2023年に帝国劇場で日本版が初演され、翻訳・演出にウォーリー木下さん、訳詞に森雪之丞さん、振付にYOSHIEさん/松田尚子さん、アートディレクションに増田セバスチャンさんと、トップクリエイターが集結して創られた唯一無二の世界観が話題となったミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』。クリエイティブスタッフ、キャストが再集結して上演される2026年の再演に向け、製作発表会見が行われました。

世界一カラフルでポップ、毒っ気のあるチョコレート工場が帰ってくる!

会見には初演から再び本作に挑む堂本光一さん、観月ありささん、小堺一機さん、鈴木ほのかさん、芋洗坂係長さん、岸祐二さん、彩吹真央さん、演出のウォーリー木下さん、新たにチャーリー役を務める小金輝久さん、瀧上颯太さん、古正悠希也さんが登壇しました。

ウォーリー木下さんは初演を「たくさんのクリエイティブ・スタッフと一緒に“世界一カラフルでポップで、毒々しいチョコレート工場を作ろう”と始めて、実際に幕を開けた時、本当に感動したことをよく覚えています。僕にとっても、演出家として一回り大きな挑戦ができたことを感謝しております」と振り返り、「楽しいことは間違いないので、よりイギリスのブラックユーモアを交えた、酷いことが起こる、そしてそれ以上に素敵なことが起こる空間を作れたら」と意気込みます。

ジョーじいちゃんを演じる小堺一機さんは「今年1月3日に70歳になり、本当に“じいちゃん”になりました。またここに帰ってくることができて、良い70歳を迎えられたなと思います。夢のようであり、毒っ気もあり、最後は心が温まってほっとしながら帰っていただけるような舞台をみんなで作れたらと思います。最年長の出演者でございますので、孫(チャーリー)の世話もちゃんとしなきゃいけないと思っております(笑)」とチャーミングにご挨拶。

今回新たにチャーリー・バケットを演じるのは、オーディションで選ばれた小金輝久(こがねてるひさ・10歳)さん、瀧上颯太(たきがみそうた・11歳)さん、古正悠希也(ふるしょうゆきや・9歳)さんの3名。

小金さんは歌声も楽しみになる柔らかさのあるお声で、「家族思いでイマジネーションあふれるチャーリーを演じたいと思います。チャーリーは、怒ったり泣いたり、喜んだり心配したり、まっすぐな気持ちのままいるっていうのがすごく素敵だなと思います」、

古正さんは元気いっぱい、表情豊かに「皆さんに楽しんでいただけるチャーリー・バケット役を演じます。家族思いで、想像力豊かなところがいいなって思います」、

一番のお兄さんである瀧上さんはしっかり者な、落ち着いた印象で「一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。チャーリーの好きなところは、貧乏でも想像力で立ち上がれるところです」とご挨拶しました。

本作ではチャーリーの他にも、ウォンカのチョコレート工場を見学できるゴールデンチケットを引き当てた個性豊かな子ども達とその親が登場します。

ティービー夫人を演じる彩吹真央さんは、「息子のマイクはコンピューターオタクでずっとテレビを見て過ごして、銃のおもちゃで遊びまくっていて、それを容認しているアルコール中毒のお母さんというぶっ飛んだお母さんなんですけれども、容認しているというところは、いつの世もあることかもしれないし、(初演の)3年前からAIが発達している今、響くものがあるのかなと思ったりします」と役柄について語ります。

ロシアの富豪のわがまま娘ベルーカの父親、ソルト氏を演じる岸祐二さんは「実はチャーリーのおばあちゃんジョセフィーヌを兼ね役でやらせていただいています。前回も演じているのですが、終わっても誰も気づかないなと(笑)役者としては嬉しくも恥ずかしい感じを経験しましたが、ようやくこの作品の世界に戻ってこられたなと本当に嬉しく思います。光一くんにとって多分これから毎年やる作品になっていくんじゃないかな?と…勝手に言っています(笑)。劇場ごとテーマパークのような体験ができる、今のところ日本のミュージカルでも唯一の演出や華やかさ、ポップさが体験できる作品」と語ります。

何でも1番でないと気が済まない娘バイオレットの父親、ボーレガード氏を演じるのは芋洗坂係長さん。「エンターテイメントの粋(すい)を極めるステージがまた出来上がると思いますので、是非とも楽しみにしていただきたいです。私も、多くの方がハマり役だと…まだ言ってもらっていないので(笑)、今回こそ言ってもらえるように頑張りたいと思います。ぜひ見かけたら“ハマり役だね”と言ってください(笑)」とユーモラスにアピール。

肥満児オーガスタスの母親で、バイエルンで肉屋を営むグループ夫人役の鈴木ほのかさんは「袖で光一さんが演じるウォンカと、チャーリーの歌をいっぱい聞いて、毎回感動して胸が熱くなって涙していました。今回はもっともっとバージョンアップするということで、またウォンカのチョコレート工場見学ができるのを本当に楽しみにしております」と意気込みます。

チャーリーの母・バケット夫人役の観月ありささんは「キャストの皆さん、素敵な日本のクリエイターの皆さんの中にお呼び頂けて光栄です。チャーリー、子どもたちは新たなキャストになりますので、またこれからコミュニケーションをとって、どんどん新しい舞台に。そして『チャーリーとチョコレート工場』を私自身も楽しんでいきたいと思います」とコメント。

ウィリー・ウォンカ役を務める堂本光一さんからは、「自分としても、幕を開ける時にたくさんのチャレンジがありました。東宝さんから騙された部分もあります(笑)。チャーリーが頑張って動くからウォンカは立っていれば良いよ、と言われたけれど、特に二幕はずっと喋っているという、意外と大変な役でした(笑)。ただ、ずっと『SHOCK』という舞台をやらせていただきましたけれども、『チャーリーとチョコレート工場』という作品、ウォンカという役は“光一が50歳、60歳になってもできる役なのではないか”とうちのスタッフや周りの方に言われたのが自分としても嬉しくて。ウォンカという役を大事に自分も演じられたなと、最初は騙されていましたけれども気持ちが変わりました(笑)。世界各国で上演されておりますけれども、日本でやっている『チャーリーとチョコレート工場』が世界一だと思っておりますし、唯一無二のウォンカを演じられたらなという風にも思っております」と本作にかける深い思いが語られました。

初演時は「光一さんとは稽古しているより打ち合わせしている時間の方が長かったように思える」とウォーリー木下さんが語ったほど、ウォンカ像について打ち合わせが重ねられたそう。ウォーリーさんは「台詞1つ1つ、こういう言い方にした方が良いかなとか、文末をこうしてみようという作業をずっと一緒にさせてもらいました。ウォンカというのは本当に謎な人物で、生きているのか死んでいるのかも分かりません。いわゆる文脈が全くない主人公というのはとても稀有で、それを演じる難しさをずっと感じていました。ただ、最終的に本番を観た時に感じたのは…ある種、無色透明にも見えるし、顔の向きを変えると悪魔にも見えるし天使にも見える。多面性のある人物を、自分勝手に作るというよりお客様にある程度委ねて、“ここから先の解釈は、俺はこうだと思うけれどそれを押し付けたくない”と(光一さんが)おっしゃっていて。そういうのを目指していたんだということに後から僕も気がつきました」と語ります。

堂本光一さんはウォンカ役について「ミステリアスさもないといけないし、(作中には)毒々しい内容もあったりするんですけれど、現代においてメッセージとして伝わるためにはチャーリーの純粋さと、ウォンカが残酷なことをやっているけれどもどこかに温かい愛情がある、その辺のバランスは結構悩みながら…。声のトーンだとか、そういったところにも表れるものだと思うんですよね。例えばウォーリーさんがおっしゃったように、文末をどうしようかなとか。全体的に、ウォンカは敬語を多用するという形を取らせてもらったんですけれど。今回またやらせていただくにあたって、ウォンカというキャラクターが皆さんに愛される、何だか気になっちゃうキャラクターになっていると良いなと思います」とこだわりを明かしました。

共演している中で感じた“光一ウォンカの魔力”について問われると、岸さんは「井上芳雄よりも仲の良い岸祐二です!」と『ナイツ・テイル -騎士物語-』で共演した井上さんにライバル心を燃やしつつ、「光一くんの凄さは、いつどんな時でも舞台上で全員のことを見ているということだと思います。例えばオーケストラの音で、今日はこんな音が鳴っていてちょっと違うとか、キャストの体調が悪いことに気がついたり、台詞のテンポが遅かったりするとちょっと上げてみたり。誰かが小道具を忘れて出てくるアクシデントがあれば、いち早く察して台詞を伸ばしたり。演出側の立場でも俯瞰でものを見られる人。ウォンカとして集中して演じながらも、もう1人いる」とリスペクト溢れるエピソードが。

また好きな楽曲・シーンについて問われると岸さんご自身も吹き替えキャストとして参加した映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』についても触れながら、名ナンバー「ピュア・イマジネーション」を挙げ、「(映画でウォンカを演じた)ティモシー・シャラメも歌った歌です。舞台では何度か登場して、ウォーリーさんの演出によってセットもリンクしているんですよね。それも含めて感動する曲です。想像すれば何でもできる、僕たちがやれることは無限なんだというテーマは、やはり何度聴いてもジーンとします」と語ります。また「ママがチャーリーに歌う「パパがここにいたら」も、毎回おばあちゃんの格好でベッドに横になりながら、良い曲だなと思いながら過ごしています」と語ります。

観月ありささんは「パパがここにいたら」という楽曲について、「常にチャーリーを心配していて、チャーリーを思っているバケット夫人の心の内を歌わせていただいているので、すごく私の中でも大切にしている場面」と語り、「夢見心地がちなチャーリーに対して厳しいことを言いながら育てる母の役ではあるんですが、夫人が一生懸命家計を支えていて、家族愛に満ちた、貧しい中でも明るく楽しく過ごしている、ほっこりした優しい場面になれば良いなといつも心がけながらお芝居をさせていただいています」と思いを語ります。

芋洗坂係長さんは「ウォンカとチャーリーが夜空を飛ぶシーンは、舞台全体がファンタジーの世界で、リハーサルの時に初めて客席から見て涙が止まらなくて。本番は袖から見ていたんですけれど、グッときながら自分の出番に向け気持ちを盛り上げていました」と見どころを語りました。

初演では劇場にチョコレートの甘い香りを漂わせ、劇場空間いっぱいに本作の世界観を出現させたウォーリーさん。「びっくり度合いは前回よりさらにパワーアップする」とコメントし、再演への期待が高まります。

フォトセッション時にはチャーリー役3名から堂本さんへサプライズで、板チョコ200枚を使用した、ゴールデンチケット入りの巨大チョコレートのプレゼントが!

撮影:晴知花

最後に堂本さんから「世界で一番、ポップで毒もあって、愛もある作品になっています。家族で来られるのも良いですし、年齢、性別関係なく幅広い方に楽しんでいただける作品になっているかと思いますので。劇場でこの格好でお待ちしておりますので!ぜひお越しください」とメッセージが送られ、会見が締めくくられました。

ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』は2026年3月27日(金)から31日(火)までウェスタ川越 大ホールにてオープニング公演が行われたのち、4月7日(火)から29日(水・祝)まで東京・日生劇場、5月6日(水・振休)から28日(木)まで福岡・博多座、6月5日(金)から12日(金)まで大阪・フェスティバルホールにて上演されます。公式HPはこちら

Yurika

カラフルでポップな世界観ながら、イギリスらしい、ブラックユーモアに溢れているのが本作の魅力。今の時代だからこそ、感じることも多くありそうです。