『ドードーが落下する』で第67回岸田國士戯曲賞を受賞、『もはやしずか』『ザ・ウェルキン』で第30回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞し、今最も注目を集める劇作家・演出家の1人である加藤拓也さん。最新作『いつぞやは』はある理由で劇団活動を辞め故郷に帰る男を中心に、現代の若者たちをリアルに描き出します。
6名の実力派が集結、新作『いつぞやは』に挑む
2013年に20歳で「劇団た組」を立ち上げ、2023年には『ドードーが落下する』(2022年上演)で第67回岸田國士戯曲賞を受賞した加藤拓也さん。ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』『不甲斐ないこの感性を愛してる』『死にたい夜にかぎって』などでご存知の方も多いのではないでしょうか。
2022年に初監督映画『わたし達はおとな』が公開、2023年9月には門脇麦さん主演映画『ほつれる』の公開が控えています。演出家としても活躍し、『もはやしずか』『ザ・ウェルキン』では第30回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。これまで『たむらさん』『友達』『ザ・ウェルキン』でタッグを組んできたシス・カンパニーと、新作『いつぞやは』を作り上げます。
劇団活動をしている青年が数年前の出来事を回想し語り始めるのは、かつて劇団仲間であった1人の男。男は癌を患ったことから故郷に帰ることになり、昔の仲間たちが集まります。“死を意識せざるをえなくなった男”と若者たちの会話から見えてくるリアルな現実。そして故郷に戻った男は、シングルマザーとなった同級生と再会することに…。
本作に出演するのは、窪田正孝さん、橋本淳さん、夏帆さん、今井隆文さん、豊田エリーさん、鈴木杏さんの6名。
NHK 連続テレビ小説『エール』やドラマ『Nのために』『アンナチュラル』『ラジエーションハウス』で活躍のほか、新劇場「THEATER MILANO-Za」のこけら落とし公演『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』への出演も話題となった窪田正孝さん。癌の発覚をきっかけに故郷に帰る男を演じます。
劇団活動をしている青年を演じるのは、加藤作品に欠かせない存在である橋本淳さん。劇団た組『在庫に限りはありますが』やシス・カンパニー『たむらさん』、KERA・MAP『キネマと恋人』、城山羊の会『相談者たち』、『No.9-不滅の旋律-』、『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』など舞台作品での活躍が続いています。
劇団のかつての仲間を演じるのは、ドラマ『silent』『ブラッシュアップライフ』で強烈な印象を残した夏帆さん、加藤作品やハイバイ、月刊 根本宗子などにも出演してきた今井隆文さん、加藤作品への参加も多く、シス・カンパニー公演『ザ・ウェルキン』での好演も記憶に新しい豊田エリーさんの3名。
故郷で男が再会するシングルマザーの同級生を、近年では『ストリップショウ』『真夏の夜の夢』などでの圧倒的な演技力で読売演劇大賞大賞・最優秀女優賞を受賞した鈴木杏さんが務めます。
上演は8月26日(土)から10月1日(日)まで東京・シアタートラム、10月4日(水)から10月9日(月・祝)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。東京公演はチケット残りわずかとなっていますが、当日券も予定されています。今注目の劇作家と豪華キャストによる、現代を繊細かつ鮮明に映し出す名作の誕生を、お見逃しなく。公式HPはこちら
約200席、役者の息遣いが伝わるシアタートラムで、加藤拓也さんの繊細な会話劇がどう展開されるのか、期待が高まります。