3月9日(月)よりシアタークリエにてミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』が上演されます。同じ家庭に生まれながら、別々の人生を歩むことになった双子の絆と運命を描いた作品。東宝製作作品としてはおよそ17年ぶりの上演となります。新キャストを迎え新たに幕を開ける『ブラッド・ブラザーズ』の魅力に迫ります。
イギリスの階級社会を背景に双子の運命を描いた物語
ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』は1983年にイギリスで初めて上演されました。双子として生まれながら別々の家庭で育ち数奇な運命をたどる兄弟の人生を、イギリスの階級社会を背景にして描いた物語です。初演以降、ウエストエンド、ブロードウェイを筆頭に、ドイツ、オーストラリア、韓国などで上演。1983年の初演時にはローレンス・オリヴィエ賞の最優秀新作ミュージカル賞を受賞し、日本では1991年の初演以降、繰り返し上演されてきました。
<ストーリー>
リヴァプールに暮らす子だくさんのジョンストン家に、双子が誕生する。生活の困窮から、母はやむなく双子の一人を、子宝に恵まれなかった裕福なミセス・ライオンズに託す。一人はエドワード(エディ)として豊かな家庭に、もう一人はマイケル(ミッキー)として貧しい家庭に、離れ離れで育つことになった。やがて運命に導かれるように再会した二人は、同じ日に生まれたことを知り、固い友情を結び「ブラッド・ブラザーズ(親友)」を誓う。しかし年月を重ねるにつれ、彼らの人生は環境の違いによって大きく変わっていく。18歳となったミッキーは不況により失業し、幼なじみのリンダとの結婚生活にも翳りが差す。一方、エディは大学生活を満喫し、将来を約束された存在となる。血を分けた実の兄弟、ミッキーとエディ。社会の格差と避けられぬ運命が、二人の行く末を容赦なく裁いていく。
本来なら一緒に育つべき双子の兄弟・ミッキーとエディが環境の違う家庭で別々に暮らすことになり、やがて共鳴するかのように引き寄せられます。息を吸うのを忘れそうになるほど衝撃的なラストシーン。7歳で出会った二人の微笑ましい姿から想像できないほど苦しいその光景は、心に深く刺さり涙が止まらなくなります。
ミッキー役に小林亮太と渡邉蒼、エディ役に山田健登と島太星
今回の『ブラッド・ブラザーズ』は新キャストにて上演されます。ミッキー役にWキャストとして、ミュージカル『フランケンシュタイン』でビクター・フランケン/ジャックを演じた小林亮太さん、『デスノート THE MUSICAL』で夜神月を演じた渡邉蒼さん。
エディ役にWキャストとして、ミュージカル『レ・ミゼラブル』でマリウスを演じた山田健登さん、『フランケンシュタイン』でアンリ・デュプレ/怪物を演じた島太星さん。
ミッキーとエディの幼なじみ・リンダ役にミュージカル『この世界の片隅に』で浦野すみを演じた小向なるさん。ミッキーの兄・サミー役にミュージカル『梨泰院クラス』でチャン・グンウォンを演じた秋沢健太朗さん。
ナレーターとして『ミス・サイゴン』でエンジニア役を演じてきた東山義久さん。東山さんは、「今回はナレーター役として、僕を通した世界観をお客様に見ていただけると思うのですが、自分の役が男性なのか女性なのか、天使なのか悪魔なのか、色々考察しながら創っていきたいです」と興味深いコメントを残しています。
他にも、戸井勝海さん、瀬奈じゅんさん、安蘭けいさん、と素晴らしいキャリアを重ねてきた俳優陣が出演。今回初めて観劇する方も、過去公演を観劇された方も新たな気持ちで楽しめるのではないでしょうか。
脚本・作詞・作曲を手がけたウィリー・ラッセルが学校演劇用に執筆した作品
ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』の脚本・作詞・作曲を手がけるのは、ウィリー・ラッセル。1974年にビートルズを題材にしたミュージカル『ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ…そしてバート』を執筆し、その年のイブニングスタンダード賞とロンドン劇場批評家協会賞を受賞しました。『ブラッド・ブラザーズ』は、ラッセルが1981年に学校演劇用として執筆した作品。1983年にオリヴィエ賞の最優秀新作ミュージカル賞を受賞後、1988年に再演され、2012年11月までの24年間にウエストエンドで1万回以上も上演されています。
今回演出を務める日澤雄介さんは、劇団チョコレートケーキの2000年旗揚げメンバーとして現在も劇団を主宰。2022年には日本の戦争に焦点を当てた5作品と新作を加えた6作品の連作『生き残った子孫たちへ 戦争六篇』の演出を担当し、第30回読売演劇大賞を受賞しています。お二人がタッグを組み、東宝作品として約17年ぶりとなる日本版の上演に期待が膨らみます。
ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』は2026年3月9日(月)から4月2日(木)まで東京のシアタークリエにて、4月10日(金)から12日(日)まで大阪のサンケイホールブリーゼにて上演。東京公演の3月24日(火)と26日(木)、大阪公演の4月10日(金)と11日(土)は終演後にトークショーが開催されます。公式サイトはこちら。
筆者は過去公演を観劇したことがありますが、ラストシーンでミッキーがジョンストン夫人に叫ぶシーンで心がとても痛みました。重く苦しい内容ではありますが、ミッキー、エディ、リンダ役の俳優が幼少期を演じる可愛らしさもこの作品の魅力です。是非そこにも注目してみてください。


















