みなさんには憧れの存在はいますか?身近な人、遠い存在、マンガやアニメのキャラクター……様々な憧れの対象がありますよね。これからご紹介する作品の主人公にも、憧れの存在がいます。それは、アメリカを代表するアイコンの一つ「アメリカン・コミック」に登場するスーパーヒーロー達です。今回は、そんなスーパーヒーローに憧れながら夢を追いかける青年を描いた、オリジナルミュージカル『ヒーロー』をご紹介します。
スーパーヒーローは自分の中に?
ミュージカル『ヒーロー』は、脚本をアーロン・ティーレンさん、作曲・作詞をマイケル・マーラーさんが手掛けるオリジナルミュージカル。このお2人は、アメリカと日本で大好評を得たミュージカル『Octoeber Sky』も手掛けた、いま大注目の名コンビです。また、気鋭の演出家として大活躍中の上田一豪さんが、翻訳・訳詞・演出を担当します。
この作品のあらすじはこちらです。
漫画家志望のヒーロー・バトウスキーは父親と二人暮らし。ウィスコンシン州のミルウォーキーにある実家のコミックショップで働いている。高校卒業時のあることがきっかけで心が折れたヒーローは、前に進むことができなくなっていた。
ある日、高校時代のガールフレンド・ジェーンが街に戻ってくる。お互いの気持ちのすれ違いから別れたが、10年ぶりに再会した2人は当時の誤解を解き再び仲を深めていく。さらには、勇気を出して出版社に送っていた自作の漫画に契約の話が舞い込んで来て、順風満帆の幸せな日々を送っていたヒーロー。だがある日、彼が幸せを掴もうとすると不幸な出来事が起きてしまう。再びヒーローはヒーロー人生を諦めようと決意し―
過去にトラウマを持ちながらアメコミ漫画家を目指す主人公には、憧れのスーパーヒーロー達のような並外れたパワーはない。でも、家族や仲間達との別れや交流を通じて、自分の中にこそスーパーヒーローがいることに気づいていく。そんな心温まるオリジナルミュージカルとなっています。
有澤樟太郎さんが演じる新たなヒーロー像
今回、主人公・ヒーローを演じるのは有澤樟太郎(ありさわしょうたろう)さん。これまでに、大人気作品を舞台化したミュージカル『ハイキュー!!』『刀剣乱舞』『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』や、『GREASE』『ジャージー・ボーイズ』『のだめカンタービレ』といった数々の話題作に出演し、大きな注目を集めてきました。
そんな有澤さんは、シアタークリエにおける日本初演ミュージカルの主演を務めるのは初。上演に向けて、次のようにコメントされています。
「まず、日本初演のミュージカルをやらせていただける喜びを噛み締めております。責任とプレッシャーを感じつつ、しっかりと作品に向き合って参りたいと思っています。
今回、このお話をいただいた時“ヒーロー”というワードに惹かれました。僕も幼い頃からヒーローに憧れてヒーローに救われた1人。とても運命を感じました。
家族、恋人、友人だれもが身近に感じられるテーマを持った心温まるミュージカル作品にしていきたいと思っています。
信頼する演出の上田一豪さんの下、こだわりをもってヒーロー役を演じていきたいです。今から稽古が楽しみで仕方ありません。まだ公演は先ですが、ぜひ劇場に温まりにお越しください」
奇跡はすぐそこにある?
ミュージカル『ヒーロー』には、有澤さん以外にも注目キャストが勢揃いしています。
高校時代のガールフレンド・ジェーンを演じるのは、山下リオさんと青山なぎささん(Wキャスト)。ヒーローの従兄弟かつ親友であるカークは、古屋敬多さん・寺西拓人さん(Wキャスト)が演じます。他にも、宮澤佐江さん、吉田⽇向さん・木村来士さん(Wキャスト)、佐藤正宏さんが登場します。
筆者が特に注目しているのは寺西拓人さん。堂本光一さんが主演を務めるミュージカル『SHOCK』シリーズや『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?』、劇団☆新感線『ミナト町純情オセロ〜月がとっても慕情篇〜』などの話題作にコンスタントに主演している、これからがとても楽しみな俳優の一人です。
作品の公式ポスターに記された「奇跡はすぐそこにある」という一文。ヒーローに運命を感じている有澤さんを座長に、どんな結末が描き出されるのでしょうか?
ミュージカル『ヒーロー』は、2025年2月6日(木)から3月2日(日)まで、日比谷のシアタークリエで上演されます。2月12日(水)13時開演回、18日(火)13時開演回、21日(金)13時開演回には、終演後にキャストによるトークショーも開催されます。詳細は公式サイトをご確認ください。
制作陣もキャスト陣も目が離せない注目作。誰か・何かに憧れた経験のある人なら、きっと心に響くはず。どんな奇跡が主人公を待ち受けているのか、劇場で確かめてみませんか?