7月7日に福岡・博多座公演で幕を開ける、劇団☆新感線44周年記念興行・夏秋公演『バサラオ』。主演の生田斗真さんを軸に、乱世で裏切りの物語が展開されます。生田さんはすでに4度劇団☆新感線の公演の興行に出演してきました。過去の公演で見せた存在感と、生田さんの「生誕39周年記念公演」とも銘打っている『バサラオ』のみどころは?

劇団☆新感線初出演は17歳。実はコミカルな役ばかり?

『バサラオ』の制作発表で「美しさを武器に世界制服を狙う、とんでもない役です」と語った生田さん。脚本の中島かずきさんからも「美貌」を絶賛された今作では、南北朝時代をモチーフにした「ヒノモト」の国で、女たちを侍らせるヒュウガとして出演。中村倫也さんのカイリとともに、倒幕と天下取りを狙います。久しぶりにダークなトーンの作品になるという『バサラオ』の中で、ヒュウガの美貌が光りそうです。

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生田さんが初めて劇団☆新感線の舞台に出演したのは2002年の『スサノオ~神の剣の物語』で。まだ17歳の高校生の時。2006年に『Cat in the Red Boots』で2度目の出演で舞台初主演の機会をつかみます。『長靴をはいた猫』をモチーフにした、コミカルだけどハートウォーミングな舞台で、生田さんの青年トーマは、魔法の赤い靴を履いた猫のノラ(松本まりかさん)に振り回されながら、勇気や愛情、本当の自分を見つめ直していました。

3度目の出演は2016年の『Vamp Bamboo burn〜ヴァン・バン・バーン〜』でした。今度は平安時代から現代まで1000年生き続ける、色男のヴァンパイアとして主演します。平安貴族の美青年からビジュアル系のロックミュージシャンまで、多彩な役でそのイケメンぶりを見せつけていました。

生田さんの4度目の出演になる2019年から20年にかけて上演の『偽義経冥界歌』では源義経に。史実の源義経と奥州藤原氏の歴史をモチーフにした物語で、実は生田さんの義経は本物の牛若丸に代わって源九郎義経になりすましてしまうキャラクターですが、ちょっとドジで抜けた“義経”として動乱を生き抜いていきます。合戦シーンでは走り、跳んで躍動し、英雄としての源義経のイメージを打ち破る、コミカルで愛嬌ある義経で印象を残しました。

洋物も和物も経験してきた生田さんですが、劇団☆新感線での過去の出演作はどちらかといえば笑いにあふれた作品で、抜けたところもあるチャラチャラとした役を演じてきました。『バサラオ』でのヒュウガは一転、美貌を武器に悪を極めるキャラクターで、ダークヒーローとしての生田さんが存分に堪能できそうです。アイドル俳優から大人の色気を発揮するまでになった39歳の生田さんが放つ「悪の華」に注目です。

『バサラオ』は7月7日から8月2日まで博多座、12日から9月26日まで明治座、10月5日から17日までフェスティバルホールで上演されます。全公演ののべ動員数は15万人になるという話題作、詳しくは公式HPをチェックしてください。

裏切りが相次ぎ、シリアスな展開になるという乱世の劇『バサラオ』。生田さんのワルい魅力に注目です!