予定のない休日、おうちでリラックスしながらミュージカルを楽しんでみませんか?劇場に足を運ばなくても、気軽に歌やダンス、心を揺さぶる物語を楽しめるのもミュージカル映画の魅力。Netflixで見られるミュージカル映画の中から、筆者が実際に見たおすすめ作品を3本紹介します!

明るい歌とダンスに元気をもらいたいなら。Netflixオリジナル映画『ザ・プロム』

『ザ・プロム』は2020年にNetflixで独占配信が始まったアメリカのミュージカル映画。原作となるのは2016年8月にジョージア州のアライアンス劇場で初演された同名ミュージカルです。ミュージカルドラマ『Glee/グリー』でも有名なライアン・マーフィーが今作の監督を務めました。

〈ストーリー〉
舞台となるのはインディアナ州の田舎町。女子高生のエマは同性の恋人とプロムに参加しようとしますが、それを認めようとしないPTAによってプロムそのものが中止になってしまいます。一方、酷評によって落ち目となったブロードウェイスターのディーディーとバリー、その仲間たち。SNSで拡散された女子高生エマの事件を知り、自分たちのイメージアップを目的としてエマを救おうと町に乗り込みます。

『ザ・プロム』は、明るい曲調とダンスシーンに序盤から惹き込まれる作品。自身も同性愛者であるバリーが、エマのプロム用のドレスを一緒に探しに行くシーンで流れる「Tonight Belongs to you」は、ハッピーに溢れた気持ちが伝わり心が弾みます。またこの作品に登場するトム・ホーキンス校長の生きがいは、ミュージカル観劇。トムが大ファンであるディーディーへ向けて歌う楽曲「We Look to you」の歌詞に「だから芝居が好きなんだ。そうやって現実から逃げる」というフレーズがあります。ミュージカルや演劇が好きな私たちにとって、自分の思いを歌ってくれているかのように共感できるのではないでしょうか。最初は売名目的だった俳優たちの心の動き、誰かのために行動する姿にも注目です。

夢と恋のほろ苦さに浸りたいなら。映画『ラ・ラ・ランド』

『ラ・ラ・ランド』は2016年に公開されたアメリカのミュージカル映画。ロサンゼルスを舞台に、女優を目指す女性とジャズピアニストの男性との恋愛模様、夢に向かって奮闘する姿を描いた作品です。今作は第74回ゴールデングローブ賞で最多となる7部門を受賞。第89回アカデミー賞では史上最多タイとなる14ノミネートを果たし、監督賞、主演女優賞、撮影賞、作曲賞、歌曲賞、美術賞の6部門を受賞しました。

〈ストーリー〉
映画スタジオのカフェで働くミアは、女優を目指してオーディションを受けるものの、何度も落ちてばかり。ミアはある日、訪れた場末のバーでピアニストのセブの演奏に惹かれます。セブの夢はいつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏すること。恋に落ちた二人はお互いの夢を応援し合いますが、セブが生活のために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめます。

オープニングは、渋滞する高速道路で車に乗っていた人々が突然道路や車の屋根の上で踊り出し、「Another Day of Sun」を歌うミュージカルらしさに溢れた圧巻のシーン。ロサンゼルスのフリーウェイを数日閉鎖して撮影した『ラ・ラ・ランド』の象徴とも言えるナンバーです。

夢を追うミアとセブは、お互いを励まし合いながら次第に惹かれ合っていきます。しかし、夢を追い続けることと現実の生活との間で、二人の選択は少しずつすれ違っていきます。『シェルブールの雨傘』を思い出すようなラストシーンも、この映画の魅力。切ないけれど心が温まる、時々見返したくなる作品です。観終わったあとはしばらくメロディーが頭から離れず、つい踊りだしたくなってしまうのではないでしょうか。

圧倒的な音楽と映像美を堪能したいなら。映画『オペラ座の怪人』4Kデジタルリマスター

『オペラ座の怪人』は、2004年に公開されたアメリカのミュージカル映画。オペラ座の地下に住む怪人ファントムと歌姫クリスティーヌ、彼女を愛する幼なじみの青年ラウルの悲しく切ない愛の形を描いた作品です。原作は1909年にフランスの作家であるガストン・ルルーが書いた同名小説。1986年にはロンドンのウエストエンドでミュージカルが初演され、1988年には日本初演を劇団四季が上演。現在までにおよそ800万人を動員しています。Netflixで配信されているデジタルリマスター版は、2004年に公開された映画を4Kの高解像度で修復したもの。『オペラ座の怪人』の世界観がより美しく表現されています。

〈ストーリー〉
19世紀後半のパリ。オペラ座の地下には、音楽の才能を持つ仮面をつけた怪人ファントムが住み着いており、奇怪な事件が続いていました。ファントムは若く美しいオペラ歌手のクリスティーヌに才能を見出し、彼女に音楽の手ほどきをします。ファントムを“音楽の天使”と信じ、その教えによって歌の才能を開花させていくクリスティーヌ。幼馴染の貴族ラウルに愛されながらも、孤独な魂と情熱を持ったファントムに心を惹かれていきますが、ある日ファントムの仮面の下に隠された秘密を知ってしまいます。一方、怪事件が続くオペラ座では、ファントムを捕まえようとラウルたちが立ち上がります。

今作の最初の見どころは、冒頭のオークションから続く、シャンデリアのシーン。パイプオルガンのメインテーマと共にシャンデリアが引き上げられ画面がモノクロからカラーになる瞬間は、一瞬にしてオペラ座の世界に惹き込まれ、鳥肌が立つほどの迫力でした。映画全体を通しても、美しい音楽と聞き覚えのあるメロディーに心が震えます。怪人の悲しく苦しい愛とクリスティーヌの純粋な思いに涙が止まらなくなる作品です。

かずちぃ

今回3作品を紹介して感じたのは、心を揺さぶるミュージカル映画はどれもオープニングで作品の世界観に惹き込まれる魅力があるということ。まだ観たことのない方は、是非オープニングから注目してみてください。