ミュージカル『シカゴ』は、ブロードウェイでの初演以来、世界各地で上演されている大ヒット作品。1920年代のシカゴを舞台に、2人の女性が成功と名声を求めて争う物語です。スキャンダラスな世界観で観客を魅了する『シカゴ』の来日公演が、2024年4月に東京・大阪で開幕します。
ミュージカル『シカゴ』の歴史
ミュージカル『シカゴ』は1975年にブロードウェイで初演され、1年以上のロングランを達成。トニー賞で11部門にノミネートされるほど好評でしたが、同年初演の『コーラスライン』の人気に押され、結果的に受賞を逃しました。
そんな『シカゴ』が、1996年にブロードウェイでの再演を果たします。初演の演出・振付を担当したボブ・フォッシー氏による「フォッシー・スタイル」と呼ばれる振付を継承しながら、舞台演出をブラッシュアップ。このリバイバル公演で、1997年度のトニー賞では6部門を受賞しました。
以来『シカゴ』は、ブロードウェイにおける再演ミュージカル作品のなかで、最長ロングラン記録を更新し続けています。実は、これまでブロードウェイで歴代1位のロングラン作品だった『オペラ座の怪人』を抜いて、史上1位を記録しているんです。今や、世界38か国500都市以上、13言語で上演されるほど愛される作品に。
また、2002年には映画版が公開され、こちらもアカデミー賞を6部門受賞して高く評価されました。
『シカゴ』については、こちらの記事で作品をより楽しめるポイントを解説しています。
ミュージカル『シカゴ』ってどんな物語?
物語の舞台は、ジャズ全盛の1920年代、アメリカ・シカゴ。元ナイトクラブ・ダンサーのヴェルマ・ケリーは、不倫をしていた夫と妹を殺害した罪で服役しています。そこに現れたのが、ロキシー・ハートという女性。女優志望で華やかな世界に憧れる彼女は、浮気相手を殺害して逮捕されたのでした。
ヴェルマは敏腕弁護士であるビリー・フリンを雇い、無罪となってショービジネスの世界で返り咲こうと画策。そんなヴェルマに触発され、ロキシーもビリーと手を組みます。ビリーの手腕によってマスコミを上手く利用し、悲劇のヒロインとして話題となるロキシー。
スポットライトを独占しようとする悪女2人が、どんな結末を迎えるのか。思わず引き込まれるスリリングなストーリーは、なんと実話に基づいているというから驚きです。
来日公演の見どころとは
『シカゴ』の来日公演は、直近では2022年12月に東京国際フォーラムで上演されています。そして2024年4月には、実力派キャストによる本場さながらの公演が観られます。
敏腕弁護士のビリーを演じるのは、ブロードウェイのトップスターであるマシュー・モリソン。大人気海外ドラマ『glee/グリー』ではシュースター先生役を務めたほか、ブロードウェイミュージカル『ヘアスプレー』や『ファインディング・ネバーランド』のオリジナルキャストでもあります。なんと日本でミュージカル『シカゴ』デビューを飾るという貴重な機会!名ナンバーを歌い上げる圧巻の歌声はもちろん、ヴェルマとロキシーを手玉に取るクールな魅力にも注目です。
また、ヴェルマ役のジャレンガ・スコットは、同じ役で英国ツアー版に出演。ロキシー役のサラ・ソータートも、同役で複数のツアー公演に出演した経歴を持っています。2人とも、役に対する経験を活かして、観客の目を釘付けにする悪女を演じてくれるはず。
さらに、オープニングを飾るにふさわしい「All That Jazz(オール・ザット・ジャズ)」をはじめとして、劇中では数々の名曲が歌われます。ダンサーたちの蠱惑的な振付にも、ドキドキしてしまうこと間違いなし。
『シカゴ』の来日公演で、まるでブロードウェイの劇場にいるかのような感動を味わってみませんか。
ブロードウェイミュージカル『シカゴ』来日公演は、2024年4月18日(木)から4月21日(日)まで大阪・オリックス劇場にて上演。その後、4月25日(木)から5月5日(日)まで東京・東急シアターオーブにて上演されます。チケットやスケジュールなど、公演に関する詳細は公式HPよりご確認ください。
映画版『シカゴ』を観た時から、いつかきっとミュージカル版も見るのだと決めていた筆者。今回、念願叶って来日公演を観劇できるのが、今から楽しみです!