スージー・ミラーさんによる戯曲『プライマ・フェイシィ』が、2026年に日本初演を迎えます。法を信じ、勝利を追求してきた法廷弁護士が、性暴力の被害者となり、司法制度の限界に直面する姿を描く作品です。極限下での感情の揺れ動きが、生々しく浮き彫りにされることでしょう。

世界中を席巻した一人芝居の舞台『プライマ・フェイシィ』

『プライマ・フェイシィ』は、オーストラリア出身で、弁護士経験のある劇作家スージー・ミラーさんが、2019年に発表した作品です。2023年のローレンス・オリヴィエ賞最優秀戯曲賞を獲得し、彼女を世界的な名声に導きました。

タイトル「プライマ・フェイシィ」とは、ラテン語に由来します。「一応の事実」「反証がない限りの有力な証拠」という意味合いの法律用語です。物語は、イギリスの法廷と司法制度を背景に展開されます。

本作では「性暴力の被害者が法廷でどのように扱われているか」を通じて、司法制度の限界に直面する姿を描いています。観客だけでなく、法曹界の女性や政治家、メディアから熱狂的に受け容れられ、世界中から注目を集めました。

オーストラリア、ロンドン・ウエストエンド、ニューヨーク・ブロードウェイで上演。現在は約30の言語に翻訳され、各国で上演が広がっています。映画版の制作も進んでおり、映画『ウィキッド』のエルファバ役でも有名なシンシア・エリヴォさんが主人公を演じるとのことです。

2026年1月から3月下旬まで、イギリスでの再演ツアーも実施されており、『プライマ・フェイシィ』のムーブメントはまだまだ続いていくことでしょう。そして全世界を席巻した本作が、2026年に日本で初演されることになりました!

【イントロダクション】
野心的に勝利を追い求める気鋭の法廷弁護士テッサ(三浦透子)。
しかし、ある日、一転して被害者の立場に立たされてしまう

信じてきた法制度が、いかに被害者を追い詰め、
傷つけるものなのかを突きつけられるテッサ

極限の感情の中、自分の「声」に向き合い、彼女が選んだ道は・・・?

※トリガーアラートあり:本作品には性的暴行についての表現や描写があります。

演出・栗山民也&主演・三浦透子で浮かび上がる「真っ直ぐな眼差し」

舞台『プライマ・フェイシィ』の演出を、栗山民也さんが手掛けます。紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞及び最優秀演出家賞、芸術選奨文部科学大臣賞、毎日芸術賞千田是也賞、朝日舞台芸術賞など、受賞多数の演出家です。2013年に紫綬褒章、2023年には旭日小綬章を受章しました。

そしてテッサ役は三浦透子さんが演じます。第94回米アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年)では、寡黙なドライバーを演じ、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞、第95回キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞、第64回ブルーリボン賞助演女優賞などを受賞しました。

舞台でも活躍しており、栗山民也さんが演出した『ロスメルスホルム』(2023年)で、第58回紀伊國屋演劇賞個人賞、第31回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞しています。さらに音楽活動にも取り組んでおり、映画『天気の子』(2019年)では主題歌にボーカリストとして参加し、注目を集めました。

わたしが三浦透子さんに抱くイメージは「透明だけど強い軸」です。難役に見えるキャラクターも、彼女は軽やかに演じてみせます。5歳から積み重ねてきた俳優キャリアが、自然体で物語を具現化する才能をもたらしたのだと思います。

一方で、彼女は力強く、真っすぐな眼差しで世界を見つめているようです。どんな作品でも、できる限り準備をして、目の前の一瞬とひたむきに向き合い、俳優としての幅を広げるために挑戦し続ける。でもその強さを全面に出すわけではない印象で、やはり透明度の高い人だと感じています。

法制度を心から信じ、勝利を貪欲に追い求めてきたテッサ。上昇気流に乗っていた彼女が、一夜にして被害者の立場になったとき、彼女は何と向き合い、追い求め、闘おうとするのか。ぜひ劇場で彼女の闘いを体験してください。

シス・カンパニー公演『プライマ・フェイシィ ー私の声を聞いてー』は、2026年7月1日(水)〜26日(日)にザ・スズナリで上演。また、群馬・福島・茨城・大阪・兵庫でも上演が行われます。詳細は公式サイトをご確認ください。

さよ

どんな難役も自然に成し遂げてきた三浦透子さんが、今作では真っ直ぐな眼差しで司法の闇に挑みます。彼女のひたむきさが、テッサの絶望と再生をどう描き出すのか。劇場でその熱量を体験してみませんか?