韓国で「新時代のためのミュージカル」と絶賛された『レッドブック』が、2026年に日本初演を迎えます。舞台は保守的なヴィクトリア朝時代のイギリス。官能小説の執筆を通じて「ありのままの自分」を模索するアンナを咲妃みゆさん、生真面目な弁護士ブラウンを小関裕太さんが演じます。不平等と不自由に立ち向かい、自分らしさを肯定する物語の幕が上がります!

韓国発ミュージカル『レッドブック』が日本初演へ

ミュージカル『レッドブック』は、韓国で異例の大ヒットを記録した創作ミュージカル『女神様が見ている』を生んだ名コンビ、ハン・ジョンソクさん(脚本)とイ・ソニョンさん(作曲)が、4年をかけて制作したオリジナルミュージカルです。

19世紀のイギリス・ヴィクトリア朝時代を舞台に、官能小説の執筆で自己表現するアンナが、社会の偏見などと闘う中で、ありのままの自分として生きる道を見つけていきます。

韓国初演(2018年)では、女性への偏見やセクシャルハラスメントへの問題提起が大きな共感を呼び、大ヒットを記録しました。イェグリーンミュージカルアワード脚本賞や韓国ミュージカルアワード作品賞などを受賞し、「新時代のためのミュージカル」として高い評価を受けています。2017年にアメリカで活性化した「#MeToo運動」も影響したといわれています。

韓国社会に問いを投げかけた本作が、2026年に日本版として初演されることになりました。『王様と私』『モダン・ミリー』といった海外ミュージカルの演出を手掛けてきた小林香さんが演出します。「国際女性の日」にちなんだイベントで登壇するなど、男性社会に対する強い問題意識をお持ちの方です。不平等と不自由を『レッドブック』でどう描くのでしょうか?

そして音楽を監督を務めるのはミュージカル『梨泰院クラス』『この世界の片隅に』などでも音楽監督を務めた桑原まこさんです。

【Story】
紳士の国・ロンドン。その中でも最も保守的だったヴィクトリア朝時代に生きる、主人公アンナ(咲妃みゆさん)は少し変わっていた。淑女として振る舞うよりも「私」として生きたい―。

真面目で“紳士”であることしか知らない新米弁護士・ブラウン(小関裕太さん)や個性的な登場人物たちとの出会いをきっかけに、アンナは、官能的な小説を書くことで自分を表現し始める。

型破りで刺激的なその内容は、瞬く間に評判を呼び、多くの読者を熱狂させていく。

一方で、「女性のあるべき姿に反している」「社会に悪影響だ」と非難され、ついに裁判にかけられてしまう……。

『レッドブック』の舞台、ヴィクトリア朝時代はなぜ保守的だった?

ヴィクトリア朝時代(1837年〜1901年)、産業革命によって経済発展が成熟し、イギリス帝国は絶頂期を迎えました。すると資本主義社会が構築され、資本家階級でも労働者階級でもない、中産階級が確立し、保守的で道徳的な価値観(ヴィクトリアニズム)が普及します。

そこで登場したのが、中流階級における理想の女性像、通称「家庭の天使」でした。男性が仕事で働く時間、妻は家庭を守って献身的に尽くす。女性の家庭的で清廉な「良妻賢母」というイメージが強化され、性的な抑制や格式ばったマナーが社会規範となっていきました。

主人公アンナは、淑女ではなく「私」として生きたいと願っています。ヴィクトリア朝時代の社会規範はそれを否定しますが、彼女は官能小説で自己表現を試み、他者からの視線や言葉を受け止めながら、自分らしい道を模索していくのでしょう。

咲妃みゆ✕小関裕太の舞台初共演が実現!

官能的な小説を書くことで社会と闘う主人公アンナを、元宝塚歌劇団雪組トップ娘役で、退団後も演劇・ミュージカルで大活躍中の咲妃みゆさんが演じます。真面目一筋で「紳士」であることしか知らない、新米弁護士ブラウンを演じるのは、映画・ドラマ・TVCM・舞台と多方面で活躍中の小関裕太さん。

女性文学会「ローレライの丘」の会長で、息子を夫に奪われてしまったドロシー役として、元宝塚歌劇団花組トップ娘役で、退団後も俳優としての深みが増している花乃まりあさん。咲妃さんとは宝塚歌劇団の同期で、退団後初の共演となります。

文学評論家ジョンソン役を、芸人として活躍しながら、抜群の歌唱力をミュージカルで発揮しているエハラマサヒロさんが演じます。

ブラウンの親友であり、見栄とはったりを利かせるカッコつけの双子兄弟も注目です。兄ジャック役に、『レ・ミゼラブル』マリウス役や『エリザベート』ルドルフ役も記憶に新しいミュージカル界のニューフェイス・中桐聖弥さん、弟アンディ役に『刀剣乱舞』など2.5次元ミュージカルで人気の加藤大悟さん。

さらに「ローレライの丘」の創立者で、“変に優雅”で気品のある女装男性ローレライ役を、『エリザベート』『マリー・アントワネット』『アナスタシア』『カム フロム アウェイ』等出演、ミュージカル界に不可欠の存在である田代万里生さんが演じます。

『レッドブック』は現代に生きる女性たちの声を代弁しつつ、新しい女性像を力強く描き、「自分らしさ」「多様性の尊重」を、ミュージカルならではの音楽や高揚感とともに届けてくれるでしょう。

ミュージカル『レッドブック〜私は私を語るひと〜』は、2026年5月16日(土)〜5月31日(日)に東京建物 Brillia HALL、6月27日(土)〜30日(火)は大阪・森ノ宮ピロティホール、7月4日(土)・5日(日)は愛知・御園座にて上演されます。公式HPはこちら

さよ

当時の「良妻賢母」という強固な理想像に抗い、自らの言葉で性を表現するアンナの姿は、現代を生きるわたしたちの胸にも響くはずです。演出の小林香さんが、この多様性の物語をどう立ち上げるのか期待が高まります。咲妃さんと花乃さんという宝塚同期コンビの共演や、田代さんの女装役など、豪華キャストが織りなす化学反応も見逃せません!