1959年にブロードウェイで初演、1965年に映画が公開され、不動の人気作となった『サウンド・オブ・ミュージック』。「ドレミの歌」や「エーデルワイス」など、一度は聴いたことがある歌も多いはず。この物語、実話を基に制作された作品であることをご存知でしょうか?
3時間弱とは感じさせない展開と、思わず歌いだしたくなる名曲たち
舞台は1930年代のオーストリア。修道女としては少々おてんばな主人公・マリアは、数年前に妻を亡くしたトラップ海軍大佐宅へ、彼の7人の子どもたちの家庭教師として派遣されます。トラップ大佐は軍隊のような厳しい躾をしており、子どもたちは歌も遊びも知らない状態でした。マリアは持ち前の快活な性格で子どもたちに歌や遊びを教え、信頼関係を築いていきます。
また厳格だったトラップ大佐も、子どもたちの美しい歌に心を打たれ、今までの教育方針が間違っていたことに気付きます。いつしか、マリアとトラップ大佐の間に愛が芽生え、2人は子どもたちや修道女に祝福されながら結婚式を挙げます。しかし、オーストリアはナチスドイツに併合され、反ナチス派の大佐にも軍から召集令状が。家族とともに過ごすことを選んだ大佐は、一家で中立国であるスイスに亡命することを決意します。
伝説の作曲作詞家コンビによる、実在のファミリー合唱団の物語
1940年~50年代のミュージカル黄金期を支えた伝説のコンビ、作曲家リチャード・ロジャースと作詞家オスカー・ハマースタイン2世。そのコンビの最期の作品でもある『サウンド・オブ・ミュージック』は今でも世界中で愛されており、日本でも東宝が1965年に初上演。以来何度も再演されている人気作です。
原作は「トラップ・ファミリー合唱団物語」など、主人公マリアのモデルとなったマリア・アウグスタ・フォン・トラップの自叙伝。ただミュージカルや映画では、トラップ大佐(実話では少佐)の性格など一部ドラマティックに脚色されている箇所があります。実在のマリアは映画版主演のジュリー・アンドリュースの演技を絶賛し、共に歌を披露しています。
映画を見直してみると、登場する街並みや山々が大変美しく、思わずロケ地に行きたくなりました…!また耳なじみのある歌も多いため、3時間弱という長編でありながら最後のシリアスな展開まで全く飽きず、改めて作品の良さを感じることができました。因みに、ワンシーンだけ実在のマリアたちが出演していますのでぜひ探してみてください!劇団四季のHPはこちら