Amazon Original映画『シンデレラ』は、おとぎ話の常識を覆す全く新しい作品。継母と姉たちに使用人のような扱いを受けていた少女が魔法使いの力で舞踏会へ行き、王子様と恋に落ちるという王道ストーリーに現代的な要素を取り入れた、いわば“令和版のシンデレラ”です。

演劇メディア「Audience」で取り上げるくらいですから、もちろんミュージカル仕立て。それも神曲ばかり!豪華キャストとアツいミュージカルナンバーを揃え、映画『ピッチ・パーフェクト』の脚本で知られるケイ・キャノンが初めてメガホンを取った作品です。

シンデレラ役は、大注目シンガーのカミラ・カベロ

シンデレラ(本名エラ)を演じるのは、世界が注目する若手シンガーのカミラ・カベロ。カミラは2012年から米国アイドルグループのメンバーとして活躍し、2017年からはシンガーソングライターとして活動しています。デビューアルバム『カミラ』(2018年)は、全米のアルバムチャートで初登場1位を記録。今回のエラ役で、女優デビューを果たしました。

彼女が演じるエラの役柄にも注目。エラは継母と姉に家事を押し付けられてはいますが、彼女たちと対等に意見交換ができる関係です。エラの強さと賢さは、姉たちもときどき一目置いているほど。

エラはドレスを作ることが好きで、いつか自分のお店を持つことが夢。「女は商売をせずに家事をこなすのが当たり前」という風習の王国で、自作のドレスを売り込みするタフな一面を持った少女です。

豪華キャストが集まったミュージカルシーンは優勝レベル

カミラの他に、ミュージカル映画で活躍した豪華キャストが勢揃いしている点も注目せずにいられません。エラの継母役には、『アナと雪の女王』のエルサ役でおなじみのイディナ・メンゼル。

『マンマ・ミーア!』でサム役を務めたピアース・ブロスナンが国王役、『オペラ座の怪人』でカルロッタ役であったミニー・ドライヴァーが女王役など、ミュージカル映画好きにはたまらない顔ぶれです。エラを助けるネズミのキャストの中には、『キャッツ』で紳士猫を演じたジェームズ・ゴーデンの名前も。彼は本作のプロデュースにも携わっています。

そんな魅力的なキャストによるミュージカルシーンは、オリジナル曲と既存のヒット曲のミックススタイル。QUEENの「Somebody To Love」やMadonnaの「Material Girl」などが起用され、思わず口ずさみたくなってしまいます。『ピッチ・パーフェクト』の生みの親であるキャノン監督らしいノリの良いセットリストです。

王子様か、追いかけ続けた夢か

魔法使いの力で舞踏会に行き、王子と恋に落ちるエラ。エラの人柄に惚れ込んだ王子は、エラが庶民であることを知りつつ親切心で「王族として一生困らない生活ができる」と言って求婚しますが、彼女は違和感を抱きます。エラの望みは結婚で富を得ることではなく、自分の作ったドレスで生計を立てることなのです。

舞踏会のあと、継母に王子と踊った謎の娘が自分だとバレてしまうエラ。継母は怒るどころか、夢を諦めて王子のところへ戻れと説得します。実は継母も、自分の夢をあきらめて結婚で幸せを築こうとした女性。王国には、エラや継母のように夢を叶えられずにもがく女性がたくさんいるのです。

夢を叶えたいけれど、王子への愛も捨てられずに葛藤するエラ。果たして彼女はどちらの幸せを手に入れるのでしょう?

Amazon Original映画『シンデレラ』には、「王子様との結婚がたった一つのハッピーエンドである」という価値観は存在しません。これまで数多く作られてきたシンデレラの物語のように、若く美しい主人公を妬む継母と姉たちもいません。エラや王子、継母、登場人物それぞれが自分らしいハッピーエンドを見つけようとする姿は、新しい時代に合った物語です。

さきこ

Amazon Original映画『シンデレラ』は、ミュージカルが好きな人はもちろん、王道のプリンセスストーリーが苦手という人にもおすすめ。期待の新人シンガーが演じる令和版シンデレラは、私達に夢を追いかける活力を分けてくれます。