好きな人に彼氏・彼女がいた、パートナーから別れを告げられた、などなど。恋心が粉々に砕け散る切なさたるや簡単に癒えるものではありませんよね。好きなことに打ち込んだり、お酒に溺れたりと、辛い気持ちを忘れる対処方法はたくさんありますが、誰かの物語にどっぷりつかれる映画やミュージカル鑑賞もそのひとつ。
今回は、「失恋から吹っ切れたい!」そんな時にぴったりのミュージカル作品をピックアップしました。辛い気持ちは忘れて、作品世界を楽しんでしまいましょう!
01 破天荒な人物達が傷心を吹き飛ばす!『シカゴ』
1920年代、ジャズ・エイジ全盛期のシカゴで巻き起こる、女性による殺人スキャンダルを描いた物語です。黒を基調としたスタイリッシュな衣装とセクシーな振り付けが印象的で、まるでテキーラショットのような力強さがあるミュージカル。ことごとく破天荒な登場人物達が、あなたの傷心を爽快に吹き飛ばしてくれます。
妹と旦那の浮気現場を目撃し、二人を殺めて何食わぬ顔で舞台に立つボードヴィル・スターのヴェルマと、不倫相手を殺した売れない踊り子ロキシー。 ふたりは収監されても「私は悪くない」の一点張りで、己の運命を変えようと奮闘し、悪徳弁護士ビリーの力を借りて無罪を勝ち取ります。
傲慢で自分本位な3人が生きる欲望まみれの世界。決して身近な世界ではないけれど、したたかな彼らの力強さに勇気をもらえ、新たな一歩を踏み出そうという気持ちにさせてくれる作品です。
現在はU-NEXTやdTVなどの配信サービスで視聴することができます。
02 誰もが気分爽快!『天使にラブソングを』
言わずと知れた、気分があがる名作コメディ。ひょんなきっかけで修道院生活を強いられた、クラブ歌手のデロリスが聖歌隊の歌唱指導で本領を発揮し、シスター(修道女)たちの生活をもいきいきと変えていきます。
保守的で荘厳な修道院で生活する幅広い世代のシスターたちが歌唱に夢中になり、消灯後もこっそり練習を始めるなど、まるで青春映画のような物語。見ているだけで彼女たちの奮闘を応援したくなります。作中で歌われる讃美歌のポップなアレンジも相まって、シュワシュワとサイダーのように沸き立つ爽快感が、沈んだ気持ちを底上げしてくれるはず。
03 執着心と決別したい時に…『オペラ座の怪人』
断ちがたい想いに囚われてしまうなら、想いを寄せる歌姫を執拗に追いかけてしまった孤独なオペラ座の怪人の物語を観て、心の区切りをつけてはいかがでしょうか?
不器用で自分本位な怪人の愛情表現はクリスティーヌに恐怖を抱かせ、次第に怪人の愛情は怨念を含んだ歪な愛に変化してしまいます。怪人ほど極端でなくとも、ついつい自分本位になってしまうのが恋愛感情の困ったところ。怪人の狂気の姿を見れば、今回の失恋を客観的に捉えることができるかもしれません。
怪人とクリスティーヌ、ラウルの三角関係は大人になればなるほど見方が変わり、恋愛を含めた様々な経験がこの作品を楽しむスパイスになると筆者は感じています。劇場で、映画版で、作品を楽しみながら自分の感情を見つめるのにぴったりなミュージカルです。 劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』はこちら
いかがでしたか?恋の媚薬が心に残っている間は何も手がつかなかったりするかもしれません。人生経験として虚無感を味わいつつも、終わった恋に区切りをつけて、次に踏み出しましょう!