旧約聖書の十戒をモチーフに 1980 年代のポーランド、ワルシャワのとある団地に住む人々を描いた十篇の連作集『デカローグ』。全10話を大きく3つのブロックに分け、4~5月は『デカローグ1~4』、5~6月は『デカローグ5・6』、6~7月は『デカローグ7~10』を上演し、新国立劇場にて完全舞台化されます。

オムニバス形式で綴る『デカローグ』

ポーランドの名匠、クシシュトフ・キェシロフスキが発表した『デカローグ』。もともとテレビ放映用ミニ・シリーズとして1987-88年にかけて撮影され、その質の高さが評判を呼び、その後世界で劇場公開されました。クシシュトフ・キェシロフスキは「トリコロール」三部作、『ふたりのベロニカ』で知られるポーランド出身の世界的映画監督です。

十篇の物語は、オムニバス形式のそれぞれが独立した1時間前後の作品。別々の作品でありながら、緩やかにリンクし、実はひそかなつながりを持っています。

上演台本を担当するのは須貝 英さん。演出には、新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子さん、上演時間計7時間半の『エンジェルス・イン・アメリカ』二部作の演出を手掛けた上村聡史さんのお二人です。

4月〜5月は『デカローグ1~4』を上演

4月13日(土)から5月6日(月・休)までは、『デカローグ1~4』を上演。小川絵梨子さんが演出を務める『デカローグ1&3』のプログラムAと、上村聡史さんが演出を務める『デカローグ2&4』のプログラムBの交互上演となります。

デカローグ1「ある運命に関する物語」には、ノゾエ征爾さん、高橋惠子さんらが出演。

大学の言語学の教授で無神論者の父クシシュトフは、12歳になる息子パヴェウと二人暮らしをしており、信心深い叔母イレナが父子を気にかけていた。パヴェウは父からの手ほどきでPCを使った数々のプログラム実験を重ねていたが……。

デカローグ3「あるクリスマス・イヴに関する物語」には、千葉哲也さん、小島 聖さんらが出演。

クリスマス・イヴ。妻子とともにイヴを過ごすべく、タクシー運転手のヤヌシュが帰宅する。子供たちの為にサンタクロース役を演じたりと仲睦まじい家族の時間を過ごすが、その夜遅くヤヌシュの自宅に元恋人の女性エヴァが現れ、ヤヌシュに失踪した夫を一緒に探してほしいと訴える……。

デカローグ2「ある選択に関する物語」には、前田亜季さん、益岡 徹さんらが出演。

交響楽団のバイオリニストである30代の女性ドロタと彼女と同じアパートに住む医長の二人。ドロタは重い病を患って入院している夫アンジェイの余命を至急知りたいと医長を訪ねる。ドロタは愛人との間にできた子を妊娠していた……。

デカローグ4「ある父と娘に関する物語」には、近藤芳正さん、夏子さんらが出演。

快活で魅力的な演劇学校の生徒アンカは、父ミハウと二人暮らし。母はアンカが生まれた時に亡くなった。父娘はまるで友達同士の様に仲睦まじく生活していたが、ある日アンカは「死後開封のこと」と父の筆跡で書かれた封筒を見つける。その中身を見たアンカがとった行動とは……。

亀田佳明さんは10編のエピソードすべてに出演します。『デカローグ』は新国立劇場 小劇場にて上演。公式HPはこちら

Yurika

4ヶ月、総勢40名以上のキャストが携わる大プロジェクト。複数プログラムを観たい方は、お得なセット券も発売されています!