英国発の恐怖劇の傑作で、PARCO劇場でも何度も上演を重ねてきた『ウーマン・イン・ブラック』が9年ぶりの上演決定。萩原流行さん、西島秀俊さん、上川隆也さん、岡田将生さんと錚々たる俳優が演じてきたヤング・キップスに向井理さんが挑みます。オールド・キップスを演じるのは9年前にも本役を演じた勝村政信さんです。

劇中劇で魅せる恐怖劇『ウーマン・イン・ブラック』

女流作家スーザン・ヒルの同名小説をもとにスティーブン・マラトレットの脚色、ロビン・ハーフォードの演出で舞台化された『ウーマン・イン・ブラック<黒い服の女>』。1987年にイギリスの劇場で幕を開け、1989年6月にはウエストエンドのフォーチュン・シアターで上演を開始。

以降、12の言語に翻訳、世界40余国で上演されており、2012年には『ハリー・ポッター』シリーズを終えたダニエル・ラドクリフが自ら選び、映画『ウーマン・イン・ブラック  亡霊の館』に出演したことでも話題となりました。

舞台では2人芝居でシンプルな舞台装置ながら、俳優の才能を発揮できる脚本と、各紙演劇批評の絶大な支持を得た音響効果が恐怖に追い打ちをかけます。

【ストーリー】
ヴィクトリア様式の小さな劇場。舞台には特別な装置やセットはなく、ガランとしている。そこへ中年の弁護士キップスと若い俳優が相次いで現われる。キップスには青年時代、家族や友人にも告白できないような呪われた体験があった。以来、その記憶のために悪夢に悩まされ、安らぎのない日々を送っていたのだ。悩みぬいた末、キップスはこの忌まわしい記憶を、家族に打ち明けようとする。あの怪奇な出来事を劇場で語ることによって、悪魔祓いにかえ、呪縛から解放されようというのだ。その手助けに、若い俳優を雇ったのだった。

キップスの告白はひどく長い。そのため、俳優が“若き日のキップス”を、“キップスが出会った人々”をキップスが演じるという上演の形が、俳優から提案される。そして「芝居」は始まった。

若きキップスは、勤務先の弁護士事務所の顧客アリス・ドラブロウ夫人の死から語り始めた。この身寄りのない老婦人は北イングランドの片田舎で亡くなり、その葬儀と遺産整理のためにキップスが現地まで行くことになったのだ。夫人は地元の町クリシン・ギフォードの誰とも交流を持たずに、ナイン・ライン・ライフコーズウェイの先、イール・マーシュの館で暮らしていた。そこは潮が引いた時にしか行き来のできない孤立した場所だ。クリシン・ギフォードの人々は、キップスがドラブロウ夫人の名前を出す度に、表情を凍りつかせ不審な態度をとるのだった。彼女の葬儀に参列し、その後で館を訪れた彼は、そこで人々の態度を理解することになった。

彼は見たのだ。葬儀の教会と、そして無人の館の裏で。いるはずのない黒い服の女を。

中年のキップスは、録音技術による効果音にも助けられ、勢いを得て俳優との過去の再現に熱中していく。

恐怖の体験から一夜置いた若きキップスは、町で事情を知るはずの人々に、自分の見た女が誰か、ドラブロウ夫人とその館にまつわる因縁が一体どんなものかを問いただそうとするが真実は闇の中だ。それでもキップスは再び館に戻り、自分の仕事を果たそうとする。

再び館で迎えた夜。彼がそこで体験した出来事。その後の彼を襲う、さらに恐ろしい悲劇。

キップスの記憶が再現されるにつれ、劇場でも、奇妙な変化が起きていた・・・。

PARCO劇場の歴史に残る作品

1992年8月に日本初演を迎えた『ウーマン・イン・ブラック』は、劇団「黒テント」の創立メンバーでアングラ演劇ブームを牽引した斎藤晴彦さんが6度出演。ヤング・キップス役は、萩原流行さん、西島秀俊さん、上川隆也さん、岡田将生さんが務めてきました。

そして2024年版ではヤング・キップスに向井理さんが挑みます。向井さんは「2人芝居ということでプレッシャーを感じていますが、あまり意識しすぎず楽しんで演じたい」「劇中劇という形式なので、お客様は観客であり出演者でもあります。その境目を感じないような瞬間がたくさんありますので、是非一体感を楽しんでいただきたい」と意気込みを語っています。

そしてオールド・キップスを演じるのは、9年前にも本役を演じた勝村政信さん。本作について「世界一恐ろしい舞台でありながら、とても楽しい舞台」と語り、「演出のロビンさんの、大胆で緻密な魔法を、皆様、是非劇場に足を運んで、目撃してください。生涯忘れることができなくなるでしょう」とコメントしました。

『ウーマン・イン・ブラック』は2024年6月9日(日)から30日(日)までPARCO劇場にて上演。その後、大阪・北九州・愛知公演が行われます。一般チケット発売は3/23(土) 10:00から。詳細は公式HPをご確認ください。

Yurika

親交の深いお二人が織りなす恐怖劇に注目です!