迎えた際も主演後もカーテンコールに登場し、ファンの間では敬意と親しみを込めて「イケコ」の愛称でも呼ばれている大先生です。

子供の頃は漫画家を夢見ていたそうで、学生時代に読んだ少女漫画の金字塔『ポーの一族』に衝撃を受けたのだとか。宝塚においては死神トートを主役にした『エリザベート』、人斬りの過去を持つ侍が主人公の『るろうに剣心』など、宝塚らしい王道ラブロマンスに時代に合わせた新しいエッセンスを加える作品でファンの心を掴んでいます。

そんな小池修一郎さん演出の次回作は、2023年3月11日から兵庫で、2023年5月6日から東京の宝塚専用劇場で上演される宙組公演の『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』。原作は映画『007』シリーズと同じ世界的スパイ小説『007/カジノ・ロワイヤル』で、敏腕スパイのジェームズ・ボンドが宝塚の舞台でどのように活躍するのか期待が膨らみます。

注目作に目が離せない!観客からの支持も熱い河原雅彦

先述した<観客が選ぶ!Audience Award 2022>で演出部門の大賞を見事に受賞したのが、俳優・演出家・脚本家の河原雅彦さんです。河原雅彦さんは1992年に結成した演劇集団「HIGHLEG JESUS」において、全作品の演出・脚本を担当。これまでも読売演劇大賞で優秀演出家賞と優秀作品賞を受賞しています。(記事はこちら

2022年は、ミュージカル『ルードヴィヒ 〜Beethoven The Piano〜』やロックミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』、cube 25th presents 音楽劇『夜来香ラプソディ』などの注目作品の演出を数多く手掛けました。

とりわけ『ルードヴィヒ 〜Beethoven The Piano〜』は、ベートーベンの壮大な生涯をたった5人の役者で演じ分ける弛みを感じさせない緻密な舞台が、観客からも評価されています。

2023年3月31日からは、東京・サンシャイン劇場での公演を皮切りに河原雅彦さん演出の新作ミュージカル『DADDY』が全国6都市で巡演されます。河原さん初のファミリーミュージカルということで、主演にはジャニーズJr.のボーイバンドグループ「7 MEN 侍」の中村嶺亜さん、音楽には子どもソングのヒットメーカーであるユニット「新沢としひこ&中川ひろたか」の楽曲を起用した注目作は見逃せませんね。

さきこ

演出家を基準にして作品を選ぶと、自分の好みのストーリー展開や演出が明確になって観劇の楽しみが増えることもあります。今回ご紹介した3名の演出家もそれぞれの作品に味があるので、観劇ライフに新しい刺激を与えてくれるかもしれませんよ。