2年ぶりの新作舞台となる、NODA・MAP第28回公演『華氏マイナス320°』が、2026年4月10日(金)より上演されます。東京公演を皮切りに、北九州、ロンドン、大阪で上演される本作品。2021年以来5年ぶりに野田作品に出演となる阿部サダヲさん、今回が3回目の舞台出演となる広瀬すずさん、そして過去6作(出演8度)の野田作品に出演経験のある深津絵里さんなど、豪華俳優陣が揃い踏みです。
深津絵里×広瀬すずの初共演&阿部サダヲは5年ぶりのNODA・MAP出演

NODA・MAPの公演は、毎回豪華・実力派のキャストで彩られ、演劇ファンにとってはたまらない座組となっています。今回の『華氏マイナス320°』も、歴代の作品に負けず劣らずの俳優陣が揃っており、期待が高まります。
2021年の番外公演『THE BEE(原作 筒井康隆 「毟りあい」)』以来5年ぶりの出演となる阿部サダヲさん。阿部さんはその他にも、2016年の『逆鱗』など、NODA・MAPの過去公演にたびたび出演されています。
そんな阿部さんと共演するのは、2022年の『「Q」:A Night At The Kabuki』ロンドン公演で現地メディアから高い評価を得た広瀬すずさんです。数々のドラマや映画で大活躍の広瀬さんは、舞台ではどんな一面を見せてくれるのでしょうか。
特筆すべきは、1997年の『キル』以来、NODA・MAPの過去6作品(再演も含めると8回)に出演してきた深津絵里さんです。
深津さんがNODA・MAPの公演に出演されるのは、2012年の『エッグ』以来14年ぶりとなります。過去の公演で魅力的なヒロインを演じてきた深津さんは、今回どのような役柄を演じるのでしょうか。
また、深津さんと広瀬さんは今回が初共演。世代の異なる実力派俳優の初共演も、見逃せないポイントです。
阿部さん、広瀬さん、深津さんを中心に据え、『華氏マイナス320°』には実力派キャストが勢ぞろいしています。
大倉孝二さん、高田聖子さん、橋本さとしさんといった実力派をはじめ、大ベテランの橋爪功さん、そして今回がNODA・MAP初出演となる川上友里さんまで。
個性と経験で唯一無二の存在感を放つ俳優陣と、作・演出・出演まで務める野田秀樹さん、そして16名のアンサンブルキャストによって『華氏マイナス320°』の世界が走り出します。
名作小説を彷彿とさせる、野田ワールド満載の新作が登場
野田秀樹さんは大学在学中に劇団「夢の遊眠社」を結成し、同劇団の解散後にNODA・MAPを設立。演劇から新作歌舞伎、歌劇など幅広い舞台芸術を手掛け、約50年間にわたり精力的に作品を生み出し続けています。
今回、野田さんが新たに描き出す舞台『華氏マイナス320°』は、作家レイ・ブラッドベリが1953年に発表したディストピア小説「華氏451度」を彷彿とさせるタイトルです。
小説「華氏451度」の舞台となるのは、本を読むことが有害とされ、本を読むことも持つことも禁じられた近未来。圧縮・要約が横行し、「壁」に設置されたテレビから流れてくる刺激的な映像ばかりを見て、「考えることをやめた」社会が描かれ、現代の私たちに強烈なメッセージを突きつける名作です。
一方、今回上演される『華氏マイナス320°』は、野田さん曰く「正しくない科学に基づいた、正しくないSF(サイエンス・フェイクション)」だといいます。観客の想像力をとことん膨らませるこの新作舞台では、どんな展開とメッセージが観客を待ち受けているのでしょうか。
【あらすじ】
舞台のはじまりは、とある化石の発掘現場。そこでは久しぶりにさまざまな化石の骨が次々と発掘されるものの、発掘チームは目もくれない――そう、彼らが捜しているのは、「謎の骨」なのだから――この「謎の骨」の「謎」をめぐって、物語は現代から中世、さらには古代をも往還していく。果たして「謎の骨」の正体とは……?

野田秀樹は『華氏マイナス320°』で何を問いかけるのか
野田さんは過去にも、名作文学からインスピレーションを受けた作品をたびたび上演してきました。
作家・坂口安吾の短編「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」を下敷きにした『贋作・桜の森の満開の下』。ロシアの文豪ドストエフスキーの名作「罪と罰」を幕末の日本に置き換えた、『贋作・罪と罰』。
そして、筒井康隆氏の小説「毟りあい」を題材に、ロンドンで現地演劇人とワークショップを積み重ね、書き下ろした『THE BEE(原作 筒井康隆 「毟りあい」)』など。既存の名作を「野田ワールド」へ巻き込み、新しい作品へと昇華しています。
一方でベトナム戦争におけるアメリカ軍の虐殺が描かれた『ロープ』、原爆投下や敗戦、米軍の占領や特攻隊など、太平洋戦争のあらゆる出来事を描いた『オイル』、日航機墜落事故が描かれた『フェイクスピア』など、歴史の中で起きた出来事を取り上げ、目をそらさずに上演し続けてきました。
今回の『華氏マイナス320°』は、名作からのインスピレーションと現代社会へのメッセージが入り混じっているように筆者としては感じられ、非常に興味深いです。
NODA・MAP第28回公演『華氏マイナス320°』は、以下のスケジュールで上演されます。
2026年4月10日(金)-5月31日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
2026年6月6日(土)-6月14日(日) J :COM北九州芸術劇場 大ホール
2026年7月2日(木)-7月11日(土) Sadler’s Wells Theatre(ロンドン)
2026年7月22日(水)-8月2日(日) 新歌舞伎座
公式HPはこちら
野田秀樹さんが繰り出す“言葉”の持つ力、そして俳優たちの身体表現からなる独特の世界観は、何度観ても虜になります。 その一方で、絶対に目を背けてはいけない深刻なテーマが目の前に突きつけられ、「時代を映す鏡」としての演劇のあり方を考えさせる作品ばかりです。新作も非常に楽しみです。


















