舞台『あたらしいエクスプロージョン』は、混沌と情熱が入り交じる時代に、夢を追いかける若者たちを描きます。第62回岸田國士戯曲賞を受賞した福原充則さんの脚本を、演劇ユニット「あやめ十八番」の堀越涼さんが新たに演出。映画と人間、挑戦する心を描いた物語が、劇場で新しい命を吹き込まれます。

第62回岸田國士戯曲賞受賞作をリメイク上演

CoRich舞台芸術!プロデュース【名作リメイク】では、小劇場系カンパニーの名作戯曲を、新しいスタッフとキャストで上演します。第2弾として『あたらしいエクスプロージョン』が選ばれました。

福原充則さんが脚本を手掛けた『あたらしいエクスプロージョン』は、終戦直後の日本で、カメラもフィルムも満足に手に入らないなか、「邦画史上初のキスシーン」を撮ろうと奮闘する映画人たちを描いた物語です。

敗戦の傷がまだ癒えない社会で、彼らは新しい表現を求めてもがき、時にぶつかり合いながら、未来を切り拓こうとします。緻密な構成と巧みなセリフで、時代の熱と人の不器用さをユーモラスに描き出した本作は、観客を「感情の爆発」で揺さぶることでしょう。

また、リメイク版『あたらしいエクスプロージョン』の演出を、演劇ユニット「あやめ十八番」の堀越涼さんが担当します。

堀越さんといえば「擬古典」!歌舞伎、能、浄瑠璃など、古典芸能のエッセンスを作品に取り入れ、日本ならではの文化・風習・宗教観などをテーマにしてきました。本作でどんな世界観を立ち上げるか、イメージが膨らみますね。

キャストと作品が相乗効果を生み出す

鈴木裕樹さん、浜崎香帆さん、金子侑加さん、段隆作さん、秋本雄基さん、猪俣三四郎さんがキャスティングされています。

鈴木さんは、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』(2007年)でテレビドラマ初主演を果たし、ドラマ『家売るオンナ』、舞台『歌舞伎町シャーロック』、MANKAI STAGE『A3!』ACT3! 2025などに出演してきました。安定した演技力と確かな存在感で、観客を魅了し続ける俳優です。岩手県北上市出身で「北上しらゆり大使」を務め、地元愛にあふれた人物でもあります。

浜崎さんは、「新生東京パフォーマンスドール」の経験も活かした、見る人を惹きつける演技が強みです。ミュージカル『リューン ~風の魔法と滅びの剣~』(2018年)でヒロインを演じ、近年はミュージカル『町田くんの世界』(2024年)や『アニー』(2025年)などに出演しています。

金子さんは「あやめ十八番」に所属し、俳優とプロデューサーを兼任。世田谷シルク『赤い鳥のいる風景』『コウノトリの温泉巡り』、劇団競泳水着『弄ばれて』などにも出演し、CoRich舞台芸術祭俳優賞やサンモールスタジオ年間最優秀主演女優賞なども受賞しています。どんな役柄にも真摯に向き合い、キャラクターの人生を生き抜く姿勢が評価されています。

段さんは、個性的なキャラクターや、一筋縄ではいかない複雑な人物を得意とする俳優。天幕劇場 深海洋燈テント公演『燈のあたらない川に流れるペンギン』、田んぼのシャーマン『中川と村上とギンガテツドウノヨル』など、ジャンルを問わず小劇場作品に参加しています。2025年1月のserial number『Yes Means Yes』にはオーディションを勝ち抜いて参加し、メンバー最年少ながら難役に挑戦しました。

秋本さんは劇団「アナログスイッチ」メンバーで、全公演に出演し、主役から脇役まで多様な役柄をこなしています。客演や映像作品でも活躍中です。2018年、perrot『今日は砂糖の雨が降るから』で、佐藤佐吉2017優秀主演男優賞を受賞しました。心に深く響く繊細な演技と、役柄との誠実な向き合い方が魅力です。

猪俣さんは「NYLON100℃」に所属しつつ、老舗・若手問わず幅広い劇団に客演し、映画・ドラマ・洋画吹替などでも活動しています。近年、CATプロデュースミュージカル『(愛おしき)ボクの時代』(2019年)、NYLON100℃『江戸時代の思い出』(2024年)などに主演し、ユーモラスからシリアスまで幅広い役柄を自在に演じ分けてきました。

実力と個性を兼ね備えた俳優陣が、本作とどんな相乗効果を生み出すのか、期待が高まります!舞台『あたらしいエクスプロージョン』は、2025年11月28日(金)から12月2日(火)まで、新宿シアタートップスで上演されます。詳しい情報は公式サイトをご覧ください。

さよ

戦後の混乱下、それでも映画を撮ろうとした若者たちの姿に、希望の原点を感じます。何かをつくること、誰かと力を合わせること、そのすべてが小さな「感情の爆発」なのかもしれません。ぜひ劇場で情熱を受け取ってくださいね。