1982年にオフ・ブロードウェイで開幕し、世界中に広く深くその根を張り巡らせてきた、カルト・ミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』。タイトル通り、ちょっぴりダークな物語なのに、どこか軽妙なポップさがクセになる、ホラーコメディです。
ある日手に入れた不思議な植物。その恐ろしい秘密とは・・・?
『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』は1960年にアメリカで公開された低予算B級ホラー映画を題材に、駆け出しのクリエイター達がミュージカル化した作品です。
スキッド・ロウという豊かではないエリアにある花屋を舞台に展開する、大きな事件。すべては花屋に住み込みで働く青年・シーモアが、ある日不思議な植物を手に入れることから始まります。好意を抱く同僚のオードリーにちなみ、その植物に「オードリーⅡ」と名付け、育て始めるシーモア。彼の唯一の拠り所である花屋は閑古鳥が泣いており、客寄せに「オードリーⅡ」を展示することを店主・ムシュニク氏に提案したところ、ウワサがウワサを呼び、店は大繁盛!ところが、その不思議な植物にはシーモアだけが知るトンデモナイ秘密があったのでした・・・
だんだんと成長し大きくなっていく「オードリーⅡ」はパペットで表現され、その強い生命力を感じさせる動きは操る俳優たちの腕の見せ所です。シーモア、オードリー、ムシュニク氏、オリン(オードリーのボーイフレンド)の4名と、3人のコーラスガールズ、そして「オードリーⅡ」だけ、という少人数キャストながら、ダイナミックに展開するストーリーにハラハラドキドキが止まりません。
巨匠たちの出世作!ハワード・アシュマン×アラン・メンケンが手掛けた音楽
本作を軽快に盛り上げる楽曲は80’sらしい、キャラクターの個性を全面に出した耳に残るメロディ。手掛けたのは、当時まだ無名だったハワード・アシュマンとアラン・メンケンでした。いわば『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』は、『リトルマーメイド』『美女と野獣』『アラジン』などディズニー黄金期の映画音楽を作り上げた、伝説的な作詞家・作曲家コンビの出世作。冒頭の「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」を筆頭に、そのポップでキャッチーな楽曲は1986年の映画版でより広く認知されるようになりました。
その後手掛けるディズニー・ソングと同様、主人公が願いを吐露するウィッシュ・ソングは繊細に、トンチキキャラの紹介ソングはとことんコメディに寄せています。ミュージカルとして音楽の彩りが豊かで、聞き飽きずに楽しめる楽曲たちは一聴の価値アリ。2021年日本公演の公式プロモーションビデオや1986年の映画版でぜひチェックしてみてくださいね。
ちょっぴり怖いホラー・コメディ・ミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』は今夏、東京・日比谷のシアタークリエで上演が決定しています! ほとんどが中止になってしまった2020年公演でシーモア役を務めた鈴木拡樹さんと三浦宏規さんが今年もWキャストのまま続投。期間は8月26日(木)〜9月11日(土)まで。チケットは6月19日(土)より一般前売り予約を開始しています。 夏の風物詩でホラー体験といえば肝試しですが、今年はあなたの怖いもの見たさを刺激するホラー・ミュージカルもお見逃しなく!チケットぴあでのチケット購入はこちら