PARCO劇場50周年記念シリーズとして、5月に上演する『夜叉ヶ池』。泉鏡花さんの美しい日本語で紡がれた幽玄ファンタジー作品を、勝地涼さん主演、森新太郎さん演出で上演します。

泉鏡花の美しい日本語が紡ぎ出す世界観を、怪しく現代に蘇らせる

『夜叉ヶ池』は、1913年に泉鏡花さんが発表した初の戯曲作品。泉鏡花さんは、明治後期から昭和初期に活躍し、日本幻想文学の先駆者と言われています。

『夜叉ヶ池』は、映画・舞台・オペラと様々に上演され、今もなお愛されている名作。

物語の舞台となるのは、岐阜県と福井県の県境にある三国嶽の麓の里。そこでは、竜神と人間の約束が守られている間、鐘の音が鳴り響いています。しかし、人間の傲慢さと欲の深さによって、約束が破られてしまうと…。

大正2年の夏、激しい日照りが続く三国嶽の麓の里に、山沢学円という学者がやってきます。山沢は麓を歩いている途中でのどの渇きを覚え、とある家にお茶をお願いしに訪れました。その家でお茶をめぐんでくれた娘・百合に山沢は、「一昨年、萩原晃という自分の友人の学者が各地に伝わる不思議な物語の収集に出たまま行方知れずになった。自分は、その足跡を辿って諸国を旅しているのだ」と話します。

そこへ百合の夫という男が現れます。その男こそ、山沢の探していた萩原なのでした。

久々の再会を喜ぶ山沢に、萩原は自分がこの地に住み着いたいきさつを語ります。

放浪の旅人・萩原と孤独な美貌の村娘・百合の恋物語を中心に、人間世界と魑魅魍魎を荒々しくユーモラスに描いた物語です。

演出・森新太郎×主演・勝地涼

演出を務めるのは、言葉と芝居にこだわりを持つ、森新太郎さん。森さんは『パレード』や『バンズ・ヴィジット』と話題作の演出を務めています。

森さんは本作について、「虚と実、美と醜、生と死……相反する二つのものが、渾然一体となって押し寄せてきて、強い酩酊感に襲われます。神々の力による世界の“崩壊”、そして“再生”、この二つがない交ぜになった圧巻の光景を鏡花は描いてみせました。そのスケールはギリシャ悲劇にも匹敵すると思います」と語っています。

そして振り付けを務めるのは、ダンサー・演出家として活動している森山開次さん。森山さんは、能や雅楽といった伝統芸能とのコラボレーションを行うなど、和のモチーフを生かした独自の世界観に定評があります。

主人公の鐘楼守・萩原晃役の勝地涼さんは、『ネメシス』や、現在フジテレビで放送中のドラマ『忍者に結婚は難しい』など映像作品だけでなく、『世界は笑う』や『ゲルニカ』などの舞台作品と多方面で活躍中。

勝地さんは、「泉鏡花と聞くと、読んだことがない方は難しいのかな、と構えてしまうかもしれないですが、話はとても分かりやすいですし、現代の方達にも伝わるメッセージ性があると思います。座長をやっている勝地涼、珍しいので(笑)ぜひ劇場に足を運んでください!」とコメントしました。

村に現れる学者・山沢学円役は、声優だけにとどまらず、映像作品、舞台と多岐にわたって活躍する入野自由さん。近年では、ミュージカル『ボディガード』や『シンデレラストーリー』、舞台『管理人/THE CARETAKER』に出演しています。

荻原の妻・百合役は、数々の映画賞で受賞・ノミネートの経歴を持ち、現在日本テレビで放送中の『リバーサルオーケストラ』に出演中の瀧内公美さん。

竜神役は、第29回読売演劇大賞 杉村春子賞を受賞し、2月6日(月)まで上演されていた『おやすみ、お母さん』での好演が記憶に新しい那須凜さんと、実力派俳優が揃いました。

舞台『夜叉ヶ池』は、5月2日(火)〜5月23日(火)に東京・PARCO劇場にて上演です。公式HPはこちら

ミワ

振り付けとして森山さんが入られるということで、どうやら身体表現も本作のポイントとなってきそうですね。