演劇やミュージカル公演などで時折耳にする「ロングラン」という言葉。長く続いている公演という意味だとわかると思いますが、正式にはどのくらいの期間からロングランとされるのでしょうか。本記事では、ロングランという言葉の意味や、期間の目安、そして日本や世界で最も長く続いている公演などを紹介します。
演劇・ミュージカルのロングランとは?どのくらい続くの?
ロングランとは、演劇やミュージカルなどの舞台作品が、長期間にわたって連続上演されることです。ニューヨークやロンドンでは、舞台作品の興行収入がその都市の基盤産業となっており、それぞれの公演に対して年単位での上演が行われるのが一般的です。
ロングランの期間の定義に関しては諸説ありますが、日本でも有数のレパートリーと公演を誇る劇団四季には、1984年にミュージカル『キャッツ』で1年間のロングランを達成した記録が残っています。
その後も、劇団四季は複数の作品で無期限のロングランを続けており、各作品の連続上演記録は更新され続けています。
世界最長のロングラン記録を持つ作品とは?
世界で最も長く上演されているのは、推理小説家アガサ・クリスティ作『ねずみとり』です。第二次世界大戦直後の英国を舞台に、若い夫婦が経営するロンドン郊外の山荘で殺人事件が起きるというサスペンス演劇です。
この作品は1952年のロンドンでの初演以来、コロナ禍で2020年に一時中断されるまで、実に68年間もの連続上演を続けました。
また、ブロードウェイで最もロングランを記録したのは、アンドリュー・ロイド=ウェバーによるミュージカル『オペラ座の怪人』です。パリ・オペラ座に潜む「ファントム」が、歌姫クリスティーヌに切ない恋心を寄せる本作は、1988年から2023年まで、35年間にわたるロングランを達成しました。
この記録は、「歴代ブロードウェイ作品の中で最も長く上演されたミュージカル」として、ギネスブックに認定されています。
日本で最長のロングランは?劇団四季の代表作品『ライオンキング』
日本で最もロングランが続いているのは、劇団四季による『ライオンキング』です。
『ライオンキング』の日本初演は1998年で、東京・浜松町にある旧・四季劇場[春]のこけら落とし公演として開幕しました。『ライオンキング』は、アフリカの広大なサバンナを舞台に、ライオンの子・シンバの成長と親子の愛を描いた壮大な物語です。
2023年には開幕25周年を達成した本作は、初演以降、日本演劇としては初めて無制限のロングランを続けています。
その後も『ライオンキング』のロングランは続き、2025年12月20日には日本上演27周年を迎えました。現在は上演会場を東京・有明の有明四季劇場に移し、上演を続けています。
2025年12月時点での日本通算上演回数は14,600回以上に及び、観客動員数は約1450万人にも上ります。『ライオンキング』は、まさに日本における代表的なロングラン作品だと言えるでしょう。
近年注目されるロングラン舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』
近年では、現在もTBS赤坂ACTシアターで公演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』も特筆すべき作品と言えるでしょう。
世界中で大ヒットを記録したJ.K.ローリングによる小説「ハリー・ポッター」シリーズの最終巻から19年後を舞台に、父親になった37歳のハリー・ポッターと、息子アルバスの関係を描く物語です。
第39回読売演劇大賞の選考委員特別賞、第48回菊田一夫演劇賞など、名誉ある受賞歴を持つ今作は、ロングラン公演の面でも快挙を達成しています。本作は2022年7月の開幕以降、4年近くに及ぶロングランを続けており、2024年8月には総観客動員数100万人を突破しました。
この記録は、専用劇場でのストレートプレイとしては日本で初めてのことでした。その後も動員数を伸ばし、2025年には130万人を突破しています。
そんな舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は2026年12月27日(日)に千秋楽を迎えます。2026年は日本公演を観劇するラストチャンスとなりますので、この機会に劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。
ロングランには、商業的な成功はもちろんのこと、その作品が文化として根付いた証のように感じました。劇団四季の『ライオンキング』はもちろんのこと、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の快進撃も素晴らしいです!


















