2018年の旗揚げ以来、精力的に活動しているサルメカンパニーが初のプロデュース公演に挑みます。テーマは独裁者アドルフ・ヒトラーが率いた「ナチス・ドイツ」。どんな作品が私たちのもとに届けられるのでしょうか。
神に見放されし時代―――。滅びゆく男たちの疾走。
今回、テーマとして取り上げられる「ナチス・ドイツ」。アドルフ・ヒトラーが率いた国民社会主義ドイツ労働者党、通称・ナチ党は、およそ12年間独裁国家として君臨しました。人々の自由を統制し、ユダヤ人など一部の人種の人々を大量虐殺するなど差別的な政治を行う一方、言葉巧みな演説によって人々を熱狂させ国家を作り上げたヒトラー。今作品は、そんなヒトラーに心酔し支えてきた側近たちの姿を描きます。
〈あらすじ〉
1945年10月。第二次大戦後、元ナチ党副総裁ルドルフ・ヘスが、戦争犯罪人として尋問を受けている。ヘスの独白と回想により、様々な時代の側近たちが舞台に浮かび上がる。
1923年、ミュンヘン一揆のクーデター。
1934年、様々な裏切りが交錯する長い刃の夜。
1945年、ヒトラー最期の誕生日からベルリン陥落までの12日間。
時代の分岐にスポットを当てながら、第一次大戦後から第二次大戦後にかけて、アドルフ・ヒトラーの台頭からナチス・ドイツが滅びるまでの側近たちの人生を描く。
人類史上、最も恐れられた「戦争犯罪集団」ナチス・ドイツ、人はなぜ愚かな行為に突き進んでしまうのか、戦後80年の今、鋭く問いかける。
ヒトラーの演説を聞いて入党後、激動の人生を送ったルドルフ・ヘスを演じる國島直希さんは、「人間としての喜怒哀楽や苦悩、葛藤はそこにあり、重くなるだけでは終わらせない、お客様に考えてもらえるような意義ある作品にしたいです」とコメントしており、この作品に対する覚悟を感じます。
戦後80年という大きな節目を迎える今年、ウクライナやイスラエルの情勢が連日のように報じられ、不安を抱えざるを得ないこの時代に、「人類はなぜ愚かな戦争をとめられないのか?」について訴えかけてくれることでしょう。
サルメカンパニー 初のプロデュース公演!
今回初めてのプロデュース公演に挑むサルメカンパニー。2018年に旗揚げして以来、主催公演を継続的に行ってきました。また、2019年日本演出者協会主催の若手演出家コンクールでは次点(第5位)、2023年5月には旗揚げ5年で東京芸術劇場シアターウエストにて上演を行うなど、着実に評価されてきている劇団です。
劇団の主宰であり、今作では作・演出そして出演もする石川湖太朗さんは、「僕にとって初のプロデュース公演ということで不安もありますが、そんな不安を払拭してくれるような心強い客と・スタッフが集結しました。サルメカンパニーの公演とはまた一味違った重厚感のある作品になるのではないでしょうか」とコメント。劇団として新たな一面を見せてくれるのではないかと、とても楽しみです。また、サルメカンパニーのメンバーの他にも9人の俳優たちが集結し、総勢14人の俳優陣がこの作品を作り上げます。
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サルメカンパニー&クリオネプロデュース『12人のヒトラーの側近』は、4月12日(土)〜15日(火)まで東京・吉祥寺シアターにて上演されます。全8回の貴重な公演となりますので、お見逃しなく!詳しくは公式HPをご覧ください。

今年は戦後80年の節目ということもあり、この作品をはじめ戦争というものを考えさせてくれる作品にたくさん出会わせてくれるのかなと思っています。また、ヒトラーの側近たちを描いたドキュメンタリードラマや本もあるので、観劇前に見たり読んだりするのも良いかもしれませんね!