2026年1月、「大阪国際文化芸術プロジェクト」の一環として、舞台『姫が愛したダニ小僧』が梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演されます。作・演出の後藤ひろひとさんと主演の紅ゆずるさんが再びタッグを組んだ注目作です。
名作のリバイバル上演で大阪の演劇界を盛り上げる
「大阪国際文化芸術プロジェクト」とは、大阪・関西万博の開催をきっかけに、国内外からの来阪者に大阪の文化芸術を楽しんでもらうことを目指して2023年度より実施されている企画です。大阪府内の各地でさまざまなイベントを開催し、伝統芸能や演劇、音楽など文化の魅力を発信。なかでも大阪の演劇界については、大阪の劇団が活躍する場を創出したり大阪で生まれた名作を上演したりしてその活性化に取り組んでいます。
そうした背景から、関西を基盤に活動する劇作・演出家の後藤ひろひとさんが1998年に書き下ろした舞台『姫が愛したダニ小僧』を2026年1月にリバイバル上演することが決定。
本作はかつて大阪・難波にあった「大阪球場」のさよならイベントの一環で上演された野外演劇であり、ファンタジーの名作として高い評価を得ました。今回のリバイバル上演では、大阪にゆかりのある俳優たちを中心とするカンパニーで大阪の個性と魅力を伝えていきます。
<あらすじ>
老人介護ホームを訪れた夫婦、祐一とエリはそこで自分がとある国の王の娘「すみれ姫」だと名乗る老婆に出会う。すみれ姫は自分をホームから出してくれと祐一たちに頼む。目的は若き日に恋に落ちたダニ小僧との再会。老人のたわごとに付き合うつもりで連れ出すのだが、その道中には姫が話す通りの不思議でおかしな世界が展開し、やがてはかつての家来が続々と出現して仲間に加わる。追いかけて来る凶悪なホーム職員。どれが現実でどれが幻想なのか?すみれ姫はダニ小僧に会えるのか?住宅街が、団地が、裏路地が、ファンタジー世界へと変わって行く時空を超えたへんてこラブストーリー。
後藤ひろひとさんと紅ゆずるさんのタッグ再来!
舞台『姫が愛したダニ小僧』の作・演出を手掛け、実際に出演もするのは、他ならぬ後藤ひろひとさんです。個性的なキャラクターをユーモアを交えながら動かし、独自の世界観を立ち上げるところが持ち味。代表作に『ダブリンの鐘つきカビ人間』や『MIDSUMMER CAROL ~ガマ王子VSザリガニ魔人』があります。実は「大阪国際文化芸術プロジェクト」に関わるのは今回が初めてではなく、2025年2月に舞台『FOLKER』の作・演出を担当。後藤さんが2代目座長を務めた大阪の劇団「遊気舎」による作品を25年ぶりに復活させました。
その『FOLKER』で主役を演じた紅ゆずるさんが、『姫が愛したダニ小僧』で再び後藤さんとタッグを組みます。大阪府出身の紅さんは、宝塚歌劇団の星組トップスターとして人気に。退団後は舞台やミュージカルはもちろん、テレビのバラエティ番組やラジオにも出演し、活躍の場を広げています。
個性の光るキャストが勢ぞろい
紅さんとともにへんてこなラブストーリーを展開するキャストを詳しくご紹介します。
俳優の水田航生さんも大阪府出身で、ミュージカル・舞台を中心に活動。直近では4月に『ウェイトレス』、10月に『マリー・キュリー』とミュージカル作品の出演が続いています。
さらに、モデルと俳優という2つの顔を持つ松井愛莉さん、映像作品や舞台への出演を重ねる山崎真実さん、2.5次元作品で存在感を示す桜庭大翔さんがキャスティング。
紅さん同様『FOLKER』から続投するメンバーとしては、ダンスパフォーマンス集団の梅棒に所属する梅澤裕介さんと、関西を拠点に多数の舞台・映画作品に出演する丹下真寿美さん、近年はドラマのみならずバラエティや旅番組にも挑戦している大路恵美さんの3名です。
このほか、独自の身体表現を生み出し、脚本や演出も数多く手掛ける多才な腹筋善之介さん。劇団「猫のホテル」創設メンバーで看板役者として活動する一方、劇団☆新感線やこまつ座など外部公演にも参加する中村まことさん。そして、舞台から映像作品まで多岐にわたって出演する波岡一喜さんが名を連ねます。
大阪らしいといえば、お笑いコンビの男性ブランコが2人揃って登場するのも注目ポイント。平井まさあきさんと浦井のりひろさんがどんなキャラクターを演じるのか気になりますね。
舞台『姫が愛したダニ小僧』は2026年1月9日(金)から18日(日)の期間、大阪府の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。なお1月14日(水)は休演日となっています。スケジュールやチケットなどの詳細は公式HPをご確認ください。
大阪と縁の深い、ユニークなカンパニーメンバーたちなら、現実と幻想が入り乱れる不思議な物語を通じて笑いと感動を届けてくれるはず!と、関西出身の筆者としては期待せずにいられません。


















