ミュージカルの醍醐味といえば、心が軽くなる音楽とダンスだと答える人は多いでしょう。しかし、有名なミュージカル作品となると、『レ・ミゼラブル』、『オペラ座の怪人』、『ミス・サイゴン』など、意外とシリアスな題材のものが多いのではないでしょうか?今回は、お腹を抱えて笑えるコメディミュージカルの名作を3つご紹介します。

抱腹絶倒のモルモン教コメディ『ブック・オブ・モルモン』(2011年初演)

モルモン教の宣教師2人がウガンダで布教を試みるドタバタコメディです。布教に意気込む生真面目なプライスと、明るくも頼りないカニンガムの凸凹コンビ。感染病、強奪、死が蔓延するウガンダの村で、二人は信仰を貫けるのでしょうか。コメディアニメ『サウスパーク』の制作陣による、ブラックユーモア満載のミュージカルです。なんでもありのジョークの連発に加え、ミュージカルパロディも多く、非常に見応えのある作品です。

2012年トニー賞授賞式でのパフォーマンス

パペットのベッドシーン⁉︎『アベニューQ』(2003年初演)

セサミストリートのクリエイターが参加したパペットミュージカルとして話題を呼んだ作品『アベニューQ』。社会のあぶれ者が集まるニューヨークQ番街を舞台に、個性的なパペットたちが人生や恋愛に悩みます。一見子ども向けミュージカルに見せかけながら、政治風刺やベッドシーンなど、かなり攻めた内容。「パペットなら何をやってもいいのか!」と内心突っ込みながらも、楽曲のクオリティの高さも相まってつい笑えてしまうコメディです。

2019年West End Liveでのパフォーマンス

打倒シェイクスピア!『サムシング・ロッテン』(2015年初演)

舞台は16世紀英国。ロンドンは天才劇作家ウィリアム・シェイクスピアの話題で持ちきりです。彼の成功に嫉妬する劇作家のボトム兄弟は、彼の新作ネタを盗もうとして…。2018年には福田雄一監督で日本版も上演された『サムシング・ロッテン』。ミュージカルファンにはたまらない内輪ネタやパロディ満載のコメディです。

“God, I hate Shakespeare!” パフォーマンス
Akane

毒のある脚本や風刺の効いた演出すらも笑いの糧にしてみせる俳優陣の力量も見どころのひとつ。満面の笑みで劇場を後にできるコメディミュージカルが筆者は大好きです。