岸谷五朗さん寺脇康文さんによる「地球ゴージャス」の結成30周年記念公演は、6年ぶりの新作『儚き光のラプソディ』。中川大志さん、風間俊介さん、鈴木福さん、三浦涼介さん、佐奈宏紀さん、保坂知寿さんと豪華キャストを迎え、「時」をテーマにした壮大な物語が幕を開けます。4月28日の開幕を前に行われた初日前会見の様子をお届けします。
「今まで見たことがない演劇」に
地球ゴージャス三十周年記念公演『儚き光のラプソディ』初日前会見には、中川大志さん、風間俊介さん、鈴木福さん、三浦涼介さん、佐奈宏紀さん、保坂知寿さんと、岸谷五朗さん、寺脇康文さんが登壇しました。
本作で地球ゴージャス初参加、明治座で主演した音楽劇『歌妖曲~中川大志之丞変化~』(2022年)を岸谷五朗さんが観ていたことから今回の出演に繋がったという中川大志さん。
「1ヶ月半、僕は稽古に参加させていただきまして、少しずつ少しずつ岸谷さんが作った作り上げた脚本をみんなで形作っていく作業が本当に充実していました。毎日地球ゴージャスに参加させてもらっているんだなっていうことをふとしたときに実感するんですけども、今日こうしてまた会見に立たせていただいていよいよ始まるなと改めて実感しております」と地球ゴージャスへの参加を噛み締めるようにコメントされました。
地球ゴージャス10周年、20周年公演に出演し「10年周期の男」の異名を持つ風間俊介さんは「30周年で、守りに入らずにここまで攻めるかという、そういう舞台となっております。新たなことに挑戦して、すごくチャレンジングな作品だからこそ、舞台稽古はもう、わくわくのお祭り騒ぎでした。これから本当にお客様に見ていただいて、今まで見たことがない演劇、見たことがない感覚、いろんなものを感じていただけると思います」と本作の魅力をアピール。
見てからのお楽しみ、とは思いつつもどのような挑戦のある作品なのかをお伺いしてみると、「お客様に来ていただいて驚いていただきたいということで、今お話できることがとても限られるんですけれども、初めて台本を読ませてもらったときに、演劇でこれが可能なのだろうか、これがステージ上で実現できるのだろうかって思って。それが稽古、そして、劇場にやってきて、どんどん形づくられていて、既存の演劇やエンターテイメントへの挑戦みたいな作品になっています。(岸谷)五朗さんは“台本を書いた脚本家・岸谷五朗は俺の敵だ”と言っていました。それぐらいやっぱり高いハードルを吾郎さんが自分で設定されて、それを超えていく、そして僕らはそれを必死に付いていくというような形になっているので、詳しいことはお話できないんですけれども、皆さんがあっと驚く演劇となっておりますので、ぜひ楽しみにしていてください」と、とても期待感の高まるお答えをしてくださいました。
そして鈴木福さんは、「台本を読んで、皆さんで本読みをした日からここまで本当にあっという間で。毎日楽しくて、どんな作品になるんだろうとわくわくしていたら、いつの間にか(ここまで)来てしまって。明治座ののぼり旗が立っているのを見て、本当にこの舞台に立つんだ、ここでみんなと一緒にできるんだっていうことで、すごくわくわくしています」と初参加となる地球ゴージャスを楽しんでいる様子を明かします。
日テレ「ZIP!」ファミリーである風間さんは鈴木福さんに関して「全キャストからいいところを吸収して、稽古中に変わっていく速度が抜群なんですよね。すごく大事な役を担っているんですけれども、五朗さんがもうちょっとこうしてほしいって言ったらその日のうちにガラッと変えてくる、次の日にはまたさらにブラッシュアップしているっていう、人の意見をすぐさま吸収できる素直さと理解力、頭の良さが素晴らしい」と共演しての印象を語りました。
『The PROM』以来の地球ゴージャスとなる保坂知寿さんは、「本当にあっという間の稽古でした。普通の舞台作りより地球ゴージャスの稽古はいつも長めなんですけれど、それでもあっという間で。オリジナル作品を作り上げる情熱、みんなの思いがすごくこの早さを感じさせてくれたのかなと思います。カンパニーみんなすごいエネルギーでこの舞台に立っているので、それが少しでも皆様に届いたら」と想いを語ります。
作・演出を手がけた岸谷五朗さんは、「お客様の前にこの作品を発表する前の段階で、私は今とっても幸せです。今回初めてのメンバーに対しても、僕は全員の芝居を見に行って、この役者はこの役をやってももらいたいという思いがすごい強いまま、当て書きをして今回の作品が出来上がりました。それに対して、全員が私の想像を上回ってくれて、稽古場の状態から、早くも本を超えた演技にみんながどんどん出来上がってきて。今回、出会いと別れ、時、儚き光、命の儚さがテーマで、そんな中でこのメンバーに出会えたことをこの会見で今、じーんと感じています」と感慨深げにコメント。
寺脇康文さんは「見ていただければわかりますように、なんじゃこりゃ、何の芝居やねんっていう感じなんですけど。そのまんまの感じを持って劇場に来て観ていただければなと。僕も62歳になりまして、五朗ちゃんも今年9月で還暦ということで年を重ねてまいりましたが、そうなると本当につくづく思うのは、今回テーマの一つでもある時間というものが、本当に今の連続だなというのを実感していまして。時間というのはもう過去には戻れない。もう先に進むしかないし、今しかない。この今という時間を、観ていただく皆さんと一緒に共有して何か大きなエネルギーを我々から発信できたらなと思っています」と語りました。
寺脇さんが語った通り、とても印象的な衣装を身に纏ったキャストの皆さん。岸谷さんに衣装のポイントを伺ってみると、「衣装プランもずいぶん何回も変えました。1人だけ役名がわかる人がいますけれども…」と風間さんの衣装を見やり、風間さんは「もしかしたら人の生きる道の仁義かもしれません!」と取り繕うも、「名前です」とバッサリ。
これには風間さんも「あんなにみんな役名隠してたのになんで俺だけ言っちゃうんですか!」と突っ込みます。思わぬ新情報が明かされつつも、「作品を見ていただけるといろんなことがわかる衣装になっています」と語ってくださった岸谷さんでした。
最後に寺脇さんから「地球では戦争が大きく、日本でも地震があったりして苦しんでいる方々がたくさんいると思います。地球のことを考えている人たち一丸となって、何かエネルギーの発端なれば。何かのエネルギーが生まれればいいなと思いながら、頑張っていきたいと思います」と意気込みを。
岸谷さんからも「料理人なら料理を作れる、そして幸せを与えられる。お家を作れる人ならすぐ仮設住宅を作って、被災地で活躍することができる。我々俳優には何ができるんだろう、何もできないじゃないかと落ち込んだ時期がありました。阪神淡路大震災でした。そのときにふと、我々唯一できることは、人々の心に栄養を与えること、地球の人々の心をゴージャスにすることなんじゃないかということで、地球ゴージャスという名前をつけました。本当に微力ではありますが、来てくださるお客様を幸せにすること、これに全力を尽くしております」と30周年の想いが語られ、会見が締め括られました。
地球ゴージャス三十周年記念公演『儚き光のラプソディ』は4月28日(日)から5月26日(日)まで明治座、5月31日(金)から6月9日(日)までSkyシアターM B Sで上演が行われます。東京公演では全日程、当日券が販売されます。公式HPはこちら
中川大志さんが「福くんは毎週「ZIP!」が終わった後に稽古に来ていて…」と言うと、すかさず風間さんが「俺もだよ!!!」とツッコミ。カンパニーの和やかな雰囲気が伝わる一幕でした。