ミュージカル『アナスタシア』は、20世紀初頭のロシアを舞台に、記憶を失った少女・アーニャが、本当の自分と大切な家族を取り戻すために一歩踏み出す物語。2017年にブロードウェイで開幕、2020年待望の日本公演はコロナ禍の影響でわずか14回の上演しか叶わなかった本作が、今回念願の再演です。アーニャ役は2020年から続いて、葵わかなさんと木下晴香さんがWキャストで務めます。(作品について詳しくはこちら。映画版・梅芸版・宝塚版の比較記事はこちら

大人から子供まで楽しめる愛と冒険の物語

ミュージカル『アナスタシア』は、第70回アカデミー賞で歌曲賞・音楽賞にノミネートされた同名のアニメ映画(1997年公開)に着想を得て制作されました。ブロードウェイ公演は2017年に開幕し、2年間に及ぶロングラン上演で人気を博しました。

スペインやドイツでの公演、北米ツアーを行うなど世界各国で上演され、2020年に待望の日本上陸。しかし新型コロナウイルスの影響で初日を延期、そしてやむをえず中止となってしまい、わずか14回の上演となった本作でしたが、今回、念願の再演が実現します。

アカデミー賞にノミネートされた美しい楽曲、ブロードウェイ版を完全再現した豪華な舞台セットに、世界最高水準の高精細LED映像。トニー賞のミュージカル衣装デザイン賞にノミネートされた豪華絢爛な衣裳、そして葵わかなさん、木下晴香さんをはじめとする魅力的なキャストの共演など、見どころ満載の作品です。

『アナスタシア』の舞台は20 世紀初頭の帝政末期のロシア。アナスタシアはロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世の末娘として生まれました。パリへ移り住んで離ればなれになってしまった祖母マリア皇太后から貰ったオルゴールは、アナスタシアにとって宝物。

ロシアでは1917年に革命が勃発し、アナスタシアは17歳のときに両親や姉弟とともに革命軍によって銃殺されました。しかし、街中では「アナスタシアが生きている」という噂が。パリに住むマリア皇太后は、その噂を聞きつけ、懸賞金をかけてアナスタシアを探すことにします。

そして、二人の詐欺師ディミトリとヴラドは、アナスタシアによく似た少女アーニャを利用してパリへと渡り、懸賞金をだまし取ろうと企みます。昔の記憶を失っているアーニャは繰り返し夢に現れるパリの街に憧れていました。ディミトリと一緒にパリを目指し、本当の自分を探す旅に出ます。

豪華キャストが再集結!

ミュージカル『アナスタシア』の主演・アーニャ役を、2020年の上演から引き続き葵わかなさんと木下晴香さんの2名がWキャストで務めます。

NHK連続テレビ小説『わろてんか』(2017年)で、ヒロイン・藤岡てん役を演じ、その名を馳せた葵わかなさん。2019年にミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で初舞台&初ミュージカルに挑戦。その後、ブロードウェイミュージカル『The PROM』では主人公のエマ、『冬のライオン』ではフランス王女・アレー役を、『パンドラの鐘』では成田凌さんとW主演を務め、堂々とした舞台姿でヒメ女役を演じきりました。

木下晴香さんは、抜群の歌唱力で実写映画化された『アラジン』の吹き替え版でジャスミン役の声優を務め、ミュージカル『モーツァルト!』のコンスタンチェ役、『王家の紋章』のキャロル役、舞台『彼女を笑う人がいても』の岩井梨沙/山中誠子役での演技が評価され菊田一夫演劇賞を受賞するなど、演技面でも実力が高く評価されています。

アーニャと出会いともに旅をする若い詐欺師・ディミトリ役は、海宝直人さん・相葉裕樹さん・内海啓貴さんのトリプルキャストで演じられます。

ミュージカル界のプリンスと称される事が多く、実写映画化された『リトル・マーメイド』では吹き替え版でエリック役を務める海宝直人さん。『美女と野獣』のチップ役で舞台デビューを果たしたのち、『ライオンキング』初代ヤングシンバ役・大人シンバ役、『アラジン』アラジン役、『ノートルダムの鐘』カジモド役など様々なディズニー作品に出演してきました。海宝さんは、本作でディミトリ役に加えてグレブ役の2役を務めます。(インタビュー記事「海宝直人が語る、新たなエリック像と映画『リトル・マーメイド』の魅力とは?」はこちら

相葉裕樹さんはミュージカル『レ・ミゼラブル』のアンジョルラス役をはじめ、『ダブル・トラブル』ではジミー・マーティンと他5役を見事に演じ分け、『Ordinary Days』では30代の等身大の男性を好演。音楽劇『ダ・ポンテ〜モーツァルトの影に隠れたもう1人の天才〜』ではサリエリ役をコミカルに演じ、ミュージカル界でもひっぱりだこの存在です。

内海啓貴さんはミュージカル『GREASE』『BE MORE CHILL』『DREAM GIRLS』『バイ・バイ・バーディー』『ダーウィン・ヤング 悪の起源』など数々の話題作に次々と出演し、注目を集めています。

皇女アナスタシア殺害を命時られるボリシェビキの将官グレブ役には、「CHEMISTRY」とソロでの精力的な歌手活動、『RENT』のロジャー役など俳優活動や、ラジオMCなど多岐にわたり活動している堂珍嘉邦さん。ミュージカル『マチルダ』ではマチルダの父親役をコミカルに演じ新たな一面をのぞかせた、ミュージカル界に欠かせない俳優の田代万里生さん、そして海宝直人さんのトリプルキャスト。

ディミトリと共に懸賞金を狙う詐欺師のヴラド役は、近年ではミュージカル『ナイツ・テイル-騎士物語-』『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト〜』『ジェーン・エア』、舞台『千と千尋の神隠し』などに出演し、ブロードウェイが認める振付家・ダンサーでもある大澄賢也さん。近年ではミュージカル『ヘアスプレー』『キングアーサー』『ダーウィン・ヤング 悪の起源』に出演しており、ミュージカル界を牽引し続けている存在の石川禅さんのWキャストです。

マリア皇太后に仕える伯爵夫人リリー役はトリプルキャスト。
ミュージカル『太平洋序曲』で将軍と女将を力強く演じた姿が記憶に新しい朝海ひかるさん。
歌手であり、ミュージカル『アニー』では長年ハニガン役を務めており、ドラマ『ルパンの娘』への出演など、多方面で活躍するマルシアさん。
近年ではミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』『パレード』、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、ドラマ『六本木クラス』などで活躍を続ける堀内敬子さんの3名です。

そして、孫娘アナスタシアを探し続けるマリア皇太后役に、菊田一夫演劇賞をはじめとする数々の演劇賞を受賞、近年では『バイオーム』『蜘蛛女のキス』などで観客を魅了する麻実れいさんが出演します。

魅力的なキャストが集結するミュージカル『アナスタシア』は9月12日 (火) ~10月7日 (土)東京・東急シアターオーブにて上演、10月19日(木)〜10月31日(火)に大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演です。

終演後、アフタートークショーが開催される回があります。9月17日(日) 17:30には木下晴香さん、内海啓貴さん、大澄賢也さん。9月24日(日) 17:30には葵わかなさん、相葉裕樹さん、石川 禅さんが登壇予定となっています。詳細は公式サイトをご確認ください。

ミワ

公式サイトには2020年の際の舞台写真が掲載されていて、観ているだけでワクワクしてきます!上演前に映画版を観て予習しておくのも良いですね。