KAAT神奈川芸術劇場の夏の恒例企画、KAATキッズ・プログラムにて舞台『らんぼうものめ』が上演されます。子どもと大人が楽しめる本作は、劇団た組主宰の加藤拓也さんが書き下ろし、演出を手掛けることでも話題。今年の夏休みは、KAATでちょっぴり怖くて不思議な神さまの世界を冒険してみませんか?

異彩を放つ加藤拓也が書き下ろした初の子ども向け作品

KAATキッズ・プログラムは、子どもも大人も楽しめる夏休み恒例の舞台プログラム。2011年から始まり、これまでも舞台芸術の最先端を行くアーティストの作品や良質な海外作品の招待公演を行ってきました。

今年上演される2作品のうち、1作目は言葉を使わないノンバーバルパフォーマンス『ペック』fomスコットランド、そして2作品目が、今回ご紹介する『らんぼうものめ』です。

 脚本と演出は、劇団た組を立ち上げ、今年の秋にはロンドンのチャリングクロス劇場でオリジナル作品『One Small Step』の上演が決定している演出家・劇作家の加藤拓也さん。加藤拓也さんといえば2017年の『壁蝨』で歴史ある三越劇場にて史上最年少の作・演出家を務め、2022年に『もはやしずか』と『ザ・ ウェルキン』で第30回読売演劇大賞優秀演出家賞、2023年に『ドードーが落下する』で第67回岸田国士戯曲賞を受賞した次世代の演劇界を牽引する存在です。

ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』や日仏合作映画『ほつれる』など映像作品の脚本でも話題を呼ぶ加藤さんですが、子どもをターゲットにした作品を作るのは今回が初めてとなります。

主人公の薫平は、両親に連れられて都会から田舎へ引っ越してきたちょっぴり乱暴な8歳の男の子。1人で散歩していると不思議な神さまたちが現れ、母親の由梨が連れ去られてしまいます。

由梨の声を追いかけて井戸に入った薫平は、神さまたちのお祭りが開かれている不思議な世界に迷い込んでしまいました。

薫平は、由梨を取り戻すために太陽の神さまがいる神社を目指すことに。無事に由梨を救い出せるのでしょうか・・・?

主人公の少年は鞘師里保!個性豊かなキャストが紡ぐ奇想天外な世界

薫平と個性的な神さまたちの奇想天外な物語を演じるのは、魅力的な俳優陣。主人公の薫平は、元モーニング娘。のメンバーで現在は舞台やドラマで活躍し、今年1月に『推しを召し上がれ~広報ガールのまろやかな日々~』で地上波連ドラ初主演を果たした鞘師里保さんが演じます。

らんぼうものの少年を20代女性の鞘師さんが演じるという、加藤さんならではの秀逸なキャスティング。演劇らしいフィクション性がありつつ、観客を引き付ける鞘師さんの豊かな表現力に子どもたちもきっと想像力を掻き立てられることでしょう。

薫平の母親の由梨役は安藤聖さん、父親の孝也役は金子岳憲さん。薫平が出会う日本の神さまたちを演じる近藤隼さん、秋元龍太朗さん、中山求一郎さんは、あっと驚くようなビジュアルにも注目したいところです。

守屋の分身と薫平の友達・要の2役を演じるのは、ダンサーの高田静流さん。加藤拓也作品ではお馴染みのメンバー、KAAT上演作品に出演経験のあるメンバーが揃っていて、た組ファンや演劇ファンの大人たちにとっても目が離せません!

KAATキッズ・プログラム2024『らんぼうものめ』は、2024年7月20日(土)から28日(日)までKAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>にて上演。4歳以上から鑑賞可能(おすすめの年齢は6歳から)で、客席前方には子ども優先エリアが設けられます。全ての公演において耳の聞こえない方・聞こえにくい方のきこえを補助するヒアリングループが設置され、7月27日(土)と28日(日)の公演では事前申し込みによる字幕タブレットの貸し出しも実施予定です。

KAATでの公演を終えると、8月4日(日)には福島県いわき市、8月17日(土)と18日(日)には長野県松本市でも上演。公演の詳細は、作品公式HPよりご覧いただけます。

さきこ

フィクションの中にどこか身近に感じさせる言葉のやり取りや演出が光る作品を作り出す加藤拓也さん作のキッズ向けプログラムは、大人でも気になりますね! KAATでは全公演の終了後に事前申し込み不要のバックステージツアーも開催予定。子どもも大人も一緒になって演劇に触れる良い機会です。