現在、帝国劇場にて絶賛上演中の『レ・ミゼラブル』。すでにキャストを変えて何度か観劇されている方もいるのではないでしょうか。またこれからチケットを取る予定だけど、どのキャストを選んでいいかわからないという方もいるかと思います。今回はプリンシパルキャストの中から相葉裕樹さんのアンジョルラス、屋比久知奈さんのエポニーヌの観劇リポートをお届け。キャスト選びに迷っている方は是非参考にしてみてください!
シャワーのように降り注ぐ歌声!リーダー感が強くなった美しい相葉アンジョルラス
『レ・ミゼラブル』の中では学生達を率いるリーダーとなり、革命に生きるアンジョルラス。相葉裕樹さんがアンジョルラス役を演じるのは2017年、2019年に続き2021年で3度目です。私は2019年の『レ・ミゼラブル』のアンジョルラス役を3人全てのキャストで観たのですが、その中でも歌声や立ち振る舞いに1番心を掴まれたのが相葉さん演じるアンジョルラスでした。今回も相葉さんのアンジョルラスは必ず観ようと決めていました。
相葉さんは同じレミゼカンパニーの唯月ふうかさんから「9等身」と言われるほどスタイル抜群で、王子様のようなビジュアルの持ち主。しかし私が思う相葉さんのアンジョルラスの魅力は、そのビジュアルから想像できないほど力強く伸びがあるロングトーンです。まさに歌声のシャワーを浴びているという表現がピッタリ!後方席からの観劇でも体中で感じられる歌声に鳥肌が立ち、幸せな気持ちで満たされます。
2019年の上演ではキラキラ感の強かった相葉さんのアンジョルラスが、2021年の上演ではどっしりと構えリーダー感が強くなっているのも見どころ。落ち着きがあり、仕草に品があるため色気も感じられました。仲間を率いながら自由を求めて戦う姿はとても頼もしく、こぶしを振り上げる姿に心を奪われる方も多いことでしょう。
クールな表情の中に隠れたマリウスへの想いが切ない!少年のような屋比久エポニーヌ
テナルディエ夫妻の娘で、マリウスを想いながらもコゼットとの恋を手助けする切ない役どころのエポニーヌ。屋比久知奈さんがエポニーヌ役を演じるのは2019年に続き2度目になります。私はエポニーヌも2019年『レ・ミゼラブル』で3人全てのキャストで見ており、屋比久さんエポニーヌが前回とどう変わるのか楽しみにしていました。エポニーヌは演じるキャストで雰囲気が違い、それぞれの良さがあるのでキャストを選ぶ時には迷いがちです。
屋比久さんが演じるエポニーヌは女性というよりも少年のような雰囲気が強く、あまり笑顔も見せない印象。マリウスへの恋が叶わないとわかっていて、気持ちが溢れないよう抑えているようにも見えます。そんなクールな表情が多い中で、時折見せる笑顔には女性の私でもキュンとしてしまう可愛さがありました。
また屋比久さんのエポニーヌは好きの気持ちが前面に出ていないように見える分、『On My Own』での歌声がストレートに心に刺さります。『恵みの雨』では大好きなマリウスの腕に抱かれて息絶えますが、その表情から今この瞬間が一番幸せなのかもしれないと感じられました。切ない人生だったけれど、最後の最後でようやく好きな人と向き合えたエポニーヌの姿はハンカチ無しでは見届けられません!
1度観劇してもキャストを変えて何度でも楽しめるのが『レ・ミゼラブル』の醍醐味。推しや気になるキャストで観劇したあとは、是非他のキャストでも観劇して違いを見つけてみてください。「この役はこの人!」という自分だけのお気に入りキャストが見つかるのではないでしょうか。