後藤ひろひとさんによるダークファンタジー作品『ダブリンの鐘つきカビ人間』を、脚色・演出 ウォーリー木下さん、音楽・音楽監督を中村大史さんが務めミュージカル化。2024年7月に東京国際フォーラム ホールCと大阪COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演が行われます。W主演を務めるのはTravis Japanの七五三掛龍也さんと吉澤閑也さんです。

PARCO&CUBE produce 2024 ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』

これまで、PARCO劇場で『人間風車』、『MIDSUMMER CAROL〜ガマ王子vsザリガニ魔人〜』、『Shuffle』、『みんな昔はリーだった』、『恐竜と隣人のポルカ』、『スリー・べルズ』などを手がけてきた後藤ひろひとさん。中でも2002年、2005年、2015年と上演を重ね、大きな笑いと恐怖と感動で観客の心を掴んだ『ダブリンの鐘つきカビ人間』がミュージカルとして生まれ変わります。

後藤さんは本作について「私はこの作品に”病気の街”への別れのメッセージを込めた」とし、「ほんの数年前、地球全体が”病気の街”になった。深い悲しみや不思議な光景が世界を覆った。そんな”病気の街”にも終わりが来た。だからこの作品が帰って来たのだろう」とコメント。

脚色・演出は、ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』やPARCO劇場公演『粛々と運針』などを手掛けるウォーリー木下さん。音楽・音楽監督は、ケルト音楽に造詣が深い中村大史さんです。

ウォーリー木下さんは「ミュージカルにしたいと言ったのは僕」と明かし、「理由は6つあります。一つ目は、骨の太い物語。どれだけ演出を変えてもぶれない強さ。ミュージカルにとって物語は最も大事な要素です。二つ目は、あ文字数」とコメント。ミュージカル化に込めた思いは、演出から伝わってくるのかもしれません。

中村さんは「ユーモアと切なさと残酷さが混じり合ったダークファンタジー、それはそっくりそのままケルトの神話性、僕が好きなアイルランド音楽が密やかに纏う空気感につながります」とし、「3人のアイルランド音楽演奏家による生演奏でお届けいたします」と演奏プランを明かしました。

<ストーリー>
とある山中。中世のアイルランドを思わせる不思議な土地、そして音楽…。
旅行中の聡と真奈美は霧のために立ち往生し、ある老人の住む山小屋に一夜の宿を求めた。
問わず語りに老人が語る昔話に、だんだんと心を奪われていく。

むかしむかし。
この土地を不思議な病が襲ったときのこと。
病の症状は人によって違っていた。指に鳥が止まってしまう病。天使の羽が生えてしまう病…。
そんな中でも、最も不幸な病に冒されたのが、心と体が入れ替わり、心は水晶のように美しく、しかし誰も近づきたがらない醜い容姿となったカビ人間。
カビ人間は、その容姿から村人たちに疎まれ、ただ一人で鐘を撞いている。
そんなカビ人間とある日、出会ってしまったのが、思っていることの反対の言葉しか話せなくなった娘・おさえ。最初はカビ人間におびえていたおさえだが、その美しい心に触れて、徐々に彼に心を開いていく。
しかし心惹かれれば惹かれるほどに、おさえの口から出るのはカビ人間への罵倒の言葉。
やがてその言葉が、カビ人間を窮地に追い詰めていく…。

一方聡と真奈美は、老人の話に夢中になっている間に、気がつくとこの不思議な世界の中に入り込んでいた。
そして、病を治すのは伝説の剣・ポーグマホーンであることを市長から教えてもらった真奈美はしり込みする聡を引っ張って剣を探す旅に出る。
その頃、おさえの罵倒の言葉を信じ込んだ村人たちによって、追い詰められていくカビ人間。
ポーグマホーンと不思議な歌、そして鐘の音が重なった時、悲しくも美しく、残酷な奇跡が起きる…!

Travis Japanの七五三掛龍也&吉澤閑也がW主演

物語の世界の街に住む「カビ人間」役は、Travis Japanのメンバーで、ミュージカル『ハル』や舞台『いまを生きる』など舞台作品への出演を経験してきた七五三掛龍也さん。物語の世界に迷い込む「聡」役は、同じくTravis Japanのメンバーで、グループの楽曲の振付も数多く担当するなどダンススキルにも定評のある吉澤閑也さんです。吉澤さんはミュージカル初出演となります。

七五三掛さんは「歴史あるこの作品に参加させていただけること、僕自身舞台出演が久しぶりなので今からワクワクしています。前回カビ人間を演じていた佐藤隆太さんはお世話になっている先輩で、出演が決まった時運命だと思いすぐ連絡しました」と本作への期待を語り、吉澤さんは「自分はお芝居をしっかりさせてもらうのは今回が初めてなので自分が思う聡というキャラクターを出せたらと思います。そしてご来場いただける方々がのめり込めるような作品にできたら嬉しいです」と意気込みます。

そして物語の世界の住人で、町中に流行った奇妙な病のせいで、思っていることの反対の言葉しか話せなくなった「おさえ」役には、舞台・ドラマと活躍の続く伊原六花さん。聡と共に物語の世界に迷い込む「真奈美」役は、『天翔ける風に』『カラフル』『ザ・ビューティフルゲーム』など数々の舞台作品に出演する加藤梨里香さんが務めます。

さらに、「戦士」役に入野自由さん、「神父」役にコング桑田さん、「親衛隊長」役に小松利昌さん、「天使」役に竹内將人さん、「市長/老人」役に松尾貴史さん、「おさえの父(ジジイ)」役に中村梅雀さんと、個性豊かなキャストが集結しました。

ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』は2024年7月3日(水)から10日(水)まで東京国際フォーラム ホールC、7月20日(土)から29日(月)までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演が行われます。詳細は公式HPをご確認ください。