前回安田章大さん×古田新太さん×青木豪さんが初タッグを組んだ音楽劇『マニアック』がカオスな世界観で観客をザワザワさせてから7年…。ついに最強トリオが帰ってきます。今回はブラックな笑いを散りばめた“不条理犯罪ファンタジー音楽劇”。一体今回はどんな物語になっているのでしょうか…?

バブリーな楽曲にあわせ、ブラックな笑いが巻き起こる“不条理犯罪ファンタジー音楽劇”

近年、歌舞伎の新作書き下ろし、直近は劇団四季『恋におちたシェイクスピア』の演出、劇団☆新感線の脚本等、引き続き多岐にわたり活躍されている青木豪さん。

青木さんが初めて、パルコ・プロデュース公演で作・演出を手掛け、安田章大さんと古田新太さんが舞台初共演された音楽劇『マニアック』はなかなかにブラック、かつ危なっかしい笑いが満載の痛快青春暴走音楽劇でした。

筆者も実は『マニアック』を観に行っていましたが、当時「!!??」となったのを覚えています(もちろん良い意味です)。かなり攻めており、展開もかなりぶっ飛んでいてシュールな世界観のうちに幕を閉じた記憶です。

その後も別の舞台等を観てきましたが、あの雰囲気は他にはなかったので、7年ぶりに帰ってくると思うと少しゾクゾクしてきます(もちろん良い意味です)。

<あらすじ>
森田林探偵事務所では、私立探偵の森田林深志(安田章大)が、姉の緑(山崎静代)と家庭の問題について話をしている。
母が亡くなったのだが、残った家をどうするかの話をしようとした矢先、お客が訪ねてくる。
依頼人がやってきたのだ。依頼人は二人、開業医の鶏野村誠也(古田新太)と娘のマリア(川島海荷)だ。
主に父親の誠也が話し、マリアは言いたいことを父親に耳打ちするという奇妙な親子だが、依頼内容を聞いてみると、自分たちが今組んでいるバンドに参加してほしい男がいるのだが、その男を探してほしいというもの。
その男の名前は、夢園ドリオ(小松利昌)。AV男優で薬剤師らしい。その男の写真を見たフカシは知っている男だとすぐに気づき、マジシャンの長稲仁成(村木仁)にドリオの行方を尋ねる。
その頃、鶏野村医院では誠也が妻の令美(高岡早紀)に鞭打たれている。どこか気持ちよさそうな誠也。そして二人をしかりつけるマリア。どうも鶏野村医院の親子は普通の親子関係ではないらしい。聞こえてくる意味深な言葉の数々、ドリオを探している真の目的とはいったい・・・。
フカシと緑はドリオを探し出せるのか、そして同時に行方不明の父親(南誉士広)を探し出し、相続問題に決着がつくのか・・・!? 

今回、青木さんが書き下ろしのもと、安田さんと古田さんが挑むのは、ブラックな笑いを散りばめた“不条理犯罪ファンタジー音楽劇”。仕掛けられた罠と残虐な犯罪が交錯する、予測不能な物語が展開されるとのこと…!登場人物は、私立探偵とその姉、怪しげな美容整形外科医と一見セレブ風なその妻と癖ありげな娘、AV男優兼薬剤師、マジシャン、そして失踪した男と、これだけでも癖が凄いです。そして今回の音楽監修は、数々の大型フェスにも出演、80年代末~90年代初頭のバブル文化をリスペクトし、“日本に再びバブルを起こす”ために完全セルフプロデュースで活動されている、地下セクシーアイドルユニット「ベッド・イン」の益子寺かおりさんと中尊寺まいさんが手掛けます!

安田章大×古田新太×青木豪の最強トリオ+豪華キャスト陣で送る狂気の青木ワールド

物語の主人公で私立探偵の森田林深志を演じるのは安田章大さん。(ちなみに2024年にも、PARCO劇場で安田さんが主演された舞台『あのよこのよ』で、青木さんが作・演出を手掛けられていました。)

探偵事務所にやってくる奇妙な依頼人で美容整形医師の鶏野村誠也に古田新太さん。青木さんと「感じ悪いミュージカルをやりたいね」という話から始まったとのことで、個人的には楽しみなのですが、古田さんもおっしゃっている通り、劇場で一緒にふざけられる舞台になること必須です。

誠也の妻・令美に高岡早紀さん。誠也が溺愛する娘・マリアに川島海荷さん。深志の姉・緑には、前回『マニアック』にも出演されていた山崎静代さん。鶏野村親子が探しているという、AV男優兼薬剤師の夢園杜莉雄には小松利昌さん。マジシャンの長稲仁政に村木仁さん。フカシと緑を残し失踪した父親・森田林一則に南誉士広さんと、豪華なキャスト陣が狂気の青木ワールド余すことなく魅せてくれます。

<青木豪コメント>
古田さんと作った前回「マニアック」は「豪ちゃん、絶対怒られそうな芝居やらない?」がお誘いの言葉だった。今回は「面白がっちゃいけないことを面白いミュージカルにしない?」的な言葉で誘われた。つまり「露悪」である。「露悪の果て」を作ろうと思う。ご一緒に面白がっていただけたら幸いです。

<安田章大コメント>
いろいろな安全面を考慮してあまり挑戦的なことがしづらいご時世になってきた令和でございますが、日本語でいう前衛、アバンギャルドな舞台になっています(笑)。すごくドキドキするものをよりエンタメ化させ届けられるのが、古田新太×青木豪ですので、想像を超える作品になると思います。
アブノーマルを超えて、アブアブノーマルみたいなキャラクターの集合体がこの『ポルノスター』という作品だと思いますので、腕が鳴る役者さんたちを目の前で見れることが楽しみです。そして前回共演させていただいたあの方と姉弟役をやれることが幸せです。
軽快な音楽が言葉をオブラートに包んで(笑)、毒々しさや痛快さ、日ごろの鬱憤を晴らしてくれる、そんな舞台に仕上がると今から確信しています。ぜひ劇場に来て、笑うなり、目をつむるなり、隣の人と気まずくなるなり、劇場にしかない空間と匂いを味わいに来て下さったら幸いです。

<古田新太コメント>
この作品は変態・青木豪と「感じ悪いミュージカルをやりたいね」という話から、「じゃーパルコさんに迷惑かけようか」という流れで企画が成り立ちました。豪ちゃんは他のところではかなり遠慮していい話を書いていますが、基本的には変態なので、オイラと組むときはその部分を遺憾なく発揮していただきたいと思っています。
ヤスは「豪さんと古田さんが組むんだったらぜひ参加したい」と内容も聞かずに言ってくれましたから、よっぽど『マニアック』が楽しかったんでしょう。なるべくならば、SUPER EIGHTのファンの女の子たちがお母さんと観に来て、下を向くような作品にしたいと思います。
基本的には楽しいお芝居にするつもりです。皆んなでゲラゲラ笑って、音楽にのって歌ったり踊ったりしながら、最終的には「感じ悪いなー」と言って帰ってほしいですね。イヤな感じにはする予定です!ぜひ皆んなで劇場でふざけましょう。

まずは2026年3月8日(日)~3月16日(月)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。その後、3月28日(土)~4月12日(日)に東京・新国立劇場・中劇場、4月18日(土)〜19日(日)に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて上演されます!公式HPはこちら

おむ

今回も挑戦的な舞台になると感じておりますが笑 安田さんのコメントにもある通り、軽快な音楽が言葉を包んでくださるそうなので、劇場で独特の世界観を味わいに行きたいですね!