ヨーロッパ企画の第44回公演となる新作『インターネ島エクスプローラー』が、2025年12月から2026年3月にかけて東京をはじめ全国14都市で上演されます。
京都発のコメディ劇団による新作公演
ヨーロッパ企画は1998年に同志社大学の演劇サークルで結成されて以来、京都を拠点に活動する劇団です。SFやファンタジーといった非日常的な設定や珍しい仕掛けを取り入れた“企画性コメディ”が持ち味。年に1度の劇団本公演では、積極的に国内ツアーを展開しています。その一方で演劇の枠にとらわれず、映画からテレビ番組、アニメ、ラジオに至るまで、幅広いコンテンツの企画制作にも注力。2020年にはヨーロッパ企画オリジナルの長編映画第1弾となる『ドロステのはてで僕ら』が海外映画祭で高く評価されました。続く2023年に公開された長編映画の第2弾『リバー、流れないでよ』で、日本映画批評家大賞の脚本賞に輝いたことも大きな話題に。さらに、劇団に所属するメンバー一人ひとりが多様な形でクリエイティブな才能を発揮しています。
そんなヨーロッパ企画を率いるのが、劇作家・演出家・脚本家の上田誠さんです。ヨーロッパ企画の本公演すべての脚本・演出を担当し、2016年に初演された舞台『来てけつかるべき新世界』で第61回岸田國士戯曲賞を受賞。また、外部の舞台や映画、テレビドラマの脚本に加え、番組の企画構成も手掛けています。脚本を務めた外部作品の中では、2010年のテレビアニメ『四畳半神話大系』が第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を、2017年のアニメ映画『夜は短し歩けよ乙女』が日本アカデミー賞最優秀アニメーション賞を獲得しました。
そして今回、上田さんの作・演出による『インターネ島エクスプローラー』が第44回公演として2025年12月より開幕します。
<作・演出:上田誠さんコメント>
冒険というものが世界から失われて久しくなりました。ここでいう冒険は言葉通りの冒険です。未踏のジャングル、天をつく絶峰、到達不能な極地。かつては冒険家たちをたぎらせたこれらの舞台も、今はすっかりシステムの中です。地表はGPSに覆われ、ネットワークがゆきわたり、地理的空白は埋められ、指先ふたつで世界のどこへでも分け入れるようになりました。南海に浮かぶ地図にない孤島。ある気象条件でないと開かないポータル。ありえない植生。破格の古代遺跡。隠された秘宝。とりあい。世界が滅ぶいいつたえ。そんなものは地上のどこにもないのです。だから絶対に×印のところへ行くなよ。屋根裏から出てきた祖父の日記にはそう書かれていた。隣のページには手描きの海図が。冒険のはじまりだ。
実力派キャストで全国14都市ツアーへ!
新作舞台の『インターネ島エクスプローラー』は、未知なる島を舞台に癖の強いキャラクターたちが繰り広げる冒険譚です。キャストにはヨーロッパ企画の団員に加え、劇団本公演への参加は初となる俳優2名が名を連ねます。
“冒険”に対するこだわりが強い冒険家・ハタノ役で主演するのは、金丸慎太郎さん。これまでロロや範宙遊泳といった劇団の作品に出演し、過去には劇団の主宰や映像作品の脚本・監督も経験しました。ヨーロッパ企画との関わりは、2014年の第33回公演『ビルのゲーツ』に客演として出演したのが始まりです。以降ほぼ毎公演で客演を務め、ついに2024年末に入団。本作が記念すべき初めての本公演とあって見逃せません。
また、藤谷理子さんが祖父から聞いた伝承を頼りにインターネ島にやって来た冒険家を演じます。藤谷さんは2016年の第35回公演『来てけつかるべき新世界』で主演を果たし、本公演や舞台・映像作品への出演を経て2021年に入団しました。主演映画『リバー、流れないでよ』での好演も記憶に新しく、“冒険”がテーマの本作にどう挑むのか楽しみです。
さらに、上田さんとともにヨーロッパ企画を旗揚げし、公演パンフレットの編集まで手掛ける諏訪雅さんが世界を股にかける冒険家役で登場します。
このほか、劇団からは酒井善史さん、角田貴志さん、土佐和成さん、中川晴樹さん、永野宗典さんが参加。
そして、金丸さん演じるハタノの元妻という役で呉城久美さんをゲストに迎えます。もともと京都の劇団・悪い芝居に所属して頭角を現し、東京に拠点を移してからは2016年の『べっぴんさん』、2017年の『ひよっこ』とNHK連続テレビ小説に立て続けに出演。2018年の『まんぷく』では、主人公の親友役で大きな存在感を示しました。また、ヨーロッパ企画の大歳倫弘さんが「ヨーロッパ企画 イエティ」名義で展開するプロデュース公演の中で2020年の『スーパードンキーヤング DX』や2024年の『逆張ヶ浜に夕陽が落ちる』に参加しています。
もう1人のゲストは、テレビドラマや映画での主演経験を持つ金子大地さんです。近年の出演作に、2024年の映画『ナミビアの砂漠』や『52ヘルツのクジラ』、2025年のドラマ『晩餐ブルース』など。ハタノにライバル視されているエリート冒険家役として、物語を動かすひとつの鍵となってくれるでしょう。
ヨーロッパ企画第44回公演『インターネ島エクスプローラー』は、全国14都市でのツアー公演を予定。2025年12月13日(土)の滋賀県・栗東芸術文化会館さきら 中ホールにおけるプレビュー公演を皮切りに、年内は12月18日(木)から21日(日)まで京都府・京都府立文化芸術会館、12月27日(土)に新潟県・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場にて上演されます。
その後、2026年1月7日(水)から25日(日)まで東京都・本多劇場にて上演。その後も1月28日(水)に宮城県・仙台銀行ホール イズミティ21(仙台市泉文化創造センター) 小ホール、1月31日(土)と2月1日(日)に富山県・新川文化ホール 小ホール、2月6日(金)から8日(日)まで大阪府・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、2月11日(水・祝)に広島県・JMSアステールプラザ 大ホール、2月14日(土)・15日(日)に福岡県・J:COM北九州芸術劇場 中劇場、2月18日(水)に高知県・高知県立県民文化ホール グリーンホール、2月21日(土)に神奈川県・関内ホール 大ホール、2月25日(水)に愛知県・ウインクあいち(愛知県産業労働センター)大ホール、3月1日(日)に鳥取県・エースパック未来中心(鳥取県立倉吉未来中心)大ホール、3月7日(土)に北海道・札幌市教育文化会館 大ホールに巡演します。
なお東京公演と大阪公演では、一部の回で出演者によるおまけトークショーを開催するとのこと。詳細は公式HPをご確認ください。


















