2026年2月26日(木)から3月17日(火)まで、明治座にて『大地の子』の上演が決定しました。山崎豊子さんによる同名小説を原作に、脚本・マキノノゾミさん、演出・栗山民也さんの強力タッグが実現。井上芳雄さん、奈緒さん、上白石萌歌さん、山西惇さん、益岡徹さんら豪華キャストの出演が決定しました。
現代に問う、魂の感動巨編が舞台化
1987年から「月刊文藝春秋」にて連載され、「白い巨塔」や「沈まぬ太陽」など数々の大作を世に出してきた山崎豊子さんによる小説『大地の子』が舞台化。死線をさまよう苦難を経て、中国人教師に拾われ、中国人として育てられる戦争孤児の陸一心の波乱万丈の半生を描いた物語です。
本作の執筆に際して、山崎豊子さんは当時外国人に開放されていなかった中国の農村地区に足を運び、多くの戦争孤児から聞き取りを行うことで、物語に命を吹き込みました。
脚本を手がけるのは、小劇場から大劇場まで幅広く担うマキノノゾミさん。演出は数多の作品を世に産み出し、第50回菊田一夫演劇大賞を受賞した演出家・栗山民也さん。
主人公となる陸一心(ルー・イーシン)役は、数々の東宝ミュージカル作品での高い歌唱力と演技力で当代一の人気を誇る井上芳雄さん。
主人公の妹であるあつ子役には、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」の好演で脚光を浴び、繊細かつ丁寧な演技で、映像や舞台で高く評価される奈緒さん。
主人公の妻となる江月梅(チャン・ユエメイ)役には、第7回「東宝シンデレラ」オーディションにてグランプリに選ばれ、その後の映像での活躍はもちろん、栗山民也さんも舞台での演技を認める上白石萌歌さん。
路頭に迷う主人公を引き取る中国人教師・陸徳志(ルー・トウチ)役は、長く舞台で活躍し、昨年第31回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した山西惇さん。
そして、中国に残した家族に自責の念を抱え続ける松本耕次役には、独特の存在感が高く評価される益岡徹さんが務めます。
<あらすじ>
第二次世界大戦後、中国の大地に取り残された日本人孤児、勝男(井上芳雄)。 一緒に取り残された妹・あつ子(奈緒)と離別し、人身売買されたところを、小学校教師の陸徳志(山西惇)に助けられ、「一心」と名付けられる。
子供のいない陸夫妻は愛情をこめて育て、一心もその期待に応えるように差別を受けながらも、優秀な青年に成長していく。ただ、その背後には、文化大革命が暗い影を落とし始めていた。
一心は、戦争孤児であるという理由から、無実の罪で捕らえられ、過酷な肉体労働に従事することになり、さらには冤罪まで着させられてしまう。服役中にふとした怪我から破傷風にかかり生命の危機にさらされる一心だったが、一人の看護師に命を救われる。その女性は後に一心の妻となる江月梅(上白石萌歌)だった。
時が過ぎ、中国での高炉建設の日中共同プロジェクトに参加することになった一心は、日本企業の東洋製鉄所長の松本耕次(益岡徹)という男性と対面することになる。耕次は、一心の実の父親だった――
キャストコメントが到着

陸一心(ルー・イーシン)役:井上芳雄
原作本も繰り返し読み、ドラマも拝見していたので、最初お話を伺った時は、「こんな名作の舞台化に関われるなんて!」と夢のようで本当にびっくりしました。演劇として、過去の歴史を自分たちのこととして現代のお客様に伝えることができる作品なのでプレッシャーはありますが、栗山さんはじめスタッフ・キャストの皆さんと丁寧に作り上げていきたいと決意を固めています。
人間の可能性、思い、愛情の強さとその奇跡を描いている物語です。是非たくさんのお客様に観ていただいて、共有できますように。全力で お届けします!

あつ子役:奈緒
舞台「恭しき娼婦」で栗山さんと出会い、目まぐるしく価値観が変化したあの日々を思い出します。
生きていれば私たちは、いつか不条理と出会うでしょう。それでも皆と生きてみたい。
「大地の子」では、どんな心や音を見つけられるのか、きっとまだ出会ったことのない景色を、カンパニーの皆さん、お客様と見られる日を心から楽しみにしております。

江月梅(チャン・ユエメイ)役:上白石萌歌
江月梅役を演じさせていただきます、上白石萌歌です。
栗山民也さんとは二十歳の頃に『ゲルニカ』でご一緒した以来で、このように再びご縁をいただけたこと、心から幸せに思います。あのとき栗山さんから受け取った言葉、役を通して身体に流れた感情はまぎれもなく宝物で、時間が経った今でもわたしの中に大切に刻まれています。
今回の『大地の子』という大きな旅ではどのような出会いが待ち受けているのか、今から楽しみでなりません。
原作や脚本を読み進めるなかで、残酷な運命に翻弄されながらも強く生き抜いてゆく一心たちのひたむきさに胸が締め付けられます。わたしが演じる江月梅は、一心の心のともしびとなるような存在。この作品を通して伝えるべきことを考え、湧き上がる感情のひとつひとつをたしかに咀嚼しながら臨みたいです。 ぜひ劇場に足を運んでください!

陸徳志(ルー・トウチ)役:山西惇
舞台「大地の子」で陸徳志を演じます、山西惇です。日本と中国の戦後40年を描いたこの壮大な物語が、戦後80年を経て舞台で上演される意義を強く感じています。綿密で膨大な取材活動を基に執筆された山崎豊子さんの原作を読み返して、誠に身が引き締まる思いでいます。敬愛する栗山民也さんの演出、素晴らしい共演者の皆さんを頼りに、この、愛の塊、の様な大きなお父さんに、少しでも近づけるよう、稽古に励みたいと思います。

松本耕次役:益岡徹
1995年、岡崎栄さん演出の日中合作ドラマを、心震わせ、観ていました。日中の役者の皆さんも素晴しく何度も涙したものです。その山崎豊子さんの大作「大地の子」を舞台でお客様にご覧いただくことになりました。演出の栗山さん、上演台本マキノさんはじめ、スタッフの皆さんと、井上さん、奈緒さん、上白石さん、山西さんをはじめキャストの皆さんが、総力をあげて、作り上げていく、そこに参加出来ることに、気持ちが引き締まる思いです。
さらに、私が演じる松本耕次を、合作ドラマでは、師匠である仲代さんが演じてられました。あらためて気を引き締め、挑戦したいと思います。
『大地の子』は2026年2月26日(木)から3月17日(火)まで明治座にて上演されます。公式HPはこちら