Audience Award とは、Audience=観客が演劇について語り合う場として、webメディア「Audience」が2022年から開催する読者投票型アワードです。第4回Audience Awardは2025年1月1日〜12月31日に日本国内で上演された作品を対象に開催され、2000人以上の皆さんに投票いただきました。今回はその投票結果と投票コメントの一部を一挙に公開いたします。観客の声を通して、演劇からもらった感動を振り返る場になりますように。

部門一覧

ミュージカル作品部門
演劇作品部門
小劇場作品部門

ロングラン作品部門
リバイバル作品部門
時代を象徴する作品部門

主演俳優部門
主演女優部門

助演俳優部門
助演女優部門

演出部門
脚本・翻訳部門
オリジナル楽曲部門
舞台美術部門
衣裳部門

ミュージカル作品部門 大賞
ミュージカル『Once』

<投票コメント>
「劇的なドラマの無い、小さな街の片隅で起こった小さな出来事にすぎない物語です。しかし、人間の持つ普遍的な孤独に丁寧に向き合う姿勢と、孤独だからこそほんのひとときでも繋がり合わずにはいられない人間の営みの美しさと儚さを、演者の芝居、歌、照明、音楽、舞台美術で真摯に表現されていたことに感銘を受けました。光の粒や音の粒に包まれた空間は、宇宙空間で観客も光の粒や音の粒の一つになったかのようなあたたかいものでした」

「音楽と物語が自然に溶け合っていて、気づいたら作品の世界に引き込まれていました。生演奏の温かさと、登場人物たちの繊細な感情表現がとても印象的で、観劇後もずっと心に残っています。ずっと余韻がすごかったです。「観てよかった」と素直に思える作品です」

「映像で魅せる作品が増えている中、照明や音、役者のお芝居のみで構成されていて、想像力を働かせて観るのがおもしろかった。自分にとって、今後の舞台観劇にも影響を与えてくれる作品だと感じた。海辺の日の出シーンでは、本当に目の前に海が広がっている感覚があって、鳥肌が立ったことを覚えています」

第2位:ミュージカル『梨泰院クラス』

<投票コメント>
「皆さんの力強い歌声や緩急のあるお芝居はもちろんの事、セット展開すらも作品の一つとして梨泰院クラスの世界に吸い込まれるような感覚を味わわせてもらいました」

「主演の小瀧くんを目当てに行きましたが、観劇後はsaraさんの歌唱力、吉田さんのコミカルで力の籠った演技にベタ惚れして、大満足で帰ることができました。階段が目まぐるしく動き、居酒屋のネオンが新鮮な舞台装置も感動でした!」

第3位:ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』

<投票コメント>
「ニュージェネレーションチームの公演の熱量が素晴らしかったので、この取り組みを讃えたいと思いました。これをきっかけに、色々な作品においても、実力で舞台を支える俳優さん方にチャンスが巡り、スポットライトが当たることを願っています」

「作品への想いの強さをどの作品よりも感じてしまいます。歌唱に毎回心を持っていかれ、何度も観ているのに、新しさがあり、愛おしくなる、大切な作品です」

演劇作品部門 大賞
『ある日、ある時、ない男。』

<投票コメント>
「コンパクトな舞台を縦横無尽に走り回り、客席まで使ったインパクト大の舞台でした。スピード感とコミカルさに引き込まれたり、ぐっと胸にくるシーンがあったりとあっという間の時間でした」

「ものすごいスピードで展開される一見関連のない群像劇が、最後にひとつに纏まるのが素晴らしかった。コメディー作品ながら何とも言えない切なさと温かさが心に残り、ラストのシーンに涙しました」

「笑って少し泣ける作品でした。観劇後、なんの取り柄のない自分でも一生懸命生きていたら、もしかしたら、誰かの何かのきっかけや小さな幸せに繋がっているかもしれないと思えました」

第2位:『陽気な幽霊』

<投票コメント>
「量が多いセリフの掛け合いがテンポ感もよくてとにかく面白い!個性的な登場人物ばかりで、なんといっても高畑さん演じるマダムアーカティのインパクト!全てに圧倒されて舞台の雰囲気や空気が一気に変わる感覚はたまりませんでした!最後は切なく胸が痛くなりました」

「キャスト、脚本、演出、衣装、舞台、全てが素晴らしく、何度見てもまた見たくなる、、こんな舞台は初めてでした。登場人物が皆、チャーミングで、役も演者さんも全て大好きになってしまった作品でした。コメディでありながら人生観も考えさせられるような、一面に終わらない作品で、終わった後も反芻するのが心地よかったです。ストーリーやテンポ、衣装や装置の美しさ、これまでに見たどの舞台より満足感が高く、本当に再演を望んでいます」

第3位:『泣くロミオと怒るジュリエット2025』

<投票コメント>
「ラストシーンは絵画のようで、あの光景はずっとずっと覚えていると思います。最後は涙が止まりませんでした。戦後日本をモチーフにしながら、シェイクスピア時代と同様にオールメールでの上演というのも挑戦的だったと思います」

「個人的に昨年観劇した作品の中で一番印象に残りました。戦争や愛などを面白く、かつとても残酷に描いていて、ロミオとジュリエットなのに違う要素もたくさんあって涙が止まりませんでした」

小劇場作品部門 大賞
一茶企画『ホンジツ島のマジックアワー』

<投票コメント>
「観るだけのミュージカルだけではなく、『体験型ミュージカル』なので舞台に上がって一緒に踊ったり、至近距離で歌や演技を観れたり、物語の重要なシーンで鐘を鳴らしたり、開演前にはキャストさんが会場を歩いているので交流できたりと、想い出に残る大好きな作品です!」

「体験型ミュージカル初体験させて頂きました。オリジナルナンバーも帰りに口ずさんでしまうほどのインパクトありました。この島にまた帰りたい!そう思える作品でした」

「会場の世界観、音楽のキャッチーさ、役者さんとお客さんとの境目のなさ、どれをとっても素晴らしかったです。とにかく楽しいのにホロリろもする素敵な作品でした」

第2位:山田ジャパン『ドラマプランニング』

<投票コメント>
「それぞれの思いや言い分が反発と混じり合いが、心に響いた。原嘉孝君の情熱が痛くて眩しかった」

「役者の熱量が伝わってきて、惹きつけられた。それぞれの情熱の層というテーマが自分事でも考えられることで熱い気持ちになりました」

第3位:ミュージカル『Under The Mushroom Shade』

<投票コメント>
「とても小さな空間。まるで森の中に迷い込んだような舞台、会場で役者さん達の熱演が目の前で拝見できたのは小劇場ならではの体験だったからです。出演者3人でしたがそうは思わせない演技力にそして、小劇場なのに大きな舞台で観ているような錯覚にもなりました」

「こんなに心が洗われて美しい作品はありません。生きるって素晴らしいという気持ちにさせてくれます。ほっこり暖かいだけでなく、切ない場面もありら3人芝居であることの利点や新しい音響設備による包み込まれるような空間全てが完璧でした。出演者の皆さんのお芝居と歌も大変素晴らしく、曲の構成や演出も素晴らしかった。100人キャパで1週間くらいしか公演が無かったのが勿体ないです。是非再演して頂き全人類に見て頂きたい作品。心が豊かになります」

ロングラン作品部門 大賞
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』

<投票コメント>
「演出がとにかく素晴らしい。映像でしか観られないと思っていた魔法を目の前で見る事が出来るので驚きと感動があります。ストーリーもしっかりしていて登場人物の気持ちがそれぞれ繊細に描かれていて完璧なエンターテイメントだと思いました」

「小説・映画の19年後という設定だがこの作品自体でも世界が完結していて、親子の愛や友情という普遍的なテーマを描いている。時間の連続性とストーリー世界の独自性、演出のエンターテインメント性とテーマの普遍性、すべてのバランスが良い」

「様々なキャストで何回観ても、その素晴らしさに感動します。ずっとハリーポッターのアンダーをされていた上野さんが、今期からメインとしてハリー役をされることになり、とても嬉しいです」

第2位:ミュージカル『レ・ミゼラブル』

<投票コメント>
「言葉に出来ません。何回観てもどのキャストさんで観ても、毎回大感動して帰ってきます。27年の公演も楽しみです」

「個人的に私がグランドミュージカルの面白さを実感させてくれた作品で、作品を通して俳優さんを知り、その人のバックボーンを知ってからまた観劇するという楽しみをより感じました。プリンシパルが別の役を掛け持ちするという演出も非常に興味深かったです」

第3位:劇団四季 ミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

<投票コメント>
「ミュージカルというより、もはやアドベンチャー。楽しくて、何度も観たくなる作品」

「舞台演出がとにかく驚きの連続でした。一幕終えた時の高揚感が忘れられません。母娘二人での観劇でしたが、見終わった後にまたすぐ見たい!!今度は家族みんなで観に行こう!!と思い半年先のチケットを購入しました」

リバイバル作品部門 大賞
『泣くロミオと怒るジュリエット2025』

<投票コメント>
「コロナ禍で途中上演中止を余儀なくされ、役者や関係者は大変悔しかったことでしょう。世界が分断されそうな今、また多くの方々の胸に届けて頂き、再演に感謝致します」

「過去感染症により最後まで完走できなかったものの、2025年は戦後80年という節目の中で再びこの作品の幕を開けることが出来たのは何か意味や縁があると思った」

「2020年に惜しくも中止になってからのリバイバル。期待を最大に膨らませていきましたが裏切りませんでした。むしろその先へ 超えてくる作品でした」

第2位:音楽座ミュージカル『リトルプリンス』

<投票コメント>
「何度も再演されるこの演目が、再演のたびに新たに生まれ変わりしかも本筋を絶対に外さないところに感動しています。特に今回の砂漠の砂!風に吹かれて転がる振り付けが印象的でした」

「名作・人気作だと思いますが、音楽座ミュージカルが今届けるならばという形が気になって通う部分もあります。それがすぐに分からなくても必ず何かしらの形で私たちの中に残っていくんです。どんな人も生きていればぶつかり体験する身近なことや存在、時間が経ってその時が来た時にきっと思い出して重ねてヒントにできるようなメッセージ性の深さがある所が音楽座さんの素敵な贈り物だと思います」

第3位:ミュージカル『エリザベート』

<投票コメント>
「今回シシィ、ルドルフの演者が変わってまた違う魅力あるエリザベートになりました」

「何回見ても飽きが来ません。常に新しい魅力を味わう事が出来ます。毎回、役者さんが違っても、それぞれの持ち味で魅せてくださいます」

時代を象徴する作品部門 大賞
ミュージカル『梨泰院クラス』

<投票コメント>
「日本、韓国、アメリカのスタッフにより作られた国際的な作品。貧富の格差が広がる現代社会に、響くメッセージがありました。劇中に出てくる「学がないなら学べばいい。塀の中に閉じ込められようとも、生きる俺らには夢がある」という歌詞に背中を押され、泥臭くでも生きていきたいと思わされました」

「理不尽なことが多いご時世ですが、「理不尽なことに屈することなく信念をもって生きる」というメッセージがこの作品から伝わり、今の時代に必要なものだなと思った」

「SNSの書き込みのシーンではモニターを使ってその様子が流れているのが面白いと思った。また、原作のままジェンダーについての表現、一部の人からのSNSを通しての攻撃など、現代的な問題を感じました」

第2位:ミュージカル『キンキーブーツ』

<投票コメント>
「生まれも育ちも信条もまったく異なる人が自分の出来ることを持ち寄って、ひとつのものを作り上げる。「あなたは、あなたのままで良い」というメッセージが時代を象徴する…というか、いまの時代だからこそ上演された意味があると思う」

「日本でもLGBTQが声高に叫ばれるようになった昨今、「他人をあるがままに受け入れる」という今作のテーマは初演時よりも、もっと複雑になったマイノリティーの方々への接し方や考え方をどうするべきか訴えかける意味合いが強くなった気がします」

第3位:ミュージカル『SIX』

<投票コメント>
「女性が生きる権利はこうしてマイクを持って衣装をまとって叫び続けないといけないのだ。そんなことを思いました」

「女性が淘汰された時代の六人の王妃達の物語ですが、現代を生きる女性となんら変わりなく、そんな彼女達が自由に表現する姿は今を生きる私たちにもっと今いるところから飛び立って広い世界をみなさい!と語りかけてくるようでした」

主演俳優部門 大賞
京本大我 ミュージカル『Once』

<投票コメント>
「人間の孤独と孤独であるが故の美しさと真摯さを全身で体現されているように思いました。舞台装置である一個一個の光がそのまま人間になったような、光の粒のような存在感と儚さをひたむきな存在感と声色で表現されていると。ギターを演奏されていましたが、その音色が切迫感があるのにあたたかく、ガイという人格の芯を音色で感じとることができました」

「人生に絶望している普通の青年の虚無感や人に出会って夢を取り戻した情熱を、繊細な演技と気持ちを剥き出しにした歌声と力強いギターで表現していて心を揺さぶられた」

「一生懸命さが良く、歌が上手いから見入ってしまう。芝居への情熱が感じられ、彼の演技を観ると、自分も夢を叶えられるのでは?と勇気を貰える」

第2位:小瀧望 ミュージカル『梨泰院クラス』

<投票コメント>
「愛情深く少し不器用な主人公にピッタリでした。真っ直ぐなところはもちろん、悔しさや照れくささなど細かい感情まで上手く表現されていて見入ってしまいました」

「梨泰院クラスに限らず、ミュージカルをしてから歌の幅広さが格段に増えました。24年の作品、デスホリ(『DEATH TAKES A HOLIDAY』)では小瀧さんからこんなに低い声が出るとは思わず信じられませんでした。また、デスホリとは違い梨泰院クラスでは感情をむき出しに苦しく辛くも這い上がり、仲間と壁を乗り越えていく姿に感銘を受けました。次世代のミュージカルスターの誕生だと確信しました」

第3位:大音智海 ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』

<投票コメント>
「長くアンサンブルで出演していた作品で主演になり、物語のストーリーとご本人たちの背景が重なり、今後これ以上心打たれる作品に出会えるかな?と思うほど感動しました」

「2025年に夢を結実させた俳優の代名詞となったはずだ。中川晃教へのリスペクトを感じさせる歌唱力と、多くのカンパニーで培った愛され力を、観客と東宝へ如実に証明してみせた。『ジャージー・ボーイズ』には初演から関わり続け、歴代キャストへの敬意を持ちつつも、全身で「音楽の喜び」を表現する姿は観客を魅了した。『Can’t Take My Eyes Off You』ではショーストップ級の感動を生んだ。ひたむきな姿勢が役と重なり、アンサンブルからプリンシパル、そして主演へと歩むその姿を、今後も見守り続けたい」

主演女優部門 大賞
柚香光 『紅鬼物語』『十二国記 ‐月の影 影の海‐』

<投票コメント>
「役に生きる真摯さ、異才を放つ圧倒的な美とオーラ。目が離せません」

「演じてるのではなく、もはやその役で生きている、存在している…だからその物語の中に観ている側も引き込まれていきます。圧倒的なオーラ、光を放ち 舞台の上に生きている…でも誰も寄せ付けないのではなく、その光で周りの人達を優しく照らし共に生きます。優れた身体能力での、殺陣や立ち回りも素晴らしく、まさに魅せる人だとつくづく思いました」

「繊細な演技と大胆な殺陣、王としての存在感と凛々しさ。歌が素晴らしい。周りとのやり取りの温かさ」

第2位:望海風斗 『マスタークラス』『エリザベート』

<投票コメント>
「いつでもどんな役も、期待以上の姿を見せてくれる。「マスタークラス」ではオペラ歌手の歌わない姿からその人生の重みを、「エリザベート」では、自分はこれまで全く共感できないと感じていたシシィを、初めてすぐそばにいる女友達のように感じ、涙が流れたことに自分でも驚き。
言うまでもなく、歌にこめる情感は唯一無二」

「マスタークラスはとにかく感動しました。エリザベートではこれまでとは違う「芯のあるクレバーな新しいエリザベート」像に初めて納得出来ました」

第3位:昆夏美 『マリー・キュリー』

<投票コメント>
「ミュージカル「マリー・キュリー」のまっすぐで情熱的なのに、だからこそ隣にいる人が限られてしまいそうな危なっかしくも魅力的なキャラクターをがっちり表現されていたと思います。悲しみで涙するシーンは毎回つられてこちらも泣いてしまいました。パワフルなお芝居と静かなお芝居の切り替えも素晴らしかったです」

「マリー・キュリーでの好演が印象に残った。難曲を見事に歌いこなした上でのみずみずしい感情表現、自然と流れる涙、科学に情熱を燃やす姿、とても素晴らしかった」

助演俳優部門 大賞
KAZUTA(n.SSign) ミュージカル『愛の不時着』

<投票コメント>
「ミュージカル初挑戦、しかも韓国人俳優の中にたったひとりの日本人として、全編韓国語の劇をやりとげたこと。しかも圧倒的に華があり、舞台に出てくるだけで、スポットライトが当たっているかのようなオーラがあり、今後に大きく期待」

「初めてのミュージカル出演だったそうですが、日本人でありながら、全キャスト韓国人、全編韓国語で出演ということにまず驚きました。韓国語の発音も違和感なく歌、演技、アクションとすべてこなされていたこと、何よりク・スンジュンという男性をすごく自分なりに表現されていたように思えました。登場から華があって歌の場面など目が離せず引きつけられました」

「日本人1人抜擢された中で、今までのステージでは見た事ない俳優としてのKAZUTAの魅力全開で魅了された為。役の演技が期待以上でした。演技も歌も表現も本当に上手く、感涙しました」

助演女優部門 大賞
sara 『Once』『梨泰院クラス』

<投票コメント>
「演技が本当にチャーミング。クスッと笑わせたり、共感させられたり、クルクル変わる表情が豊かで素敵。歌唱も素晴らしかった」

「『Once』最初は少し図々しいキャラクターかと思いましたが、物語が進むにつれて繊細で思慮深い女性像がどんどん浮かび上がってきて圧倒されました。歌声も女性らしいけど、パワフルで奥深くて素敵でした」

「梨泰院クラスでsaraさんが演じたチョイソは、エネルギッシュでとっても魅力的でした」

演出部門 大賞
稲葉賀恵 『Once』『リンス・リピート ―そして、再び繰り返す―』

<投票コメント>
「ONCEの演出、本当に素晴らしかったです。オリジナルの映画も好きですが(ブロードウェイ版は未観劇です)ダブリンが舞台であることは変わらないまま、盆が回り星々のような照明が光り輝く宇宙空間のような世界観が大変好みでした。群像劇のように登場人物達が増え、彼らの孤独や繋がりが垣間見えることも良かったです。観客の誰にも当てはまる普遍的な人間の孤独と繋がり合うことのあたたかさと儚さを観劇中全身で感じることができました」

「観る人を信じて、個々の心に解釈を委ねる潔さ。人の一生は宇宙から見るとちっぽけでも、たった一つのきっかけと勇気を持つ事で大きく人生を変える事ができる。作品を通して自身の人生とも比較して考えられるような演出で、その感情になる事のできる作品であることが素晴らしいと感じました。感謝しています」

「『リンス・リピート』が、全面ピンクでとても印象的だった。愛の溢れた空間…は見せかけになっており、「ピンク=愛の象徴」というのが、残酷に感じられる舞台でした。視覚的に忘れられない作品になりました」

脚本部門 大賞
相川タロー・ワームホールプロジェクト 音楽座ミュージカル『リトルプリンス』

<投票コメント>
「音楽座ミュージカルの作品を観に行くとわかっていても「誰が脚本したんだ」と言いたくなるほどユニークで面白い場面が必ずあります。数秒前までは視界がにじみ席に座っていられないほど苦しくなっていたりしても、客席のみんなと泣き笑いをして楽しむうちに次のシーンへの心の準備が整っています。脚本に応えていくキャストの皆さんの団結力も日頃からの仲で成り立っていると思うので、毎度この一体感ムーブメントを期待してしまいます。
作品の中に自分や周りの人を投影して感情移入をし何度も反芻して作品の色んなシーンに浸りますが、気づけば役や作品に入り込んでいると言うよりも、私の中に作品の中の登場人物や音楽座ミュージカルの方々が入ってきて自分の人生や心に寄り添われている感覚になります。心が少しずつ豊かになっている気がしていて、いつも素敵な作品や、悩ましい過程の部分まで正直に見せて届けていただけることに魅力を感じ感謝しています」

「公演を重ねるごとに無駄が削ぎ落とされ、完成度が高まっていると感じます」

「またもう一度本を読み直そうと思う、素晴らしい作品でした」

楽曲部門 大賞
高田 浩・金子浩介・山口琇也 音楽座ミュージカル『リトルプリンス』

<投票コメント>
「全ての楽曲が壮大で、かといって官能的な部分もみせつつ、物語をものすごく感じる。生オケでいつかたっぷり聴きたい」

「高田さんの作る音楽は本当にどれも作品のキーポイントになっています。切なく美しく心地よかったり力強かったり音の表現の振り幅を魅せられます。音楽座ミュージカルで高田さんの音楽に初めて触れましたが、鳥肌が立つような楽曲や頭に残って離れなくなるメロディやリズムが山のようにあります。演者の方々の歌唱によって更に素晴らしく感じます。とにかく作品の中に欠かせない存在です」

「初演からずっとリトルプリンスの音楽は本当に美しい」

美術部門 大賞
松井るみ 『ケイン&アベル』『梨泰院クラス』『最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote』

<投票コメント>
「ケイン&アベルのキューブ型のオブジェが、場面ごとに効果的で、また色によってケインとアベルの領域を表していてとても良かったです」

「梨泰院クラスのセットが、本場の韓国梨泰院を感じさせるセットでとても印象に残っています。坂道が多い韓国の街並みをたくさんの階段のセットで表していたり、クルバムの内装も韓国っぽく原作に近くて感動しました。映像なども使いながら、梨泰院クラスの世界に没入できるような舞台美術ばかりでした」

「縦の空間の使い方が本当にうますぎる!印象的な階段が出て来る舞台はほぼ松井るみさんが美術を担当していた」

衣裳部門 大賞
中原幸子 『Once』『十二国記 ‐月の影 影の海‐』

<投票コメント>
「ONCEでの衣装。抽象的にも見える世界観の中で、生身の人間がいて、今までもこの服を着て、これからもこの服を着て生きていくのだろうと垣間見える彩りがあるのに朴訥とした衣装のように感じて、とても素敵でした」

「ミュージカル十二国記での衣装、パペットにいたるまで原作の挿絵を完全再現されていて、なおかつ舞台での演者の動きまで計算されていて本当に素晴らしかったです」

「2025年は、特に『十二国記』で見せたこだわりが出色だった。様々な布を駆使して毛並みを再現するなど、原作の世界観を損なうことなく、かつ舞台衣装として成立させるための雰囲気作りが非常に秀逸だ。宝塚歌劇団の衣装展のように、中原氏の衣装展もぜひ開催してほしいと願わずにはいられない」

たくさんの投票、ありがとうございました。時代が大きく変化していく今、演劇・ミュージカルからもらった“何か”を糧に、優しく温かな言葉が溢れていくことを願っております。