2000年、帝国劇場で史上最年少座長として堂本光一さんが当時21歳で主演を務めて以降、毎年単独主演で上演を重ね、全日程が即日完売、“日本一チケットが取れないミュージカル”とも称された『SHOCK』シリーズ。現・帝国劇場最後の公演となる2024年は、前人未到の2018回という上演記録を迎えます。そして堂本さんから「今年で『SHOCK』は、自分は幕を閉める」という覚悟が語られた製作会見の様子をお届けします。

帝国劇場の象徴『SHOCK』、堂本光一主演はラストイヤーに

撮影:山本春花

帝国劇場の世界スケールの舞台機構を駆使し、歌・ダンス・アクション・パーカッション・殺陣・階段落ち・マジック・フライングとエンターテイメントを結集したステージを繰り広げるオリジナル・ミュージカル『SHOCK』。2005年から堂本光一さんが脚本・演出にも携わり、『Endless SHOCK』として内容を一新。2020年には3年後のカンパニーを描いたスピンオフ『Endless SHOCK -Eternal-』が梅田芸術劇場にて上演され、2023年は帝国劇場で『Endless SHOCK』『Endless SHOCK -Eternal-』の2作同時上演が行われました。

常に進化を遂げながら観客を魅了し続けてきた本作ですが、堂本光一さんが自身で主演を務める『Endless SHOCK』は2024年で最後と発表。2〜3年前から考えられていたことだそうで、「帝国劇場以外にやれる劇場がないというのもあります」と、帝国劇場が建て替えのための休館に入ることが理由の1つであることを明かしました。

また「『Endless SHOCK』は自分が26歳の時に作った作品で、(コウイチの)年齢設定もそれぐらいなんですよね。今自分は45歳になって、まぁ良い時かな。帝国劇場と共に歩んできた作品でもあるので、帝国劇場が休館になるのであれば、そこで自分が出る『SHOCK』は幕を締めても良いかな」と考えられたといいます。

こういった背景もあり「なるべく多くのファンに観てもらいたい」という思いから、2024年の公演では4-5月に帝国劇場で『Endless SHOCK』『Endless SHOCK -Eternal-』の同時上演、7-8月に梅田芸術劇場メインホール(本編のみ)、9月に博多座(本編のみ)、11月に再び帝国劇場(本編のみ)での上演と、歴代最多5ヶ月公演が行われます。

そして、本作に関わってきたキャストが集結し、ライバル役は4-5月帝国劇場公演と9月の博多座を佐藤勝利さん、7-8月の梅田芸術劇場を中山優馬さん、11月の帝国劇場公演を上田竜也さんが務めます。

『Endless SHOCK』は「僕のエンタメの根源」だと語った佐藤勝利さんは、「僕ら世代は、(作品を)生で見られたこと、そして僕としては一緒に作品に携わらせて頂いていることが、本当に光栄です。その思いを込めて最後、僕も走りきりたいなと思っています」と意気込みます。

中山優馬さんは本作を客席で観て、何度も出演したいと熱望した作品だったのだそう。ラストの公演となることに対して、「本当に衝撃で、寂しく思います。でも、参加させていただくと、本当に過酷なんですよね。光一くんの姿を、何十回と、隣で見させてもらっていて、こんなにも過酷なものをなぜこんな回数できるんだろうって本当に何度も思いましたので…。寂しくもありますが、記念すべき2000回を迎えるということは本当に素晴らしいことだなと思います」と正直な胸の内を明かしました。

また演じるライバル役について、「今までも様々な先輩方が演じてきた役なので、それを自分がやらせていただくことにありがたいなという思いと同時に、当たり前に日々はないぞと思わせてくれる。1回1回を大事に向き合っていかなきゃいけないと改めて思わされる」と思いを語りました。

「20年前、光一くんから“もうお前は『SHOCK』に出るな”と言われた時、まさか最後の11月の公演をやらせて頂くことになるとは夢にも思わなかった」と上田竜也さん。プライベートで鼻歌で本作の楽曲を歌ってしまうほど大好きな作品であること、またファンの方々の気持ちも慮って、最後の公演であると堂本光一さんから聞いた時には「なんでよ」と戸惑いを伝えたと言います。

しかし様々な思いを聞いて、「本人が決めたことならば、最後の年を盛大に、もっと自分たちがクオリティを高めて、光一くんは完全燃焼して、終えられるようにしっかり取り組んでいきたい」と気持ちを切り替えられたそう。

オーナー役は前田美波里さんと島田歌穂さんのWキャスト。2013年から本作に携わっている前田さんは最後の公演となることを「とても残念」と惜しみます。「こんなにたくさんの方に愛されている作品を、光一さんが手放して良いものなのか」と作品のファンであるからこその思いを吐露。一方で「光一さんも演出家になられておりますので、いつかこれを超える素晴らしい作品を作ってまた演じられることを祈っております。そのときはぜひ私もおばあさん役で出してください」と未来への期待も語りました。

島田歌穂さんは「毎回、命を削るように公演を重ねている光一さんの姿に、感動と驚きとものすごい力を頂いていました」と語り、「決断されたことをしっかりと受け止めさせていただいて、光一さんの姿を目に焼き付けたい」とコメント。

「僕の尊敬する役者の先輩で、辞める辞めるって言って何回も帰ってきた方もいらっしゃるので、その辺はどうなるか(笑)」とお茶目に語った光一さんですが、後輩のどなたかに主演を譲るということは考えているかという記者の質問に対しては、「自分の思いとしては、誰かにやってもらいたいなと強く思います」と明言。

「『SHOCK』は帝国劇場のサイズに合わせて作ってきたものなので、他にやれる劇場は梅田芸術劇場と博多座しかないんですが、来年以降に例えば感謝祭のような形のイベントが地方で出来たら…」と、予定はないと前置きしつつも、本作の今後についても色々と考えられているようです。

代役なし単独主演記録2000回達成、5月9日に前人未到の2018回達成へ

本作の魅力について改めて質問された堂本光一さんは、「残念なことに一度も外から僕は見たことがないので(笑)、この作品を本当に完全に客観的な目で見た感想っていうのは僕からは言えないんです」と言いつつ、「自分から言えることは、とにかくずっと、命を燃やしてきたということ」と回答。

「素晴らしい役者さんが世の中にたくさんいる中で、自分には大した技術があるわけでもないので、だったらできることっていうのはとにかく命を燃やしていこうと。ステージ上で嘘をつくようなことをしないようにしようという思いでステージに立ってきた」と文字通り命懸けで本作に臨んできた思いを語りました。

また「『SHOCK』はフライングもありますし、どの席でも皆さんに楽しんでいただけるように意識して演出してきたつもりです。お客様と共に歩んできた作品で、皆さんの声に応える、その先を目指してやってきたという思いがあります」とコメント。

「よく言う言葉ですけど、舞台って毎日あって、毎日同じことをやって、役者にとっては2000回かもしれないけれども、お客さんにとってはその日の1回なので、そこにいかに熱を注げるかというのは、非常に大事なことじゃないかな。当たり前のことですけど、当たり前のことを当たり前のようにやってきたということだと思います」と舞台に日々立ち続ける堂本光一さんの真摯さが伝わるお話が語られました。

リカ役を務めるのは、綺咲愛里さんと中村麗乃さん(Wキャスト)。綺咲さんは2022年に本作に初参加し、「稽古で一杯一杯になっていた時、光一さんから“大丈夫”と言っていただきました。短くも本当に温かく、そのときの私をすごく救ってくださった言葉だなと、今思い返して感じております」と振り返ります。

中村さんは初めて出演した2023年が『Endless SHOCK』『Endless SHOCK -Eternal-』の2作同時上演ということで、「1ヶ月で同時に稽古をしていく中で、本当に慣れないことばかりで、もう頭がパンパンになってしまって。毎日必死に食らいついていく日々だったんですけれども、光一さんは、残って練習している私にお付き合い頂きました。またリカ役はいろんな解釈の仕方があると思うんですけれども、そこですごく悩んでいたときに私の考え方をすごく尊重してくださって、本当にたくさん助けられたなと思っております」と語りました。

また本作は初演以来23年半をかけて、代役なし単独主演記録2000回を4月22日の昼公演にて達成予定。また、5月9日夜公演には2018回達成と、森光子さん主演の『放浪記』の記録を更新します。5月9日は森光子さんのお誕生日という、運命の巡り合わせのようなタイミングに。

「本当にびっくりしました。コロナ禍で中止もありましたし、計算があってできることではない。実は公演スケジュールを作っていたときに、スタッフのカレンダーの曜日がずれていまして、全然違う日にちだったんです。それで大慌てで修正したら、お誕生日だったことに後から気づいて、とても不思議なことが起きました」と驚きを語ります。

「森さんがエンタメ業界に残してきた功績を常に自分の胸に刻みながら、自分はやらせていただくだけだというふうに思っていますし、森さんは『SHOCK』のファンとおっしゃってくださっていて、毎日、夜公演の前に差し入れをいただいてステージに立っていたこともありました。記録を超えるという意識は自分の中には本当になくて、一つ一つの公演にとにかく命を燃やしてやってきた、もうそれに尽きると思います。もちろん周りの方は(記録に対して)おめでとうと言ってくださったりするんですけど、自分としてはそこに驕ることなく、今まで通り一つの公演を大切にやらせていただいて、森さんが支えてくださったことに対しても感謝の気持ちを乗せてやらせていただけたら」と思いを語りました。

『Endless SHOCK』は2024年4月、帝国劇場にて開幕します。公式HPはこちら

Yurika

帝国劇場には「演劇の神様が宿っている」と語った堂本光一さん。新しくなる帝国劇場に対しての要望を聞かれると、「シャワーの水圧だけは守ってもらおうかな(笑)。また自分が立たせていただく前提で話しているような気もしますけど」と笑顔で答えられました。また11月公演では本作と縁が深いふぉ〜ゆ〜が4名全員揃って出演!「配役をどうしようかと考えているんですけど…。(フライングの)フッキングは松崎以外なら誰でも大丈夫です(笑)。キャッチングは上手なんですけど、フッキングはやらせたくない(笑)」と愛のあるコメントで沸かせました。(4-5月帝国劇場公演は越岡裕貴さん・松崎祐介さん、9月の博多座公演は福田悠太さん・辰巳雄大さんがそれぞれ出演します)