ドイツの劇作家フリードリッヒ・シラーの代表作『メアリー・ステュアート』。時代に翻弄される2人の女王の運命を描いた本作は、長年にわたり多くの人々を魅了してきました。今回は、イギリスで上演され高い評価を受けた演出家ロバート・アイクさんによるバージョンが上演されます。

同じ時代を生きた2人の女王 メアリー・ステュアート×エリザベス1世

スコットランド女王であるメアリ―・ステュアートとイングランド女王であるエリザベス1世。同じ時代に同じ血を引きながらも、まったく異なる人生を歩みました。生後まもなく即位し、フランスで育ったメアリーは、カトリックの正統な後継者として期待される一方、3度の結婚と政治的混乱の中で王位を追われ、亡命後は長い幽閉生活を送りました。対するエリザベス1世は、出生をめぐる疑念を背負いながらも、即位後は巧みな政治手腕を見せ、長きにわたり政権を維持しました。2人は直接会うことはなかったものの、宿命的な対立関係に置かれ続け、最終的にエリザベスは国家を守るため、幽閉していたメアリーの処刑を決断します。そこには、個人の感情を超え、血と王権に縛られた切っても切れない因縁がありました。

そんな2人を描いた作品の演出を手掛ける栗山民也さんは、「二人の女性の全身を賭けたぶつかり合いは、権力、王権、宗教などの対立の時間を冷酷に刻みつける。この長い歴史のなかで、ずっと響き合ってきた二人の人間の孤独な魂の衝突である。その様相は、私たちのこの現在の地球上の様々な対立そのままを鏡に映し出しているようで、とてもリアルだ」とコメント。この因縁の物語を、栗山さんは私たちにどう突きつけるのか。その演出に注目が集まります。

日本を代表する2人の女優が初共演!実力派俳優陣が集結

波乱万丈な人生を歩んだ、メアリー・ステュアートを演じるのは宮沢りえさん。映像から舞台まで幅広く活躍し、パルコ・プロデュース 2024『オーランド』ではタイトルロールを務め、青年貴族から一夜にして女性へと変身し激動の時代を生き抜く主人公を、凛々しく力強く演じました。今回は『オーランド』以来、2年ぶりに栗山民也さんとタッグを組みます。今回の出演に際し、「演出の栗山さんからこの山の山頂を目指そう!とお誘い頂いた高い高い山。私にとってヒマラヤ級の『メアリー・ステュアート』メアリーを演じさせてもらえる事への、喜びと怖さで、心も身体も震えます。2025年に演出して頂いた『オーランド』を演じた時のように、高みを目指し、若村さんをはじめ素晴らしいキャストの皆さんと見たことのない景色を見れるよう全力を注ぎたいと思います」とコメント。

そして、一時代を築いたエリザベス1世を演じるのは若村麻由美さん。数々の演劇賞を受賞しており、確かな演技力を誇る女優です。地方公演の真っただ中である『飛び立つ前に』では、橋爪功さん演じる主人公の妻役として実年齢より上の役に挑み、愛嬌と朗らかさをもった女性を演じる姿が印象的でした。

今回演じるエリザベス1世について、「ヴァージン・クイーンとも言われるエリザベスは、運命に敢然と立ち向かう強い女性というイメージでしたが「国王とは国王という身分の奴隷に過ぎない。国王でいることは囚われの身と同じ、自らの心に従うことは許されない。」と吐露し決断に苦悩する人間らしさも併せ持ちます。台詞の攻防戦が見所なので演出を体現出来るよう、私らしいエリザベス 1 世を目指します。牢獄に囚われたクイーンメアリーと、国家という牢獄に囚われたクイーンエリザベス。二人のクイーンの運命と闘いが、今を生きる私たちに何を投げかけるのかご期待ください」とコメント。今回初共演となる2人が、舞台上でどのような化学反応を見せるのか注目したいポイントです。

他にも、橋本淳さん、木村達成さん、犬山イヌコさん、谷田歩さん、大場泰正さん、宮﨑秋人さん、采澤靖起さん、阿南健治さん、久保酎吉さん、そして段田安則さんと実力派俳優陣が集結します。

パルコ・プロデュース2026『メアリー・ステュアート』は、4月8日(水)から5月1日(金)まで東京・PARCO劇場、5月9日(土)、10日(日)に福岡・J:COM 北九州芸術劇場大ホール、5月14日(木)から17日(日)まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、5月21日(木)から23日(土)まで愛知・穂の国とよはし芸術劇場 PLAT主ホール、5月30日(土)、31日(日)に北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)にて上演されます。公式HPはこちら

nan

運命に翻弄される二人の女王を、日本を代表する女優がどう演じるのか、その瞬間に立ち会えることが本作最大の魅力ではないでしょうか。また、今回はロバート・アイクさん翻案のものを上演するということで、どのような解釈で描かれているのかも楽しみです。