SPAC-静岡県舞台芸術センター(通称:スパック)をご存じでしょうか。SPACは全国でも珍しい演劇専門劇場であり、その劇場を拠点に活動する劇団の名前にもなっています。劇場での公演以外にも新しい企画や取り組みをするSPACの魅力について紹介します。写真: (c)Eiji Nakao

01 制作から上演までが完結する場所

東静岡駅隣接の静岡コンベンションアーツセンター・グランシップ内にあるSPACの活動拠点の一つ、静岡芸術劇場。劇場と稽古場、制作の場所が全てひとつになった、演劇のための施設です。SPACは「Shizuoka Performing Arts Center」の略で、1995年に日本初の公益文化事業集団として設立されました。1997年に演出家の鈴木忠志さんが初代芸術総監督として活動を始め、2007年から現在は宮城聰さんが芸術総監督を務めています。

02 中高生を演劇鑑賞に招待

SPACが力を入れているのは作品の上演や劇団員の育成だけではありません。静岡の中高生を演劇鑑賞に招待し、演劇に触れてもらう機会を作っています。高校演劇部にレクチャー動画を提供する「SPAC1日演劇学校」や、教材としても使える教科書朗読のYouTube動画の公開など、さまざまな形で演劇を提供。SPACはこの静岡から世界へ演劇を発信する活動そのものが注目・評価され、2018年にはグッドデザイン賞を受賞しています。

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03 渋谷から2,000円で行ける観劇バス

SPACが拠点としている静岡芸術劇場の秋シーズンでは、「観劇バス」という嬉しいサービスがあります。これは観劇予定の作品に合わせて静岡東部・西部、また東京からの直行バスで送迎してくれるというもの。東京の場合は、渋谷から往復2,000円で乗車が可能です。乗車している人はみんな同じ作品を観に行くので、車内でも楽しい時間が過ごせるのではないでしょうか。観劇する作品により締め切り日時が違い定員数に限りがあります。気になる作品のチケットが取れたら、是非予約してみてくださいね。

04 SPACの主な上演作品

SPACの上演作品は古典や名作を現代風にアレンジしたものが多く、初めて観る学生から通い詰めたファンにまで人気です。過去には宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』や芥川龍之介の『歯車』、シェイクスピアの『ハムレット』などを上演。2021年6月5日と6日にはもう一つの活動拠点、静岡県舞台芸術公園の野外劇場「有度」にて『忠臣蔵2021』が上演予定です。(写真: 多田淳之介演出『歯車』(c)青木司)

またコロナ禍により誕生した作品の中に『でんわde名作劇場』というものがあります。これは自分の家やスマホに役者から電話がかかってきて、好きな作品を10分~30分朗読してもらえるサービスです。30分以内なら雑談もでき、初回料金は無料。役者の声を電話越しに聴きながら、物語の世界観に浸れます。(2021年2月まで実施され、夏ごろから再開予定)

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かずちぃ

演劇が好きな方もSPACの名前を初めて聞いた方は多いのではないでしょうか。興味を持った方は是非劇場に足を運んでみてください。 SPAC公式サイト SPAC公式YouTube