8月16日(水)から18日(金)にかけて、東京国際フォーラムでは本場ブロードウェイのディズニー・ミュージカル・ソングを堪能できる『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ feat. アラン・メンケンsupported by ディズニー★JCBカード』が開催されました。
日本公演3回目となる『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ』。今回はなんとブロードウェイのスターに加え、ディズニーの名作曲家であるアラン・メンケンが来日しました!もともと開催予定であった2022年は惜しくも公演中止となりましたが、待望の再演を無事に楽しむことができたので、その様子をお届けします。(2023年8月・東京国際フォーラム ホールA)
【1幕】ディズニー音楽の巨匠アラン・メンケンのソロコンサート
ディズニーレジェンドの作曲家アラン・メンケンが登場すると、客席から割れんばかりの拍手が起こり、幕開けから会場のボルテージは最高潮に!
去年からチケットを購入し再演を待っていた人へ「1年間待たせてごめんなさい、来てくれてありがとう!」と述べたり、日本語で「台風7号、大丈夫ですか?」と声をかけてくれたり、トークには日本のファンへの思いやりが溢れていました。MCのハリー杉山さんによれば、アランは本番直前まで日本語の発音が正しくできているか確認していたそうです。
まず披露したのは、華々しい旋律から始まる『アラジン』の「Prince Ari」。1幕は今年の冬に開催した来日コンサートのショートバージョンということで、アランが自身の作品を振り返りながらピアノで弾き語りしていくという、夢のように豪華なプログラムです。
曲目は作詞家ハワード・アシュマンとの共作、アシュマン亡き後にディズニー映画やミュージカルで手掛けた楽曲を、リリース順に披露してくれました。
ハワードと作り上げた『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のメドレーを歌い上げると、この後ディズニーからオファーを受け、アニメーション映画の音楽をハワードと作ることになったと話すアラン。ちょうどその頃、アランは自身の子供とディズニーのクラシック映画を観ていたそうで、オファーが来た時の嬉しさを曲の合間に語ってくれました。
そしてここからは、ディズニー映画の第二黄金期を作りあげた『リトルマーメイド』、『美女と野獣』、『アラジン』などの名曲が次々と飛び出します。演奏はアランのピアノソロ、歌唱はアランの歌声のみ。曲目により照明の色が変わるシンプルなステージ演出でしたが、アランが歌い出すと、映画の名シーンが大きなスクリーンに映し出されるように頭の中で鮮明に再生されます。
ピアノ演奏もさることながら、驚いたのがアランの歌声です!魔人ジーニー、海の魔女アースラ、お転婆なラプンツェルといった個性豊かなキャラクターたちを見事に歌い分け、1曲1曲にキャラクターの心情が込められていました。
舞台化に伴い初めて野獣の心情を歌にできたという『美女と野獣』の「If I Can`t Love Her」、実写版『アラジン』の「Speechless」といったミュージカル並びに実写映画のオリジナルソングも飛び出します。
実写映画の最新作である『リトル・マーメイド』の「For The First Time」では、同じメロディーを使いながらアリエルの嬉しさと切なさを表現するというアランらしいマジックも解説してくれました。
『アラジン』の楽曲で始まったソロコンサートは、同じく『アラジン』の曲で幕切れ。ハワードと作り、アニメ映画ではカットされてしまったものの、舞台版で活かされた「Proud Of Your Boy」を壮大に歌い上げます。生まれて初めてアラン・メンケンの生演奏を聴き、彼が自分の作品1つ1つを子供のように大切にしていることがよくわかりました。
ラストの1曲はそんな自分の子供たちを誇りに思う気持ちと、亡きハワードと作り上げた楽曲を含め、これからも曲たちに愛を注いでいくという意志が込められていたような気がします。
【2幕】BWキャストによる豪華共演!SPゲストは京本大我さん
2幕は、ブロードウェイのディズニー・ミュージカルに出演する豪華スター5名による『美女と野獣』の「Be Our Guest」でスタート。ディズニー・シアトリカル・プロダクツの軌跡を、各作品を彩るミュージカルナンバーで辿ります。
2幕の醍醐味はなんといっても、本場ブロードウェイのキャストによるパフォーマンスを浴びるように堪能できるということです!ブロードウェイで『ライオン・キング』のナラ役を歴代最長の9年間演じているキシー・シモンズが「Shadowland」を披露すると、ステージはサバンナの荒野に一変しました。
また、ブロードウェイ・ヒッツならではのキャスティングによるナンバーも見どころ。ジョシュ・ストリックランドによる『アイーダ』の「My Strongest Suit」は前回の2019年・2020年公演でも好評だったナンバーで、またしなやかでパワフルなジョシュのアムネリスに会えたのが嬉しかったです。そしてあんなにキュートだったジョシュは、自身が主演していた『ターザン』の楽曲をパワフルに歌い上げます。
初代メリー・ポピンズ役のアシュリー・ブラウンが「SuperCarifragilisticexpialidocious」を歌うと、客席とステージが手拍子で一体になりました!
日本でも2021年に初演され人気を集めた『ニュージーズ』のパートは、その世界観をたっぷりと感じられる4曲メドレーです。ここで日本人のスペシャルゲストとして、主人公のジャック役を務めた京本大我さんが登場!
京本さんはジョシュと「Santa Fe」を、ブロードウェイでヒロインのキャサリン役を演じたカーラ・リンゼイと「Something To Believe In」をそれぞれデュエットしました。瑞々しく堂々とした京本さんの歌声と、パワフルなブロードウェイキャストの至極のデュエットは、このコンサートならではの贅沢です。
そして1幕同様に、2幕のフィナーレも、『アラジン』!ブロードウェイでジーニー役として出演中のジェームズ・ジェームズ・スコットがハイテンションで「Friend Like Me」を歌い上げ、客席もノリノリです。「Somebody’s Got Your Back」で肩を組みながらキャスト6名が歌唱し、フィナーレを迎えました。
3回目の開催となる今回は、『アラジン』がフューチャーされていたのが印象的。 明るい楽曲が多く、ディズニーミュージカルの楽しさや客席と舞台の一体感を味わえるハッピーな構成でした! 2019年の初演を鑑賞したときもシンガーの豪華な顔ぶれに胸が躍りましたが、加えて今回は憧れのアラン・メンケンの生演奏が聴けたというのが大きな収穫です。 いちディズニーマニアとして、彼と同じ時代に生きているんだと実感できたことが幸せでした!