東京芸術劇場の芸術監督・野田秀樹さんがさまざまな演劇人と出会うべく立ち上げた団体「東京演劇道場」。今回上演する『ワーク・イン・プログレス/Dojo WIP』は、東京演劇道場メンバーが企画立案・実行運営する形のワーク・イン・プログレス公演。8つの企画が披露されます。
「小さいものが大きいものになるかもしれない過程」
東京芸術劇場の芸術監督・野田秀樹さんの“「芝居人」の出会える「道場」を創りたい”という思いで生まれた、舞台役者が集う修行の場「東京演劇道場」。
今回上演の『ワーク・イン・プログレス/Dojo WIP』では、2018年の東京演劇道場メンバー募集時に掲げた「才能が出会いさえすれば、面白いものができるのを私は知っている」という言葉の実現を目指し、8つの企画を立ち上げ、試作発表が行われます。
企画1つ目は、オープニングパフォーマンス(※)を飾る、手代木花野さんの企画『додзьо』。ウクライナの民族舞踊を基にしたダンス作品で、開場の10分前に劇場前のロワー広場にて上演されます。
※22日は16:20から、23〜25日は13:20から、26日は12:20から上演です。
2つ目は、サヘル・ローズさん、石村みかさん、小幡貴史さんの企画『 』。コトバと身体の実験的な試みを行います。
3つ目。高畑裕太さんと大野明香音さんが企画した作品『忘郷少女』は、野田秀樹さんの作品や、言葉をヒントに執筆した短編作品。誰にもある故郷や、原風景をテーマに、1匹の鬼と、1人の人間のドラマを描きます。
4つ目、上村聡さんの企画は、絲山秋子さんの著作『御社のチャラ男』という16のエピソードで構成された原作小説を編集・再構成した同名作品です。今回は厳選したエピソードを5日間に分けて朗読劇として上演します。
5つ目、黒瀧保士さんの企画『石の夢 -Rêves d’objets-』は、マイム作品の試演。
双子として生まれた黒瀧さんが意味を考えるきっかけとして、「2」と「1」の関係性を真面目に考えます。
6つ目、李そじんさん企画は、多田淳之介さん原案で、2006年初演の演劇作品『再生』の上演。李そじんさんと、Creators with Audienceで連載を担当してくれていた藤井颯太郎さんが演出を務め、今回は30分バージョンに作り替え、作品に新たな命を吹き込みます。
7つ目、藤井千帆さんと鈴木麻美さんの企画では、別役実さんの童話作品『淋しいおさかな』を上演します。1970年代のNHK放送「おかあさんといっしょ」の朗読コーナー「おはなしこんにちは」の為に書き下ろされたという本作。朗読作品を劇として立ち上げる試みです。
8つ目、扇田拓也さんの企画ジブリッシュ『恋人たち』『職人たち』は、シェイクスピアの『夏の夜の夢』に登場する恋人たちと職人たちのシーンだけを抜き出し、ジブリッシュ(デタラメ言葉)で創作する短編作品です。『恋人たち』は、22日、23日、26日の上演。『職人たち』は24日と25日に上演です。
東京演劇道場『ワーク・イン・プログレス/Dojo WIP』は、11月22日 (水) ~11月26日 (日)に東京芸術劇場・シアターイーストにて上演です。詳細は公式HPをご確認ください。
全8作品を2500円(高校生以下は1000円)で観劇できてしまうというとても贅沢な公演。ぜひこの機会に新しい作品との出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。