『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』のパンフレットなどで、一度はその名前を見たことがあるのではないでしょうか?ミュージカル界の名プロデューサー、サー・キャメロン・マッキントッシュをご紹介します!

手掛けた作品は世界各地、20以上のカンパニーで上演される敏腕プロデューサー!

1946年にロンドン生まれたサー・キャメロン・マッキントッシュは劇場の大道具係などを経て、ウェストエンドで活躍するミュージカルプロデューサーに。プロデューサーとして、資金調達やクリエイティブスタッフの招集を行い、数々の舞台を成功に導きました。最盛期には世界各国で合わせて20以上の所有作品が上演されるなど、ミュージカル界では神のような存在です。

彼が手掛けた代表的なプロデュース作品には、最長ロングラン記録を誇る人気3作『レ・ミゼラブル』『オペラ座の怪人』『キャッツ』のほか、『ミス・サイゴン』、ディズニーと組んだ『メリー・ポピンズ』と、日本でも大人気のタイトルがずらりと並びます。ウェストエンドで愛される名作の新版制作にも取り組み、『マイ・フェア・レディ』、『オリバー!』を刷新。ブロードウェイや日本での上演に繋げました。

その功績ゆえに受賞歴も華やか。1996年、新年の叙勲で英国演劇への貢献に対してナイト爵位を授与されています。近年では、英国人プロデューサーとして初めて、ブロードウェイのシアター・ホール・オブ・フェームに選出されて殿堂入りを果たしています。

ロンドンの主要な劇場を8つ所有!謙虚な姿勢で演劇界の未来に貢献

『オペラ座の怪人』以降、大成功を収めたサー・キャメロン・マッキントッシュですが、初期には大赤字を出し、苦しい生活が続いた時期もあったそう。過去のインタビューでは、週に2〜3ポンドという切り詰めた生活の経験や格安チケットで観劇した過去のエピソードを明かし、50〜60ポンド(約1万円)のチケット代を支払う観劇体験の価値を今でも大切にしているのだと語っていました。

その謙虚な姿勢で得た成功報酬は、ロンドンの劇場改修と管理、というかたちで演劇界に還元。自身が立ち上げた会社、デルフォント・マッキントッシュ・シアターズを通じてロンドンの主要な劇場を手に入れては、莫大な資金を投じて築100年以上の歴史的建造物を改修し、ヒットを見込んだ新作を上演しています。

現在、彼の管理下にある8つの劇場では、彼のプロデュース作品や『マンマ・ミーア』、『ハミルトン』といった人気作が上演中です。

大成功を収めた彼だからこそできるライフワーク。古き良き劇場を守り、これからも観客にとって快適で、新しい演劇作品と出会いの場になるように、という彼の演劇界への情熱が感じられますね。

Sasha

ロンドンのミュージカル界を牽引した名プロデューサー、サー・キャメロン・マッキントッシュをご紹介しました。彼が手掛け、期待を持って開幕した『オリバー!』日本公演は今日が東京公演の千秋楽。大阪公演は12月4日(土)〜12月14日(火)に梅田芸術劇場にて上演されます。また、来年は『メリー・ポピンズ』が3月から、『ミス・サイゴン』が7月から上演予定。これからも、彼のプロデュース作品は多く人を魅了することに違いありません。