完璧なミュージカルと称される、ブロードウェイ・ミュージカルコメディの名作『ガイズ&ドールズ』。1950年にブロードウェイで初演を迎えた作品で、トニー賞作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞など8部門9賞を受賞しています。
日本でも何度も上演されている作品で、2022年6月9日から東京・帝国劇場を皮切りに、井上芳雄さん、浦井健治さん、明日海りおさん、望海風斗さんなどのキャストで上演が予定されています。今回はミュージカルファンの心をひきつけてやまない『ガイズ&ドールズ』の魅力に迫ります。
超大物ギャンブラーの次の勝負は、「超堅物女を落とすこと」
930年代のニューヨーク。超大物ギャンブラーのスカイは、恋人のアデレイドと14年も「婚約中」のギャンブラー仲間、ネイサンから「指定した女を落としたら1000ドルやる」と賭けを持ちかけられます。
ターゲットは奉仕活動などを行う「救世軍」の超堅物、サラ。「どんな女でも落とせる」と豪語するスカイは、言葉巧みにサラをハバナへと連れ出します。計画通り、サラはスカイに心ひかれ始めるのですが、あろうことかスカイまでサラに心ひかれてしまいます。
一方そのころ、救世軍の布教活動にサラの姿が見えず、スカイの勝利を悟ったネイサン。しかし、金はなくとも今日は確実に賭場を開かなくてはいけない「事情」がありました。そして、追い詰められたネイサンは、「ある場所」で賭場を開くことにします。
個性渦巻くキャラクターたちが織りなすコメディ!
ギャンブラーと頑固で生真面目な女性、ギャンブラーと14年も連れ添っている婚約者という2組のカップルが登場する『ガイズ&ドールズ』。彼らを取り巻くキャラクターも個性的な面々がそろっています。
シカゴの大物ギャンブラーのビッグ・ジューリ、ネイサンの仲間のナイスリー、ベニー、ラスティ。そして、スカイやネイサンに目を光らせるブラニガン警部などなど……。
2組の恋模様と、彼らとのトラブルやハプニングが密接に関わってしまい、物語は思わぬ方向へ。思わず笑ってしまうような展開が満載です。
日本では宝塚歌劇団や東宝が上演
『ガイズ&ドールズ』が日本で最初に上演されたのは、1984年の宝塚歌劇団、月組公演。当時の月組トップスターの大地真央さんが熱心に働きかけ、上演されたと言われています。その後宝塚では、翌年85年に同じく月組(一部キャスト変更あり)、2002年に月組(紫吹淳さん主演)、2015年に星組(北翔海莉さん主演)と何度も再演されており、人気がうかがえます。
宝塚以外では、1993年に日生劇場版(田原俊彦さん主演)、2010年に東宝版(内博貴さん主演)が上演。そして今回、2022年に新たなキャストの東宝版が上演されます。『ガイズ&ドールズ』はさまざまなトラブルと勘違いが巻き起こり、笑いの絶えないコメディ作品。しかし、終盤に披露される『運命よ、今夜は女神らしく』ではカッコよくスマートな一面も見られます。日頃のモヤモヤ・ストレスを笑いと素敵な楽曲、ダンスで吹き飛ばしてくれること間違いなしの作品です。チケットの購入はこちら
筆者は、以前2002年版を観劇しました。もう20年も前のことですが、紫吹さんのスカイが「THE プレイボーイ」であまりにもカッコよかったこと、そしてサラ役の映美くららさんが非常にキュートだったことは今でも覚えています。